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4-5

 海上に搭乗口だけ出した原潜にヘリコプターから乗り移ると、小さいハッチが開いて中へと案内されました。中は思ったより広いというべきか、思ったより狭いというべきか、ちょっと悩みます。客観的に見ればやはり狭いのでしょう。


 私たちが通されたのは艦内の一室でした。調度品が豪華なので応接室的なものなのでしょうか。潜水艦の中で応接する人ってどんな人なんでしょう? とにかく、そこに1台のラップトップPCが置かれていて、ケーブルでテレビにつながっていました。


 正直、ブリッジとか指令室とかそういうところに行くのかと思っていたので、ちょっと拍子抜けした気分だったのは内緒です。


 『これからハイジャックされた原潜の近くに向かいます。30分ほど掛かるのでこちらでお待ちください』


 そう言って案内をしてくれた水兵さんは部屋から出て行きました。


 「うーん。牛さんはいないみたい」


 天さまはさっそく七夕GOを取り出して部屋の中を確認し始めました。といっても、原潜の中じゃ携帯の電波もGPSも機能しないんじゃないかと思うのですが。


 お姉さまはラップトップをじーっと見ています。何か面白いものがあるのでしょうか。墨ちゃんはあちこちにおいを嗅いでいます。美雷さんは何かもじもじとしていました。


 「あ、あの、その、おしっこに……」


 あー、たくさん水を見たから……


 驚くべきことに、潜水艦の乗組員には女性もいて、女性用のトイレも完備されているそうです。こういう体力仕事は男性のみの仕事かと思っていました。平安時代では考えられないことです。


 ともあれ、見知らぬところで美雷さん一人で行かせるのは心配なので、私が一緒についていくことになりました。天さまが部屋の外で七夕GOを試したいと言ったからというわけではありません。


 軍事機密の塊の中でスマホを操作していてよく怒られないなと思ったのですが、そこは天さまなので神力で何かやっているのだろうと思うことにしました。


 「私も一緒にしますから、先に終わったら外で待っててください」


 どうやら私も水を見すぎたようです……


 「ねえ、雪ちゃん」

 「はい、天さま?」

 「これはね、チャンスなんじゃないかな?」

 「はい?」


 トイレでおしっこをしていると天さまに話しかけられました。この状況、自分で自分に話しかけている状態なのでちょっと頭の悪い独り言に聞こえたりしないかと少し心配です。


 「これは、この原潜をハイジャックして沈黙の艦隊をやるしかないんじゃないかな?」

 「そんな必要はありません!!」

 「でも、こんなチャンスはめったにないよ。もしかしたら一生ないかもよ」

 「なくて結構です!」


 天さまの無茶振りをどうにか諭してトイレから出ると、美雷さんが微妙な顔で待っていました。はぁ、恥ずかしい。


 部屋に戻ると水兵さんが1人いて何か作業をしていました。

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