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第十八話「シャルトリューズ森林戦①~奇想天外な大作戦~」

いつもより、拙作を読んでいただき、本当にありがとうございます。

新作がかけましたので、投稿いたします。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

 さて、真っ白に燃え尽きていた僕だったけど、何とか、復活しました!


 まだ、あの時のことを思い出すと、身体が余韻を覚えているようで、頭がボーってなるけど・・・いつまでも、こんな状態ではいけない。気を引き締めないとね。


 改めて、オラドールのエルフ軍を迎え撃つために、どうやって戦うか、話し合うことにした。


 今回、エルフ軍が、スピタルに攻め込んでくる前に、森の中で、エルフ軍を壊滅に追い込むことが重要となってくる。エルフ軍の戦力を調べてみると【巨大猪(エリュマントス)】という魔物が引く巨大な戦車があることが分かった。猪の背中には、大量の火薬や、魔導兵器を積み込むことが出来るため、これがエルフ軍の最強兵器であることが、報告書には書かれていた。


 さらに、渾沌将軍の配下のドリアードや、マイコニド、テンタクルといった、植物に魔力が宿って、生み出された魔物と、エルフ軍で結成された小隊が5つ先行し、その後ろから、巨大な戦車に乗り込んだ、砲撃部隊が乗り込んでくるらしい。


 「・・・そうなると、小隊で手こずっているわけには、いかないな。大勢の敵に、手間取っているところに、後ろから、大砲や火矢を打ち込まれたら、陣形が崩れて、そのまま攻め込まれてしまうからな」


 「それに、森林戦となると、ここは、エルフたちのホームだからねぇ。ボクたち、アウェーにとっては、かなり不利な展開になるよ?」


 「それに、自陣を敷くにせよ、時間を取られていたら、その間に、襲撃を仕掛けられる可能性もあるよな」


 そう、エルフ軍がいつ動くか分からない以上、早急に、こっちも陣を敷いて、エルフ軍を迎撃する準備を整えなくてはならないのだ。ただし、斥候や隠密など、いつ、どこで、僕たちの動きを見計らっているか分からない。ちょっとした動きも見逃さずに、エルフ軍に報告されたら、相手が動く前に動き出そうとするだろう。


 地図を見て、どうするかと頭を悩ませていると、僕は、あることに気づいた。


 「・・・あの、大アネキ。ここの辺り、森を見下ろせる丘になっているみたいだけど、ここから、オラドールの里の周辺を一望できるのかな?」

 

 「あん?・・・あー、確かにそうだな。ただ、この辺りは少しは開けているけど、陣を敷くには、面積が狭いぜ」


 そう、少しは開けているけど、陣を敷くには、少々狭すぎるのだ。


 もし、ここに、陣を敷くことが出来れば、真下にいるエルフ軍に、上空から襲撃を仕掛けることが出来るんだけどさ・・・。


 何て言うか、こんな狭い場所でも、高台のようなものが出来ればいいのに・・・。


 しかし、そんな、高台や、要塞を作っていたら、真っ先に気づかれる可能性が高い。


 これだけ、たくさん、木があるせいで、使う面積も限られてくるんだからな。


 ・・・あれ?


 ・・・これだけ、たくさんの、木がある?


 「・・・あの、アレクシアさん。大アネキから聞いたんですけど、アレクシアさんって、植物を操る魔法が得意でしたっけ?」


 「はい?ええ、植物を操る魔法に関しては、少々かじっている程度ですが・・・」


 「・・・あの、こんなことを思いついたんですけど、ちょっと、よろしいでしょうか?」


 僕はみんなに、今、思いついた突拍子のない作戦を、説明した。


 小高い丘、僅かに開けた場所、周囲には無数の木々・・・。


 陣を敷くには、狭くて、あまり使えないかもしれないけど、もし、面積を増やすことが出来ればどうだろうか?


 「「「「「「・・・・・・」」」」」」


 一同、呆然唖然。


 そりゃそうだ。

 僕だって、こんなこと、普通なら不可能だと思ってしまう。


 だけど、ここは異世界。


 土地の条件や、環境、そういったものが揃えば、この作戦も不可能とは思わないんだけど・・・。


 そして、最初に口を開いたのは・・・大アネキだった。


 「・・・お前って、とんでもねえことを思いつくな。でも、それなら、エルフ軍たちの士気も作戦も、ましてや、渾沌の霧さえも全部無効化しちまう上に、森を必要以上に傷つけずに、戦うことが出来るじゃねえか!!」


 「・・・あらあらまあまあ、これは、確かに、お見事ですわ!」


 「・・・・・・その手があった」


 「さっすが、オレのトーマ!この不利な状況を、一気に、解決しちまったじゃねえか!!ニャハハハ!!」


 むぎゅううう♥


 大アネキ、いきなり、抱き着くのはやめてよぅ!

 さ、さっきのことを思い出すと、頭が、真っ白になっちゃうからぁっ!!


 ああ、顔が熱くなっていくのが分かるけど、どうしても、抑えられない。


 「おい、はしゃぎすぎだ。それに、トーマは、私の弟だ。未来の夫だ、私と、ふしだらな関係になる予定なのだぞ!」


 「オレにとっても、可愛くて可愛くてたまらない、大好きな弟分だもんねーだっ!!」


 「・・・・・・いつもより、団長が、トーマとベタベタしている」


 (・・・グリゼルダ君、これって、もしかして・・・あの二人・・・)


 (・・・ええ、影を追跡させて、一部始終、全部見たわよ。それよりも、あの団長だったら、いつバレるか分からないから、とりあえず、この作戦が終わるまでは、私たちで団長の口が滑らないように、フォローするの、手伝ってくれる?)


 (あっちゃあ・・・。これ、アイリス君や、ビビアナ君に知られた日には、間違いなく修羅場になりそうだよねぇ)


 (間違いなく、そうなるわね。・・・まあ、トーマと団長は、いつかは、こうなるんじゃないかなって、思っていたけど・・・あんなにすごいことになるとは、想定外よ。トーマも、初めてとは、思えないほどだったし。ま、まあ、私は、興味ないけどね!)


 (ほほう・・・。どうやって慰めたのかについては、ボクは、非常に興味があるんだけどねぇ♥)


 なぜだろう、グリゼルダさんが僕を見ると、顔を真っ赤にして、そっぽを向いてしまった。


 そして、ヴィルヘルミーナさんが、僕ににっこりとウインクをすると、力強くサムズアップをしてくれた。なぜだろう。


 「・・・それほどのものを準備するなら、ベアトリクス様にも、相談をしなくてはならないな」


 「ああ、姐さんには、トーマがこういう作戦を考えたって言えば、多少のことは、聞いてくれるんじゃねえか?」


 「とりあえず、話してみないと、何とも言えんな」


 そう言って、アイリスお姉ちゃんが、書き上げた書類を持って、部屋を出て行った。


 この付近の、森の地図を見てみると、オラドールの里から、スピタルに向かう途中には、里や集落はない。オラドールのエルフたちの傲慢な態度に嫌気がさして、みんな、遠く離れた場所に移動してしまったからだ。つまり、完全に孤立してしまっている状態だ。


 だから、この作戦を展開するとしても、他の集落を巻き込む心配は全くない。


 そして、上空から、エルフ軍の進撃を一望できる場所を抑えて、陣を敷く好条件がないのなら、作ればいい。そうすることによって、全ての相手の戦力を無効化することが出来る。


 「トーマ、お前の作戦、存分に使わせてもらうぜ。今度こそ、あのエルフたちに、引導を渡してやる」


 「・・・はい!僕も、絶対に勝つために、何でもやります!」


 1時間後、アイリスお姉ちゃんは、勝訴と書かれた紙を開いて見せるように、ベリス姉さまからの返事を開いて見せてくれた。


 『トーマちゃんの作戦、スピタル女王とも話し合った結果、これでOKということになりました!部下の魔導師たちにも、手伝いに行かせるから、思う存分、こき使ってやってくれい!』


 全面的に、協力を惜しまないという、最高の返事だった。


 「よっしゃあ!そうと決まれば、さっそく、準備に取り掛かるぜ!!」


 こうして、僕たちの会議は終わり、すぐさま、シャルトリューズの森に向かうことになった。


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 アイリスが、斗真が提案した、エルフ軍迎撃計画をベアトリクス女王たちに確認をとり、部屋を出ていった後、ベアトリクスは、ゆっくりと話し出した。


 「・・・さて、さっきの話の続きになるが、今回の、風の勇者サクラの処遇についてだが・・・みんなは、どう思われる?正直な意見を聞きたい」


 真剣な面持ちで尋ねると、最初に、口を開いたのは、ブリアック女王だった。


 「・・・今回の、オラドールのエルフたちの襲撃においては、前々から、抗議や罰金だけで、根本的な解決に至らなかった、わたくしたち、スピタルの対応にも、問題がありました。勇者サクラに対する罰は、ベアトリクス様が提案された意見に、わたくしも、賛成します」


 「まあ、その提案だったら、クロス王国にも大打撃を与える事が出来るし、今後、唯一まともに働いていた勇者を追放してしまったことが、どれだけ愚かだったか、思い知ることになるだろうしね。それに、こっちは、賠償金も支払ってもらっているから、過去のことに関しては、もう、終わったこととして、割り切っているしね」


 「・・・それなら、我が国の王宮に、いくら、炎の勇者を止めるためとはいえ、武装して乗り込んできた罪に対しても、適当な刑罰となるでしょう」


 ヴァネッサ女王、ブリアック女王、そして、ディアドラ女王も納得したようにうなづいた。


 「・・・それじゃあ、女王陛下たちの意見も、めでたく、満場一致ということで・・・彼・・・いや・・・彼女・・・どっちか知らないけど、とにかく、サクラ・マクノウチの処分は、クロスに預けている全財産没収、勇者の称号のはく奪、そして【彩虹の戦乙女(グラン・シャリオ)】に対する敵対行為の責任を取るために・・・便宜上、犯罪奴隷の隷従の証を刻んだのちに、島流しの刑に処するってことで」


 島流し。


 その言葉の意味を知っている彼女たちは、苦笑する。


 「まあ、ある意味、鉱山で永久労働の方が、まだマシかもしれないわよね・・・」


 「かつては、何人の冒険者が憧れて、入隊をしてきたけど、あまりにもハード過ぎる訓練や、命がけのミッションばかりしか引き受けてこない上に、一筋縄ではいかないくせ者揃いだからね。これは、いい罰になると思うわよ」


 世間的には、かなり厳しい罰となる。


 しかし、彼女たちは、これから、クロスにどんな方法でけじめを取ってもらうか、悪い笑顔を浮かべながら、楽しそうに、悪企みを話し合うのであった。


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 「・・・それで、どんな感じだったんだい?全部、見ていたんだろう?教えてよ~、グリゼルダ君♥」


 「・・・だから、そういうのは、興味ないから知らないって、言ってるでしょう!?」


 「少しだけでいいからさ、教えてくれても、いいじゃないか♥頼むよ、ハニー♥」


 「・・・誰がハニーよ。・・・3時間、ノンストップで、まるで、二人とも、獣みたいに激しかったけど・・・ああもう、私、ああいうの、見たことがないし、経験だってないから、どういう風に言えばいいのか、全然分からないってば!」


 「顔が真っ赤だよ?初心だねぇ、そういうところが、可愛いよ♥」


 「いっぺん、死ぬ!?」


 グリゼルダさんと、ヴィルヘルミーナさん、どうかしたんだろうか?


 さっきから、グリゼルダさんは、顔が真っ赤になっていて、話しかけても、そっけない態度されちゃったし、ヴィルヘルミーナさんは、なぜか機嫌が良くて、僕と大アネキに、意味深な笑みを浮かべて「おめでとう♥」と言ってきたし・・・。


 そして、とうとう怒りを爆発させたグリゼルダさんに、ヴィルヘルミーナさんが、コブラツイストを固められていた。口からブクブクと泡を吹いて、血の気が引いて、真っ青な顔になっていく。


 まあ、いいか。


 


斗真とレベッカに何があったのか、グリゼルダと、ヴィルヘルミーナにはしっかりとバレていました。

経験がないグリゼルダは真っ赤、とにかく、頭の中がパニック状態に陥っております。

その反面、経験が豊富なヴィルヘルミーナは、この状況を、楽しんでいるようです。まあ、天罰として、グリゼルダから関節技で締められましたが。


桜に対する、島流しの詳しい内容は、近々、明らかになります。


ここまで読んでくださって、本当に、ありがとうございます!

次回もよろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
[一言] R-18視点の話ノクターンに載せてほしいです。
[一言] 前回、斗真とレベッカの間に何かがあったのか分かりませんが、なんだかとてもイチャイチャしてますね。しかしエルフとの戦いや桜の今後もありますね。 それでもしもまた番外編の時は、この前の感想で書…
[一言] グリゼルダとヴィルヘルミーナにあの事バレてたあぁぁぁぁぁぁぁ!? レベッカの強欲さがこんな形で知られるってマジかよ!? けれど、ヴィルヘルミーナはからかってくるぐらいだし グリゼルダは事情を…
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