どんどん面倒な方向に……
誤字脱字は異な忌めない。
休み休み歩き進むこと更に数時間………辺りは既に薄暗くなってきて、自身の足下すら覚束無くなって来た。
ここまで遠出するつもりは全く無かったので、カンテラなどの道具を持ってきておらず、私は光魔術が使えないため、辺りを照らす事は出来なかった。
火魔術は使えるけれど、それを明かりの代わりにすると、鬱蒼とした木々に燃え移ってしまい、地獄絵図となってしまうであろう事は容易に想像が出来てしまったため、火魔術の使用は控えることにした。
流石にこれ以上の移動は無理だと判断した私は、ここで一晩夜を明かす事にした。
エアサークレットという風魔術で、周りに生える草を一掃すると、刈り取った草を一纏めにする。
これを燃やして暖をとる事にする。
「うぇ~い…………」
ただ草を燃やしているだけなのだが中々に暖かい。
つい、オバサン面が顔を覗かせてしまう声が出てしまった。
くっ……ここに熱燗があったら、一杯………って駄目だ。妊娠中は飲酒は駄目だよね、うん。
はあっ……早く飲みたいないぁ……お酒。
あれっ?そう言えばこの世界に日本酒ってあるのかな?ワインとエールがあるのはラズリエラの記憶で知ってますが、日本酒についてはサッパリ分からないけど、まっ………まさか……日本酒って無いんじゃない?
だってさぁ……ほら、日本が無いじゃん?
そりゃワインも嫌いじゃ無いけど、やっぱり日本人は日本酒でしょ?
そして断然キリリと辛口派!!軽いのは飲んでる気がしないんだよね。
はぁ………切なくなって来たよ。
こりゃ、子供を産んだら日本酒探しの旅にでもでるかね?
そんな事で旅かよ?って思われるかもしれないけど、飲みたいし。自分で日本酒が作れれば最高でしょうけど、そう都合よく作り方なんて知ってるわけ無いし。
材料って何だ?米か?だがそもそもこの国に米なんて無い。主食はパンだ。お察し下さい。
私が焚き火にあたりながら日本酒に想いを馳せていると、背後の繁みの辺りがガサガサと揺れ始めた。
おやっ?一体何だろう?野生のノイッシでも出てくるのだろうか?
仕留めて肉を食堂なんかに卸せば、ボチボチの稼ぎにはなるのでは?
地味にお金を稼ぐのって楽しいかも……♪
私は風魔術のエアーアローを展開しつつ、繁みから適度に距離を取る。
ふっふっふっ。繁みから獲物が飛び出た瞬間に、エアーアローで串刺しにするっていう、単純明快な戦法です。
そしてガサガサ揺れていた繁みからソレは飛び出して来た。
「ギギィ~……グギュッ!」
うっうわあっ!!やばっ……。反射的にエアーアローを叩き込んじゃったけど、いま飛び出してきた影って、人形じゃ無かった?焚き火から離れてて、分かりにくかったけど浮かび上がったシルエットが人形だった様な……。
たったたたた確かめねばっ。ま、間違えて人間を狩っちゃった……とか?それってやっぱし捕まるよね?情状酌量とかあるかな?
動揺しながら攻撃してしまった人形に近付くと、そこに横たわって居たのは、何とゴブリンだった。
ゴブリンとは身体の色が緑色で醜悪な容貌のモンスターだ。
そのシルエットは人間に酷似しているが、もちろん人間では無いし、言葉を喋らないので意思の疎通はまず不可能の下級モンスターで、1匹見掛けたら10匹は居ると言われていて、まるでゴキ……げふんっ…イニシャルGの様なポジションだ。
中級モンスターより上には、人語を解するモンスターも居るが、ここでは割愛させて頂く。
「ふはぁぁぁ………。人間じゃ無くて本当に良かったぁ……。危うく人殺しになる所だった……。冷や汗が出ちゃったよ~」
私は嫌な汗をかいた額を手の甲で軽く拭うと、仕留めたゴブリンの確認を行う。
ふむ。どうやらこのゴブリン……どこかで一仕事終えてきたばかりのようで、片手に人間が使用するダガーが握られて居て、そのダガーにはまだ乾ききっていない血糊がヌラヌラと付着していた。
おげげっ……。その血糊が人間のかどうかなんて、私には判別は出来ないけれど、見ていて気持ちの良いものでも無いから、目につかない遠くに捨ててしまおう。
「エアーアロー!」 「ギュプッ!!!」
風の矢で、ダガーを遠くに吹き飛ばした…………………のだが、それと同時に変な声もしなかっただろうか?
う~ん……嫌な予感しかしない。
そして直ぐにその予感は的中した。
ダガーが飛んでいった方向の繁みが、ガサゴソ、ゴソゴソと揺れ始めた。
今度はそちらの繁みから距離を取る。
――――――――――――………すると。
先ほど仕留めたゴブリンの仲間だろうか?6匹のゴブリン共が、繁みの中から勢いよく飛び出して来た。
コイツら……繁みから飛び出さずには居れない性分らしいね。
まぁ、数は多いいけれど、ゴブリン程度に遅れを取る訳が無い。
エアーアローで全員串刺しの刑に処してやる。
のんびりとゴブリン共にエアーアローを、撃ち込む準備をしていた私の視界に、とんでもない者が写る。
―――――それは最後に飛び出て来たゴブリンが片手で引きずって居た、まだ歳若い女性の姿であったのだから。
ほぼほぼ薬草取りとはかけ離れた展開に。
おかしい……簡単に済ますつもりが、一向に終わりが見えなくなって来た。
リエラ……方向音痴。
そして作者も、お話の行方という名の道で迷子になっております。
気が長い方にだけお勧めする話になって来ました。




