第五話「脱獄大作戦!②~オリヴィア・オズボーン~」
本日二回目の投稿をいたします。
ついに、最後の傭兵、オリヴィアが登場いたします!!
藍色の魔石に触れて、僕は、空間が藍色で染め上げられた、幻想的な空間を進んでいく。
そして、藍色の鎖が巻き付き、巨大な錠前で封印された、巨大な白い扉が現れた。
この扉の向こうに、オリヴィア・オズボーンさんがいるんだ・・・!!
『・・・誰や?誰か、そこにおるんか?』
扉の向こうから、女性の声が聞こえた。
「あの、僕【七人の獣騎士】のレベッカさんの部下の【梶斗真】といいます!大アネキ・・・、じゃなくて、レベッカさんに頼まれて、助けに来ました!」
『ほんまに、レベッカの部下なん?せやったら、なんでアイツらが助けに来えへんのや。お前、怪しいなぁ。いきなりそう切り出されて、はいそうですかって、素直に信用すると思ってるんか?』
うう、疑われている・・・!
まあ、確かにその反応が正しいよね。
『ウチはね、今、機嫌が最悪なんや。下手に手ぇ出したら、自分のこと思わず殺してしまいそうになるほどにね。そやかてええっちゅうなら、この封印を解くなり何なり、好きにするとええわ。ただし、覚悟はしておくことやな』
どうしよう、このパターンは初めてだ・・・!
でも、僕だって別に嘘をついているわけじゃないし、責められるいわれはない!
僕は、意を決して、錠前を外した。
『・・・ええ根性しとるやないか』
扉が開き、藍色の光がまぶしく光ると、僕の意識が現実に引き戻された。
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魔石に無数のひびが入り、砕け散ると、藍色の髪の毛とふんわりとした狐の尻尾をなびかせて、オリヴィアさんが大きく体を伸ばして、ゆっくりと現れた。
長身で、アスリートのような鍛え抜かれた身体を持っており、可愛いとかきれいと言うよりは、カッコいいといったイメージが似合う女性だ。
「・・・さてと、そこの姉ちゃん。アンタが、レベッカの仲間やら言うとったなあ?その証拠はあるん?あるのなら、見してもらおか?もしこれがガセやったら、覚悟は出来とるんやろなぁ・・・?」
細い目が開き、鋭い三白眼がギラリと鋭い光を放つ。
まずい、この人、何でか知らないけどメチャクチャ怒っている・・・!!
「ぴっ!?」
僕の胸倉を掴んで、今にも殺しそうな勢いで睨みつけながら、顔がくっつきそうになるほどに近づける。
僕はとっさに、スマホの画面を突き出した。
『オリヴィア!?オリヴィアなんだな!!オレだ、レベッカだ!!』
「・・・レベッカ!?それに、アイリスにグリゼルダ、他のみんなもおるんか!?」
そこで、僕の手を離して、スマホを両手で持ちながら、オリヴィアさんは驚いたように目を見開く。
『オレたち、全員無事だぜ!!お前も無事だったんだな!!』
『そこにいる、トーマのおかげで、これで全員無事、合流を果たしたということになるな』
「え・・・?せやったら、そこの姉ちゃんが言うてたこと、ホンマやったんかいな・・・?」
『君はそういうところは疑り深いからねぇ。まあ、その慎重さが頼りになるのだけれども』
「相棒!!無事やったんか!!よかった~!!ウチ、ずっとどこぞの宝物庫の中に閉じ込められとってなあ、ほんまに死ぬか思たわ!!」
ヴィルヘルミーナさんと仲が良かったみたいだ。
ようやく彼女は安心したような笑みを浮かべて、目じりに涙を浮かべている。
「目の前に、大好きなお宝が山のように積まれてるのに、近づくことも、触ることも出来へんなんて、生殺しもええとこやったわ~!!何でウチだけ、こないな目に遭わないとアカンねんって、ずーっと悔しいやら、腹ただしいやら・・・!!一体、どうしてこうなったんや!?」
『・・・300年前に、テメェらが、人の転移魔法陣に落書きなんてしたから、全員離れ離れになって、飛ばされたんでしょうがぁ・・・!!』
ゴゴゴゴゴゴ・・・!!
ヤバい、画面越しでも分かるこの怒りと殺意の波動は・・・!!
アレクシアさんが、満面の笑顔で、本気で怒っていらっしゃる・・・!!
(な、何よ、この恐ろしいオーラは!?身体の震えが止まらへん・・・!!)
(おかん、ウチ怖い!!声が、怖くて、出えへん・・・!!)
アルビナ王妃様と、アンジェリカ王女様が顔を青くして、抱き合って、震えていますから!!
「・・・る、ルシア!?ちょい待ち!ウチ、なんか悪いことしたんか!?」
『この転送魔法陣に、依頼料の分配を計算して書いたのは・・・他ならぬテメェでしょうがぁ・・・!お金やお宝のことばかり考えているから、集中力が散漫になって、書いてはいけない魔法陣にこんなものを書き込んで、みんなが離れ離れになってしまったんでしょうがぁ・・・!!』
「・・・そ、それって、ウチがこんな目に遭うたのも、自業自得っちゅうことになるんか?」
「・・・そういうことになると思います」
そう言った瞬間、オリヴィアさんは、地面に座り、両手を地面について、思い切り頭を下げた。
まるで流れるように、綺麗な土下座だった。
「ほんまに申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁぁっ!!ウチは、命の恩人に、なんちゅうことを!?」
どうやら、誤解は無事解けたようだ。
『あらあらまあまあ~、私の可愛いペットに、何か粗相でもやらかしたのかしらぁ?・・・あとでご対面する時が楽しみですわね。300年前の事と、今回のことで、地獄を味わってもらおうかしら~♥・・・絶対に逃がさねえから、覚悟しておけや?』
「あの、すみません!僕、ペットになった覚えないんですけど!?」
『冗談ですよ♥でも、よく、オリヴィアちゃんを見つけてくれましたねえ。トーマちゃん、お手柄ですわよ。・・・あとは、無事、戻ってきてくださいまし。そしたら、あとで、ご褒美を差し上げますわ♥・・・たぁっぷりと・・・可愛がってあげるから・・・ね?』
スマホが切れると、オリヴィアさんは真っ青な顔で、その場に座り込んでしまった。
うん、僕も何をされるかと思うと、脚の震えが止まりません!
「・・・嘘やろ・・・。ウチ、せっかく外に出られたかと思っとったのに、このままでは、お陀仏や・・・!ウチ、まだ、20年そこそこしか生きてないのに、そら、あんまりや・・・!」
オリヴィアさん、僕もフォローしますから!
あとで、アレクシアさんに一晩中搾られることになったとしても、死にはしないだろうし・・・!
「ううう~・・・!ウチ、ひどいことばかりしたっちゅうのに、ええやっちゃな~っ!ホンマにごめんな~っ!ウチのことはオリヴィアって呼んでええわ!!姉ちゃんは名前、何ていうんや?」
「姉ちゃんじゃなくて、僕、男です!梶斗真といいます」
「はあっ!?嘘やろ、どこからどう見ても、女の子にしか見えへんで!?」
「男ぉっ!?」
「ホンマかいなっ!?全然気づかへんかった。ちゅうか、男には全然見えへん!!」
ウワーイ、僕、泣いちゃうぞ。
王妃様も、王女様も、僕が男性だということが信じられないらしく、目が飛び出しそうになるほどに見開き、あごが外れそうになるほどに大きく口を開いたまま、わなわなと震えていた。
やっぱり、誰がフォローなんてするかいっ!!
アレクシアさんにたっぷりと、怒られてしまえ!!
その時だった。
「おい、誰だ!!」
「そこに誰かいるのか!?」
部屋の中に入ってきたのは、大柄な男の二人組だった。
よく見ると、あれは・・・【有馬智】と【斎藤豪】じゃないか!!確か、あの二人は雨野と同じチームにいたはずだ。
つまり、ここに、雨野たちがいるということか!?
「・・・王妃様は、アンジェリカ様を守ってください。ここは、僕に任せてください」
「なんかようわからへんけど、戦わな生き残れへんってこと?それやったら、ウチも付き合うわ」
オリヴィアさんが地面を踏みつけると、地面から、藍色の紋様が刻まれた長槍が飛び出した。
槍を握りしめると、オリヴィアさんはにぃっと、獰猛な笑みを浮かべた。
「300年ぶりに、楽しい喧嘩祭りでも、始めようか・・・!」
僕も一緒に飛び出すと、有馬と斎藤が僕たちの姿を見て、驚いた。
「お、お前、梶じゃねえか!!どうして、お前がここにいるんだよ!?」
「脂ぎったブタさんに無理矢理連れてこられた!有馬くんたちは、どうしてここにいるのさ?」
「俺たちは雨野に命令されて、この監獄の見張りをやっていたんだよ!というか、お前のことを連れ戻すように、セルマ様から命令されているんでな。大人しく着いて来てもらえないか?」
「お前には、6人目の勇者として新しい部隊を準備させるって、セルマ様は言っていたぞ!裏切者のお前の罪を許して、クロスのために働くなら、勇者として迎え入れてくれるってさ!悪くはないだろう?」
はい?
ああ、これって、あれですか。
勇者にしてあげるから、どうか戻ってきてくださいってことですか。
「無理無理。僕、もう大アネキたちに誘われて【彩虹の戦乙女】に入隊して、毎日、生きるか死ぬかの楽しい生活を送っているから、今更、クロスなんかに戻る気なんてサラサラありません!」
「どういう生活を送ってんねん!?」
「毎日、ビビ姉に寝首を掻かれたり、ヴィルヘルミーナさんたちにお風呂を覗かれたり、メイド服やチャイナドレスを着せられたり、大アネキやアレクシアさんに夜這いを仕掛けられて、一晩中食べられちゃったり、男としての尊厳を木っ端みじんにされたり、ベリス姉さまが襲撃して、ロケットランチャーの雨あられが飛び交って、屋敷が爆撃される中、必死に逃げまくったり・・・とにかく、僕は、ここがいいんだよ!もう二度とクロスに戻るつもりなんてないから、諦めて頂戴!!」
「泣きながら言っても、説得力がねえぞ!?」
「ていうか、そんなところよりも嫌なのかよ!?」」
「トーマ、それやったら、王宮で勇者をやってる方がマシちゃうの?」
いかんいかん、つい、心の汗が出てしまっていたか。
僕はありのままの気持ちを正直に伝えただけなのに、どうして、みんなそうツッコむのだろうか?
取り繕うなんて、もはやそんなレベルの話じゃ済まないだろうが!!
【悲報】斗真とオリヴィア、生きて帰った後、オリヴィアに弄られることが確定。
斗真、久しぶりに、自分は男だと言っても信じてもらえない展開になりました。
というか、追放系で相手に「戻ってこい!」と言われて「嫌だ!」と返すお約束の展開なのに、本音とごっちゃになっているため、自分がやられている被害を全て暴露しちゃいました。
普段はもう色々と諦めているようですが、精神的にかなり追い込まれていることが判明しました。
斗真の今後の行方はどうなるのか、オリヴィアの命は無事なのか、次回もよろしくお願いいたします!!




