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黒い馬

「レイラ様、注文の黒い馬が届きました」

「春までに、初心者の匠が乗ることができるように、調教しておくように」

匠のクリスマスプレゼントにと頼んだ馬が来たのに、受け取って名前をつけるはずの匠がいない。

「厩舎に名前をかけておきますが、なんと書きますか?」

「匠が名前をつけるから、まだ名前はつけなくていい」


 レイラは届けられた黒い馬を見に行った。艶々して健康そうな、美しい良い馬だった。ホワイトブロンドの匠が乗ったら、さぞ映えるだろう。けれど、もしかしたら、この馬はこのまま名前もなく、誰にも乗られる事なく、厩舎で一生を終えてしまう事になるかもしれない。

 レイラは、春休みには匠と一緒に乗馬をするつもりだった。馬上でニコニコしながら嬉しそうに笑う匠が、頭の中にいた。頭の中にありありと、乗馬を3人で一緒に楽しむ絵を描いていたのに。居るはずの、その二人がいない。レイラは待ち遠しいはずの春は、永遠に来ないような気がした。

 レイラは家臣の前で泣いてはならないと、誰もいない厩舎で馬の立髪に顔を埋めたまま、声を殺して泣いた。馬は慰めるように、レイラに寄り添っていた。

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