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CDO11

「魔優子!」

 光助が叫ぶ。宙に浮かぶ蓮華の手を借りながら、鉄さくの内側に降りたところだった。

 魔優子は明らかに押されている。避けるだけで攻撃に転じられていない。

「光助くん。大丈夫ね。私はいくわ」

 蓮華が身を翻す。一刻も早く魔優子の加勢にいこうとする。

「待ってくれ、吉祥院! 俺にできることは? 何かないか!」

「その気持ちだけで十分よ」

 蓮華は光助を見る。本心からそう言っているのが、真っ直ぐな視線から感じられる目の光だ。

「あなたはよくやったわ。ありがとう」

 蓮華は魔優子達を見た。チームブライドはマドカを引きつけて、空に舞い上がっている。

 魔優子は魔族の攻撃をかろうじて避けている。だが距離が取れないと弓が使えない。防戦一方だ。

「魔優子ちゃん! 輪よ! 輪も使って盾にして!」

 蓮華は屋上の床を蹴って飛び上がった。

「こう?」

 魔優子は右手に天使の輪を移動させた。魔族の動きが一瞬止まる。

 魔優子と蓮華が互いに距離をとったのが幸いした。

 魔族は一瞬躊躇したようだ。どちらかの相手に気をとられればもう一方から矢で狙われるからだ。

 蓮華は魔族のその隙を見逃さない。蓮華が空中で弓を構えた。

「くらいなさい」

 蓮華が光の矢を射った。鋭い弾道を描いて魔族に向かって飛ぶ。

 魔族は体をそらして襲いかかる矢をかわした。かすってもいないのに、魔族のスーツから焦げた匂いがする。

 蓮華は矢を連射した。魔族は次々とかわす。だが魔優子の側から離れない。

「この…… 魔優子ちゃんの近くから離れないつもりね。狙いにくいわ」

 蓮華が表情を曇らせた。わざと魔優子の近くにいることで魔族は蓮華の狙いを狂わせているのだ。

「……」

 だが魔族が蓮華の矢をかわしながら、横目で魔優子を見た。

「?」

 魔優子はその視線と意味に気がつかないようだ。

 激しく位置を変える魔族が、魔優子の横で一瞬止まった。

 魔優子は右手を上げて身を守ろうとする。蓮華の矢が動きを止めた魔族に襲いかかる。

「避けないの?」

 魔優子はその疑問に目を細める。油断なく相手を見つめる。魔優子の目の前の魔族は、動き回るのを止めたまま両手を目の前で交差した。

 蓮華の矢は魔族の腕に当たると、激しい光を発して消滅した。

 魔優子はそのまぶしさに思わず目をつむる。

「しまった! 捨て身ね!」

 蓮華が自分の失敗を悟り叫ぶ。そう、魔族は捨て身で魔優子の隙を作ったのだ。

 蓮華の悪い予感が的中する。

 閃光が収まると、魔族の左足が魔優子の脇腹にめり込んでいた。

 魔族の両手からは煙が上がっている。肘から先がくすぶっていた。蓮華の矢のダメージだ。自分が傷ついても、魔族は魔優子への攻撃を優先させたのだ。

「魔優子!」

 光助が声の限り叫ぶ。

 魔優子は蹴りを入れられた勢いで、後ろに吹き飛んでいた。

「魔優子ちゃん!」

 蓮華が宙を蹴った。

 魔優子は痛みに気を失っている。力の入っていない四肢を空に向かって投げ出しながら、

「……」

 魔優子は地上に落下していった。

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