↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Forgotten Story ~ 幻想奇忘譚  作者: 生涯迷い人
来るは幻想郷 ー異変の序章ー
38/45

#9 三日おきの宴会・前編

後に「春雪異変」と呼ばれるようになった異変は収束し、幻想郷に日常が戻ってきた


否、戻ってくる筈だった


幻想郷の東にある博麗神社の住居スペースの居間に当たる部屋では、博麗霊夢がうなだれていた・・・というより、唸っていた


「一昨日宴会したばかりなのに明日も宴会?」


目の前で向かい合うようにして座る霧雨魔理沙も少しだけ苦い顔をしながら


「ま…まあ、いいじゃないか

宴会も楽しい訳だし」


「そういうことじゃないわよ」


ガバッ、という効果音が付きそうな勢いで霊夢が頭を起こし



「こんな頻繁に宴会ばかりやってたら、いくらお酒があっても足りないわよ!!」



・・・そう、春雪異変の収束から少し経った頃から3日おきの宴会が半月ほど続いていたのである


それはこの博麗神社のみならず、人里も含めた幻想郷各所で起こっていた


人里に至っては一部の酒に弱い人が最早病人と見分けがつかなくなるという有様であった


「もう我慢できない

こうなったらこの異常事態を起こしてる元凶をとっちめてやるわ!!」


と言うなり、大幣と御札、それにスペルカードを持ち出した霊夢は魔理沙を残して勢い良く飛び出して行った



その頃、魔法の森では


「一晩だけと言わず」と、暫くの滞在を勧めるアリス・マーガトロイドに対して丁重に断ったアリス・ソル・メイディアは新しく建てた自分の家の前で大困惑していた


何故ならば

彼女の目線の先には頭に奇妙な形をしたブーメランが突き刺さったかのような角を2本生やし、これまた奇妙な形のカラフルな分銅をぶら下げた少女・・・というより幼女が居座っていたからだ


伊吹萃香と名乗った彼女は突然アリスの目の前に現れ、当然のように瓢箪に入った酒を勧めてきたのである


元居た国では18歳で成人とみなされ、飲酒も可能になるため18歳に満たないアリスは断ったのだが、それから萃香はずっと居座り続けていた


はっきり言って、大迷惑である


だが、そんな事を堂々と言えるはずもなく、どうしようかと迷っていると


「あ、やば

今代の博麗の巫女がこっち来た」


とだけ言って、文字通り霧散して何処かに行ってしまった


ようやく面倒事が1つ片付いた、と玄関扉に手を掛けた瞬間


「アンタ、この異変について何か知らない?」


振り返ると、紙のヒラヒラが付いた棒を肩に担ぐようにして持つ博麗霊夢が立っていた


「異変?

何のことでしょう?」


「とぼけないの、ここのところそこらじゅうで頻繁に宴会やってるでしょ?

その元凶を少し捻ってやろうかと思っていたのだけれど・・・あんたが元凶ならこの異常事態もスピード解決ね」


と言いながら既にお札を掲げている


「ちょっと待って下さい、私はお酒飲めまs」

「ごちゃごちゃ五月蝿いわね

さっさと退治されなさい!」


言うが早いが、掲げたお札を投げつけてくる


仕方なく飛んできたお札を避けると、お札は玄関扉に激突した扉に組み込まれた防御術式によって細切れになった


「こうなるってことは、やっぱり私の勘は正しかったようね

観念しなさい!!」


再び大量のお札が投げつけられ、アリスは応戦するために仕方なく術式を組み立て、地面に手を触れた


「人形操術(ドールズコマンド)・土偶召喚(サモンゴーレム)!!」


手を触れた場所の周囲の地面が小さく盛り上がり、小さな土人形が大量に飛び出す


「防御陣形(ディフェンススタイル)!」


一部を残して、土人形の腕の先に土の盾が形成される


それらが密集することによって、アリスの目の前には厚い土の壁が出来上がり、真っ直ぐ進んで来たお札を無力化した


防壁を通り越えてきたお札は、残った土人形が叩き落とす


だが


「霊符『夢想妙珠』」


そう聞こえたと思った時には壁に何かが激しくぶつかった音がして、土の壁が崩れ落ちた


「これだけの規模の異変を起こした割には大して力はなさそうね

まあ、これで終わるならそれでもいいわ」


と、先程掲げていたものとは見た目の違うお札が掲げられ


「神霊『夢想封印』」


お札を掲げた霊夢の周りに光る球が10出現し、こちらに向かってくる


この距離で防ぐ事の出来る術式を組み立てるだけの時間はない


直撃を覚悟して瞼を閉じた時


『戦操「ドールズウォー」』


そんな声のようなものが頭に響いたと思った瞬間、爆発音が聞こえた


恐る恐る目を開けると、目の前には十数体の人形が浮いていた


「霊夢、何やってるの!?

その子はスペルカード持ってないわよ!」


人形とアリス・ソル・メイディアの間に飛び込むようにして現れたのは、アリス・マーガトロイドであった


以前に自分を拾った時とは異なり、明らかに殺気が漂っている


「あれ、知り合いなの?」


「知り合いも何も、この子を拾ったのは私だけど?」


「じゃあ、異変とは関係なさそうね」


とだけ霊夢は言い残し、飛び立とうとする


「待ちなさい」


アリス・マーガトロイドが低く唸るように言うと、霊夢が振り返った


「何?

異変起こした元凶が他にいるならさっさととっちめてやりたいんだけど」


「まさか、何もなくこのまま行かせるわけないでしょう?」


『魔操「リターンイナニメトネス」』


明らかに高濃度の魔力を抱えた人形が霊夢目掛けて突進していく・・・と、人形が近づいた段階で魔力だけが凝縮されたまま放出され、爆発を起こす


爆発の勢いで人形は元居た場所まで戻ってきて、魔力の再充填を受けている


「まあ、アンタらしいと言えばアンタらしいけど、あんまり不意打ちは感心しないわね」


「どの口がそんな事を言うのかしら

弱者相手に一方的に仕掛けておいて、ハイ終わりで済むわけないでしょ!」


と言いながら既にカードを取り出しかけたアリス・マーガトロイドの腕を掴み


「もういいです、もういいですからやめてください」


「もう少しで死ぬかもしれなかったのに、それでいいの!?」


「いえ・・・

ここで激しい戦闘されると家が壊れてしまうのですが」



新居である筈の家の外壁が薄っすらと焦げていた事に指摘されて気づいたのだろう、先程の殺気は何処へ行ったのか明らかに冷や汗をかいていた


「あら・・・気づかなくてごめんなさい」


「だから途中で止めたのに」


「「どの口が言うか」」




一難去ってまた一難とはこの事だ、とアリス・ソル・メイディアは後に語った・・・かどうかは定かではない、が



「大変だったね、新入りさん」


玄関扉を開けた先に居たのは先程いなくなった筈の伊吹萃香であった

本当は昨日が丁度旧暦の7月7日の七夕の節句に当たる日だったので、それ関連で盂蘭盆会(お盆)に関する本編と全く関係のない話を書くつもりでいたのですが、気力が湧かなかったのと細かく内容が思い浮かばなかったのでやめました


いつも執筆で使ってるタブレットがまた不調起こして1,500字程書いたところで画面がブラックアウトして再起動する羽目になり、結果としてそれまで書いた文も吹っ飛んでしまいましたので、当初書いた文とは微妙に異なっておりますが、全体の話の流れには影響なさそうです


・・・というか同機種のバッテリーとか充電のトラブル多いようですが、大丈夫・・・ですよね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。