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第96話 大丈夫かこの展開05


「大丈夫……お兄ちゃん……?」


「ルリが僕を好きでいてくれる内は」


「にゃ……」


 そんなわけで国際間の緊張とは別に、慎ましやかな幸せに浸る世界覇王でした。


 王妃こと司馬ルリさんと御混浴。


 超萌える。


 ルリの裸は尊崇できて、貴くて、敬服に値する。


 神の与えたもうた奇跡。


 責任が取れないので手は出さないけど、大好きな大好きな大好きな女の子と一緒にお風呂に入るのは、思春期男子として試練とご褒美の二重奏。


 その王妃様は御懸念の様子。


「ネットでも色々言われてるんだけど……」


「ま、世界変革の節目だからね」


 王国にとっては産みの苦しみ。


 その三段階目と云ったところ。


 問題は僕の人徳と関連性が無いことだろうか?


 一応王様のはずなんだけど、やっていることは文化祭の準備。


 宰相閣下はあちこち折衝もしているけども、僕には苦労を掛けたくないらしい。


 可愛らしい側面満載だ。


 別に世界覇王にならなくてもルリとラピスがいるだけで僕は幸せだ。


 そのルリとラピスが望むことなら幾らでも泥を被ってあげられる。


 ……この表現は適当でないね。


 世界覇王の地位を「泥を被る」とは言わない。


 ピチョンと湯面が跳ねる。


 僕はルリの白い髪を撫でた。


 ルビーの瞳が僕を覗き込む。


 突発的衝動がこっちを襲う。


 それほど純朴純真な視線だった。


 だからこそ、その希少性を僕は愛し続けるのだろうけども。


「お姉ちゃん……すごいよね……」


「同一人物ですけど」


「あう……」


 あれ?


 何かマズいこと言った?


「お兄ちゃんも……すごい……」


「どの辺がでしょう?」


「身を慎んでる……ところ……」


「卑下してるだけだよ」


「普通……横柄に……ならない……?」


「日本人ですので慎ましやかが美徳かな」


「かほーしゅーせー……」


 です。


「ルリの裸も慎ましやか」


「その内……大きく……」


「ま、将来は約束されてるよね」


 理想通りに行けば。


「私……足手纏い……?」


「ルリズムにとっては第一因子なんだけど」


「お兄ちゃんと……お姉ちゃんだけなら……もっと気楽に……」


「その場合僕の生きる意味が消失するんだよねぇ」


 レゾンデートルという奴だ。


「ルリも欲しい物があったら何でも言ってね?」


「引き籠り……なので……」


「うんうん」


「お兄ちゃんが……居て欲しい……」


「やっほい!」


 ギュッと抱きしめる。


 バシャッと風呂の湯面が跳ねた。


「お兄ちゃん……」


「何?」


「エッチ……?」


「平均的には」


 淫蕩ではないけど聖人でもない。


 性欲はそれなりに持つし、ルリの裸は至高。


「お姉ちゃんと……一緒に……寝てる……」


「ルリも時折一緒するでしょ?」


「ん……」


 首肯。


「私は……居ない方が……」


「その点を悩まれると僕が絶望的になるんだけど」


 ぶっちゃけルリが笑顔なら死んでも後悔しないレベル。


「にゃ……」


 不安そうなルリだった。


「可愛いルリ」


 頭を撫でる。


「愛してるよ」


「ふにゃ……」


「世界で一番」


「一等賞……」


「ですなたー」


「にゃあごう」


 耳まで赤く染まる愛らしさよ。


 本当に天使だ。


 あるいは天子様か。


 世界各国を臣国にした暁にはルリズムを布教しようかしらん?


「お姉ちゃんが……既に……」


「アレは……」


 まぁ例外じゃないかな?


 強行には言えないけど。


「核兵器が……なくなるのは……良いこと……?」


「むしろ波乱の予感です」


「お姉ちゃん対世界……」


「ほとんど創世記の扱いだけどね」


 前者は。


「お兄ちゃんは……幸せ……?」


「どうだろ?」


「世界で……一番偉い……人……」


「自覚はないけどね」


「お姉ちゃんが……頑張ってる……」


 それも事実だ。


「ルリが幸せに思ってくれるなら世界覇王にだって何にだってなるよ?」


「いっぱい……偉くなったり……?」


「なるかもね」


「世界覇王……」


「ルリは王妃」


「ふえ……」


 赤らめる御尊顔の貴重なこと。


「お兄ちゃんはルリのことが好き。大好き。超好き。愛している。ルリさえいれば他に要らないから、ルリには僕にいっぱい頼って欲しい。それだけが僕の望み」


 ――『僕』を賭けるべき対象だ。


 ※注意。


 ロリコンではありません。


 ルリズムなだけで。


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