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引き止め

 健斗がサファノバに1週間滞在した後、

「そろそろ帰国しようと思います」

とレイラに伝えると、

「もうしばらく滞在したらどうか」

と意外にも、更に引き止める答えが返ってきた。健斗は仕事が気にかかったが、それよりもレイラから引き止められた事に驚いた。もう少し滞在すれば、もしかしたら、レイラに近づく事が出来るかもしれないと考えた為、すぐに快諾した。


 健斗宛に父親から、クラブで写したホステスに囲まれている透の写真が送られてきた。その中に、葵と透が話をしているツーショットがあった。しなだれかかられている写真もあった。しかし、今はこの写真を見せる口実がなかった。レイラから滞在を引き延ばすよう求められている今は、見せる必要がないと健斗は判断した。

 レイラは最近、毎日午後のお茶の時間になると、健斗を暖炉のある部屋へ呼んで、一緒にお茶を飲む。必ず、護衛が部屋の中にはいるが、それでも、毎日自分のために時間を取ってくれているようだ。ここで不機嫌になる話題を提供するのは、せっかく積み上げてきたものをぶち壊しにするようなものかもしれないと、健斗は慎重になった。自分といて、常に楽しい気分や、心地よい気持ち、頼りになると思われせる事が大事だった。


 結局、健斗は2週間も城に滞在し続けている。その間、高待遇を得たが、レイラに近づく機会は全くなかった。日本と違って、サファノバは独裁国家だ。万が一、意に沿わぬ事をして、女王の怒りに触れれば、良くて刑務所、悪ければ死刑になるかもしれない。それも健斗の気をそそった。望んでもすぐには手に入らないものがあると言う事。それを手に入れる為なら、何も惜しくないと言う高揚感。健斗にとって、手に入り難いものを、手に入れるまでの過程ほど、気分がみなぎる事はなかった。しかも、レイラからは来日時に国内を案内してもらいたいと依頼されていた。


「申し訳ないが、城の大掃除をする為、今日は城を出てもらいたい」

レイラから言われて、健斗一行は最初に泊まったホテルに滞在する事にした。

 大した観光もなく、オイルマネーで栄えた国。税金もないようで、国民全体も潤っているらしく、のんびりしている。杉島は帰国していたので、ホテルのコンシェルジェに勧められて、通訳の者と二人で、健斗は気抜けするほどのんびりした見晴らしの良い牧場で、牛を見ながらバーベキューをする事にした。

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