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セカンド人生  作者: 雪野
8/8

8.見た目詐欺撲滅委員会。

平良葵生、小学校2年生!


帰ってきたら、従兄弟の幸人(ゆきと)くんが遊びに来ていました。




幸人くんは小学校3年生で、私の1つ上です。お父ちゃんの妹さんの息子で、お察しの通りすごくイケメンです。

父ちゃんが2枚目のハンサムだった場合、幸人くんは、はかなさをプラスした感じの、さわやか系だ。



てかさ、何の情報もないとか言ってたけど、これが乙女ゲームなら絶対に攻略対象に選ばれる外見をしている。

それくらい幸人くんはかっこいい。



だいたい子供の頃可愛いこって進化するか劣化するかの2択だけど、幸人くんは前者のタイプの人だ。

失礼極まりないこと言ってしまったが、ほんとに絶世の美女並なんだよ。



眉目秀麗って言葉が本当に良く似合い、こういう人に使う言葉だったんですねってくらい。

薄い切れ目なんだけど、目じりが少し下がって優しい雰囲気が出ている。でもって主張しすぎないけどもしっかりした二重。鼻も細く高い。


私なんかと比べ物にならないくらい肌が白くて、それでいて髪の毛も目の色も燃えているように赤い色をしている。



きっと、私が2回目の人生を送っている少女でなければ絶対に恋に落ちているはずだ。


「あおい!つばさ!久しぶり!」


幸人くんはにっこり笑うと私たちの頭を撫でた。だがしかし、首が折れそうなくらい力加減がおかしい。


「いたい!いたいよ幸人お兄ちゃん。」


翠は涙目になりながら私のTシャツの裾を必死につかんでいた。おい幸人、さすが父ちゃんのところの血筋だなって感じるほどに見た目詐欺この上ないなお前。ま、でも?髪の毛が赤い時点でなんとなく察してはいたよ?だって戦隊ものって真ん中のレッドが一番キャラ濃くて待遇良いもんね!!!!!


儚い見た目しといて、口を開けばうちの父ちゃんの生き写しみたいなキャラ本当にヤバいよね!?



どうしてこうも私の周りには熱血系が多いんだろう。翠も熱血系に育ったらどうしてくれんだ!


私的にはどういう感じに育っても文句はないんだけど、熱血系はさすがにお腹いっぱいって言うか。できれば進学校に通うドS眼鏡なんだけど、実はお姉ちゃん思いの子とか、まんま弟わんこキャラとかも捨てがたいよね。あざと小悪魔系でも全然ありだな。むっふっふ。


どれにせよ、お姉ちゃん思いのやさすぃー子に育ってくれればいいよ!うん!




にしても、だ。この世界が本当に乙女ゲームの世界だったとして、私が悪役ガールという立場だったとしたら、きっと周や幸人くんが攻略対象者ってことになりそうだ。年齢的にもちょうどいいし、翠と充にぃは少し年が離れているからどうだろう?私の身近の顔面キングは幸人くんだしな。



でもまてよ?幸人くんも、周も我が道を行くタイプの熱血系ですが?もしかして、あれか。攻略対象者全員熱血系の漢の中の漢なのか?やっべー。超コアなファンしか買わねーよそんなゲーム。


ま、いいか。突然変異である日突然周がツンデレ大魔王になるかもしれないし。



「そろそろ翠の頭離したげてよ、幸人くん。」



「おぉっといけね。久しぶりで手加減を忘れちまったぜ。ごめんなつばさ!」



お前はどこの時代の人間だよ。江戸っ子か?手加減も忘れるとは、充にぃの比じゃねーやこいつ。

葵生ちゃんと抱き着いてきた翠の髪の毛は、それはもうぐちゃぐちゃで、翠の透き通る青色の髪の毛が台無しだ!別に元から翠は猫っ毛だからあんまし変わんないけど!



どうでもいいけど、翠のくせ毛はいい感じにクルクルしてて若干お洒落さんです。



「葵生ちゃん。ぼく、幸人お兄ちゃんこわぃ・・・・・・」



そうだろうとも。だって詐欺野郎だもんな。でも、私はそんな幸人くんにも負けない弟に育ってほしいんだ!



「頑張れ!翠!」


「やだ!!!」



翠はうるうるした瞳で今にも再び泣き出しそうだったのに、そのかわいい眉毛を精一杯釣り上げて叫んだ。



その意気だぜ翠ちゃん!

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