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幼馴染と色々話したんですが

「……それにしても、まさかミシェが監視役になるなんて」


 思いもしなかったよ。

 アンさんの後ろにつきながら、僕はミシェに向かってそう言った。

 そもそも、彼が教会に行ってたことも知らなかったのだ。

 僕が孤児院を出たとき、まだ彼はそこにいたから。


「アハハ! ボクもびっくりしたよ!」


 ミシェはなんでもないように笑う。

 ――うん。あの時と同じ笑い方だ。


「……ちょっと気になったんだけどさ」

「なんだい?」

「なんでミシェが監視役に選ばれたの?」

「あー、それかー……」


 どこから話そうかなー、とミシェは頭を抱えてうんうんとうなる。

 年相応の動きではあるけど、見た目が美少女なものだから違和感がすごい。

 しばらく彼の様子を見ていると、「よし!」と顔を上げて、僕の目を見つめて口を開いた。


「実はね、ボクも監視役を受けるまではショウくんだって知らなかったんだよ」

「え、そうなの?」

「うん。最初は法王様から話を受けてね――」


 ――彼の話を要約するとこうだ。

 ・最初に法王台下から「監視役を務めてくれいないか」という打診があった。

 ・細かく話を聞くと、特殊なスキルの保持者が見つかったものの、その人が悪いことをしたわけではないので監視を設置することで手を打ちたいというアマリア殿下からのお願いがあったということがわかった。

 ・同年代だということ、きっと君も気に入るというお墨付きを受けて、監視役を受けることに決めた。

 ――色々と聞きたいところがあるけれど……。


「……ミシェ、法王台下から話をもらえるような偉い人だったの?」


 そう、最初に驚いたのは、ミシェが法王台下から打診を受けているということについてだった。

 彼は僕よりも年下で、僕が孤児院を出るころにはまだ教会にいなかった。

 そんな彼がたったの5年で法王台下に信頼されるくらいの人間になったのだから、驚かないわけがない。

 そう思ってミシェに尋ねたのだけど、どうも反応が悪い。

 ――もしかして、聞いちゃダメなやつだったのかな……?


「……あ、言いたくないなら別に――」

「――いや、そういうわけじゃないんだ。ないんだけど……」


 あーとか、うーとかうめき声を上げながら、ミシェが頭を抱える。

 しばらくの間その様子を見守っていると、ついに決心がついたのか、視線を僕の目まで上げて言った。


「……あのね。ボク、フォッコ家に引き取られたんだ」

「フォッコ……あ!」


 ミシェの言葉を聞いて、そのことに気づく。

 ――確かにあの時、マキナさんに「ミシェル・フォッコ」って呼ばれてた……!

 フォッコ家はとても古い歴史を持つ貴族の家で、歴代の法王を多数輩出していることがとくに有名だ。

 ちなみに今の法王台下もフォッコ家の出である。

 ――ってことは、まさか……!


「……まさか、ミシェのお義父さんって……」

「……そう。当代の法王様、ロウ・フォッコ台下が、ボクのお義父様なんだ」


 恥ずかしそうにミシェが言う。

 ――まさか、そんな大物の息子になっていたなんて……!


「……まあ、それで色々と必死にやってたら、いつの間にかこんな大きなものまでお願いされるようになっちゃって……」


 嬉しいけれど、ちょっと怖くもあるんだよね……とミシェは肩をすくめる。

 あまりにスケールが大きすぎてよくわからないけど、なにかとんでもないことが幼馴染の周囲で起こっていることだけはわかった。


「なんでそんなにすごいことに――」

「――おふたりとも」


 着きましたよ。

 アンさんのその一言を受けて、僕たちはおしゃべりをやめた。

 その代わりに視線を彼女と同じ方向へと向けて、目の前にある小さいながらも立派な一軒家を見る。

 そこには、こぢんまりとした庭を備えた、少し古い感じの石レンガで出来た2階建ての家が建っている。

 おとぎ話に出てきそうな、かわいらしい家だ。


「おふたりには、ここで共に暮らしていただきます」


 アンさんはなんでもないように、そう言った。

 ――え?


「……こんな立派なおうちで、ですか……?」

「ええ。……ああ、心配は無用です。家事手伝いをこちらで派遣しておきますから」


 ………………え?

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