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冒険者ギルドですわ

「……は?」


 当然というか、ゴロツキAは唖然とします。きっと彼は怖がられるか、気丈に言い返されるかを想定していたんでしょうね。

 彼がペースを取り戻す前に畳み掛けてしまいましょう、そうすれば安全にこの場は収まるに違いありません。


「私、これからここで登録して活動を始める予定なのですわ!ですが私一人ではいささか実力不足、そこであなたのような屈強な方を探していたんですわ」


「お、おう……そうか」


 なんか見事に引かれてますね、てっきり鼻の下伸ばして下種な思考に浸ると思ってたんですけれども、案外考えてもいなかった反応を返されると臆してしまうものでしょうか?

 実際彼は周りに視線をめぐらせて、「おい誰か助けろ」見たいな顔してます。


「もしご迷惑でなければご一緒にいかがでしょう?」


「わ、悪いが嬢ちゃんみたいな足手まといは俺らのようなベテランチームじゃ無理だ、他をあたってくれ」


 まさかの撤退されました。ゴロツキAの他を、という発言で周りの方々は一斉に目をそらしました。面倒ごとはお断りのようですね。結局は私に都合がよくなりましたけれど、面倒ごとの塊みたいな扱いをされると悲しいですね。

 クラッコには殺人鬼扱い、サイファスにはサキュバス扱い、まともな判断を下せる人はいないんですかね、まったく。


「そうですの、それは残念ですが迷惑までかけるつもりはありませんわ。気長に探してみますわ、ありがと

う」


 こういって受付に行きました。受付のお姉さんは苦笑いですが、騒ぎが起きなくてホッとしているようですね。


「本当に登録なされるのですか?ある程度の戦闘が行なえなければ登録は不可能ですよ?」


「かまいませんわ。最低限の自衛は経験がありますわ」


 実際は自衛どころかこの街を一瞬で終わらせる位朝飯前ですけどね。そんなこと言ったら面倒が舞い込むこと必須なので黙ってますが。


「そうですか、分かりました。念の為に試験を受ける方全員にお伝えしているのですが、試験によって受けた怪我は当ギルドでの責任は一切受け付けておりませんよ」


「それはそうですわ、でなければ実力の判別もしっかり出来ませんもの。それで試験はいつごろ行なうんですの?一応準備は整えてきましたわ」


 あえて握りこぶしをすることで徒手が武器だと伝えてみます。それに彼女は少しだけ首を傾げましたが、すぐにピンと来たようで苦笑いが浮かびました。

 きっとモンスター相手に徒手は無謀だと言いたいのでしょう、確かに私もあれ相手に徒手は無謀だと思います。


「分かりました、それでは試験官に話を通してきますのでしばしの間お待ちください」


 試験官はどのような方なんでしょう?ギルド長の可能性もありますが、引退したベテラン冒険者の可能性も大いにありますね。

 どちらにせよ、一撃で沈めておきたいところです。あんまり長時間の戦闘は、素人丸出しがばれますし、能力もサイファスがあんなに驚いていましたので、異色の魔術という扱い方でいいでしょうが、多用は禁物ですね。


「お待たせしました、彼が今回の試験官です。彼に同行してください、街の外にて試験を行ないます」


「分かりましたわ、私は……ユイですわ。今回はよろしくお願いしますわ」


 でてきたのは筋肉ダルマでした。これ、確実にギルド長コースですね。武器は木製の剣でしょうか、それを両手に一本ずつ持ってます。


「おう別嬪さんだな、今回の希望者は。俺はここでギルドマスターをしているドグレイだ。でだ、嬢ちゃん、武器は?」


「今のところ徒手もしくは異色の魔術でしたわ。剣や棒術の経験はほとんどありませんわね」


 なんだかこれ使えって言われそうな気がします。そんな木剣なんて振ったことないですし、確実にフルボッコされそうです。


「異色?そうか、念の為に聞いておくが木剣借りるか?」


「結構ですわ。お気遣い感謝しますがあまり身の内を晒したくありません」


 なるほど、と頷きながらドグレイさんは左手の木剣を受付のお姉さんに預けました。別に二刀流というわけではないようです。しかしあの筋肉から繰り出される剣は、いくら木製でも殺傷力が高そうです。絶対にあたりたくないですね。


「わかった。それでは早速移動して、試験を開始しよう。まさか見られたくないなんて言う訳ないよな?」


「たぶん、分かる人と分からない人がいると思いますわ。でもどういうことか理解できる人はほとんどいませんもの」


 ここでようやく、私は自信ありげに笑みを浮かべて軽く挑発します。これで周りの方たちは異色、という言葉と理解できない、という挑発で見に来るでしょう。ここで彼を相手に善戦しておけば、ある程度は絡まれる可能性が減るに違いありません。


 私の予想通りに、結構な数が見学の為についてきました。なんだか笑みが溢れてしまいます。

 門を出て、街道からある程度離れた場所で試験を行なうようです。


「では、これから試験を始めようか。まずは俺に向かって最高の一撃をやってみろ。それから戦闘開始だ。条件は特にない。俺が冒険者としてやっていけると判断したら合格だ」


 さすがに殺したらまずいですわよね?

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