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第36話 私の愛妹は凶暴です05






 ――世界制覇王国との付き合いをどうするか?





 国際レベルでの問題に推移する。


「じゃあ行ってきます。留守番よろしくね?」


 僕は引き籠りのルリに笑顔で手を振って今日も何気なく登校する。


「よろしく私!」


 とラピス。


 たしかに時間位相がズレただけで同一人物ではある。


 ニュースは僕とラピスを追っかけた。


 家に記者が押しかけることはない。


 そっちの対策はラピスが終わらせている。


 こと会社に所属する記者は、「突貫してきた時点で本社ビルを焼き滅ぼす」と言われて自重と相成る。








 ――システムメギドフレイム――







 その超威力は、あらゆる軍事力を凌駕する。


 ぶっちゃけた話、「国家が承認せずとも国民を人質にして好き勝手できる」とも言える。


 世界覇王こと僕にそんなつもりは小さじすり切り一杯ほども無いけど。


 フリーの記者は家を焼かれる。


 それを承知で、「世界覇王陛下!」と突撃する記者は、「ファイヤ」そんなラピスによって股間を灼かれた。


 そんなこんなが続いて王国の持つ政治力が無視できる物では無いとの意見も勃興し、冷静に鑑みて対処を迫られる国々。


 社会不安も起こるし、株価の変動も相応。


 特にアメリカ。


「(※自主規制)大統領」


 と皮肉なコピーライターの命名が流行り、一過性のブームとなる。


 演説中に股間を灼かれ不能になってしまった大統領には同情するけど、貴い犠牲と思っておこう。


 死んだわけでもなし。


 こうなると公で世界制覇王国の批判は難しい物となるだろう。


「良い天気ですね」


 世界統一国家の宰相閣下は御機嫌で僕の隣を歩く。


 腕に腕を絡めて愛情表現。


 ぐうかわです……ぐうの音も出ないほど可愛いです……まさに抱きしめてしまいたい。


「良い天気だね~」


 と僕ものんびり答えた……とりま意識してるのは覚られないように。


 そんな兄妹に飛来する脅威。


 コンと音がして、パンとさらに音が重なる。


「?」


 状況のわからない僕。


 カランと音が足下ですると、銃弾が転がっていた。


 それもライフル弾。


「ファイヤ」


 メギドフレイム。


「なんなの?」


「ヒットマンによる暗殺でしょう。意味はありませんが」


「司馬セーフティは凄いね」


「攻防完璧ですのでご心配は要りませんから」


 それにしてもと言ったところ。


「先に登校していてください。私はスナイパーに話を聞いてきます」


 そして前兆もなくフツリといきなり消え失せるラピスでした。


 曰く、「ワールドジャンプ」と呼ばれる技術だとか。


 テレポートや瞬間移動でも可。


 座標指定型の時空対処と説明されたけど僕には理解できない。


 多分だけど地球レベルでならおそらく死角無し。


 あまりと言えばあまりな戦闘能力。


 メギドフレイムもそうだけど、ワールドジャンプも相対性理論ガン無視のオーバースペックな技術です。


「いいんだけどね」


 ぼんやり呟いて一人で登校すると、


「司馬」


「よ!」


 四谷と久遠が挨拶してきた。


 うーん……友情の有り難さが身に染みる。


「君たちもよくよく人が良いね」


「なんのこった?」


「国際テロリストと友だち付き合いして良いの?」


「陛下って呼ぶべき?」


「止めて」


 本当に。


 他の十把一絡げあらともあれ、仲の良い友人にそんな謙虚で居られると清水の舞台からルパンダイブ。


「じゃあ司馬で良いよね」


「だね。四谷は距離を取らないから好きだ」


「す、好き?」


「友達甲斐があるって事」


「……………………」


 睨まれました。


 何かしましたか?


 僕……。


「相も変わらずだな司馬は」


 久遠は面白そうだ。


「ぶっちゃけ覇王になってどうするんだ?」


「人類鏖殺」


「神罰兵器で?」


「一秒あれば成層圏なら焼き払えるらしいから」


「あー……笑って流せないところが恐ろしいよな」


「ご尤も」


 僕と久遠は互いにうんうんと頷き合った。


 穏やかなりし友人の頷きは、時に万金に値する。


「ぶっちゃけ有り得ないっしょ? 米国を敵に回すとか」


「それがラピスだし……って言えば、それだけで答えた気になるのがラピスの凄いところだよね」


「その宰相閣下は?」


「ヒットマンの処理」


「どこまで規格外だ……」


 僕に言われても。


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