表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/300

第六話「脱獄大作戦!③~大地のオズボーン~」

いつも拙作を読んでいただき、ありがとうございます!

新作が完成しましたので、投稿いたします!

どうぞよろしくお願いいたします!

 「くそっ、こうなったら、力ずくでもついて来てもらうぜ!」


 「こっちが大人しくしていれば、調子に乗りやがって!!」


 有馬と斎藤の瞳が不気味な光を放ったかと思うと、黒い光に包まれて、異形の姿へと変わった。


 有馬は【アルマジロ】をイメージした、全身を甲冑で覆っている【リビングアーマー】。

 斎藤は【サイ】をイメージした、強靭な筋肉の鎧と、鼻先に生やした巨大な角が特徴的な【ジャガーノート】の姿になると、一斉に襲い掛かってきた。


 「・・・喧嘩を売ったのはそっちやからな?覚悟はええな?」


 長槍を構えると、オリヴィアさんの細い目がギラリと光り、獰猛な笑みを浮かべた。


 「女の槍ごときで、俺様の甲冑が破れると本気で思っているのか!?コテンパンにして、裸にひん剥いて、楽しませてもらうぜぇっ!!」


 リビングアーマーが大剣を振り上げて、突進を仕掛けていく。


 しかし、次の瞬間、オリヴィアさんの姿は消えた。


 「え?」


 そして、彼女は、土煙を舞い上げながら、リビングアーマーの背後にいた。


 「せやから、最初に言うたやろ?覚悟はええな、て・・・」


 リビングアーマーの身体には、巨大な穴が空いていた。

 身体の中にあった、本体である青い宝石に無数のひびが入り、粉々に砕け散った。


 「そ、そんなぁぁぁ・・・!!」


 有馬の本体が消滅し、甲冑が地面に落ちて、灰になって崩れ落ちて消えていく。


 僕も、一瞬、オリヴィアさんの姿が見えなかった。

 相手の急所を見抜き、スピードと突進力を活かして、槍の強烈な一撃を放ったのか。


 「・・・あ、有馬!?て、テメェ、よくも!!」


 「悪いけど、僕ももう腹をくくったから。覚悟しろよ」


 素早く宝箱を交換して、僕はヘルハウンド・ナイトに変身すると、燃え盛る炎を纏った大剣で、ジャガーノートが突き出した巨大なドリルを防いだ。


 「くそがあああああああああっ!!」


 ドリルを弾かれて、大きくのけぞったジャガーノートの懐に潜り込んで、あごを蹴り飛ばし、そのままの勢いで頭上に舞い上がると、一気に大剣を振り下ろし、ジャガーノートの頭に全力で叩きつけた。


 頭蓋骨がきしむ音が聞こえたかと思うと、そのまま、頭から真っ二つに叩き切った。


 「・・・う、嘘だ・・・こんなのって・・・嘘・・・だ・・・!!」


 ジャガーノートは地面に倒れこみ、そのまま、身体が灰に崩れて、消滅した。


 「何やねん、この連中は」


 「・・・魔人ですよ。セルマの儀式で怪物になった、僕のクラスメートです」


 「何やて!?セルマのヤツ、そないなモンにも手を出しとったんか!?」


 「それどころじゃありません。セルマは禁忌と呼ばれている【パラケルススの魔石】の錬成にまで、手を出していたんです。今回も、その魔石を譲り渡すという条件で、四大禁書の【ネクロノミコン】を手に入れようとしているんです」


 僕は、スマホを開いて、アイリスお姉ちゃんから、これまでの話を出来るだけ簡潔にまとめて、オリヴィアさんに説明してもらうことにした。


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 「・・・・・・なるほどなぁ。それで、300年前の報復も兼ねて、クロス王国とセルマの計画を潰そうとしてるちゅうわけか。やっと理解出来たわ。そら、止めんとエライことになりよるしなあ。せっかくシャバに出られたっちゅうのに、世界が滅亡の危機を迎えるやなんて、冗談やないしな」


 『ああ、それで、お前にも力を貸してほしい。もちろん、無料とは言わん。引き受けた依頼を無事解決すれば、陛下や冒険者ギルドから報酬が支払われる』


 「おっ、報酬が出るんやったら、話は早いがな。ウチも、参加させてもらいまっせ。タダ働きなんて死んでもごめんやけど、世界の危機を救うっちゅうことになれば、がっぽり稼げそうやないかい♥」


 ま、まあ、慈善事業でやっているわけじゃないもんな。

 僕も最近、ようやくギブアンドテイクというものが、分かってきたような気がする。


 「まあ、とにかくここを出ないと話にならんからな。どないするん?」


 「この先に水路があったんです。その水路から出れば、砂漠に出られるみたいなので、まずは外に出ましょう」


 「せやけど、それから先が問題でっしゃろ?ここがホンマにあの【ハルク監獄】やったら、昼間は、太陽の光を受けてなべ底のような状態になっとるんや。魔物でさえも、熱と光にやられて、倒れるような危険地帯ですわ」


 「歩いて脱出しようとしても、近くの街に着くまでにミイラになってまうで?」


 「大丈夫です!僕に、いい考えがあるんです」


 材料は一通りそろったし、作り方も頭の中にバッチリ叩き込んでいるから、これで準備は整った!

 

 「ここから出るんやったら、ちょっと待ってもらってもええか?ここにあるお宝らしきモンや、武器とか、全部いただいておこうか♥」


 そういって、オリヴィアさんは倉庫に積まれた備品や、宝箱を前に立つと、太ももに刻まれた狐の紋章が、藍色の光を輝きだした。


 彼女が手をかざすと、藍色の布のようなものが現れて、彼女が風呂敷のように備品の山にかぶせた。


 そして、布を引くと、そこに置いてあったものが全て、綺麗さっぱりなくなっていた。


 「えっ!?ちょ、今の、どういうことですか!?あの宝箱はどこにいったんですか!?」


 「ああ、この布の中や。ウチだけが生み出せるマジックアイテムでな、これがあれば、大量のお宝も全部いただけるっちゅうわけや♥」




 藍色の大地の加護を受けた、狙った獲物は決して逃さない狐。


 大地の急所を見抜き、一点集中で放つ突きで全てを破壊し、奪い去る【強欲】な獣。


 「これが傭兵団【七人の獣騎士(プレイアデス)】の槍術士、【大地のオズボーン】の力や」




 そういって、オリヴィアさんはニコッと笑った。


 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 「それで、いったい何を作るつもりなんや?」


 「絨毯です!」


 「絨毯?」


 僕は素材屋で買ってきた材料、鋼の糸、そして宝箱の中から見つけた【浮遊石】というものを浮かばせる効果のある石を使って、さっそく絨毯作りに取り掛かった。


 厚手の布を糸にほどいて、糸にほどいた素材と組み合わせて、一気に縫い上げる・・・!!


 ステータスを確認すると、渾沌さんや、邪竜セルヴァンスを討伐したことで、僕の魔法裁縫師のレベルが急上昇していた。それによって、僕は新しい道具の【中級の織機】を召喚することが出来るようになった。


 さすがに糸車や、簡単なものしか作れない【初級の織機】では、絨毯は作れなかった。

 でも、この織機なら、作れる!


 頭の中でイメージした絵柄に合わせて、赤、青、黄色、色とりどりの素材の糸を組み合わせて、結んで、縫い上げていく。


 「・・・す、すごい、こら、プロの職人でもこれほどの技術を持っとる人は、そうおらんやろ・・・」


 「・・・実に見事や・・・!」


 (・・・なるほどなぁ。この絨毯とかいうマジックアイテムを作る技術は、そんじょそこらの裁縫師や職人では、逆立ちしても敵わんな。それに、このジャケットといい、靴といい、今の魔法技術でこれほどのものが作れるのなら、相当の腕前の持ち主や)


 オリヴィアさん、どうして、僕が作ったジャケットを真剣に見ているんだろう?

 ああ、そうだ。あとでオリヴィアさんのジャケットと、探検セット、渡しておこうっと。


 (マジックアイテムとしても、これほどなまでのレアな効果のあるものはない。・・・この技術を使えば、ひょっとしたら、今までに見たことのない、ものすごいマジックアイテムを作ってしまうのも、夢やないかもな・・!)


 縫い始めてから、30分ほど経っただろうか。

 

 「・・・やっと、完成した・・・!!」


 「・・・これは・・・何て見事な絨毯や・・・!!」


 「お、王宮にある絨毯よりも、ものすごく、綺麗な絵柄やないかい・・・!!」


 完成しました・・・!

 ペルシャ絨毯をモデルにして、縫い上げた一枚の絨毯・・・!


 これを地面において、魔力を注ぐと・・・!


 ふわっ・・・。


 「やった、浮いたぁっ!!大成功だ!!」


 完成したぞ!

 これが僕特製の【空飛ぶ絨毯】だ!


 「そ、空飛ぶ絨毯やてぇぇぇぇぇぇっ!?」


 「う、嘘やろ、ウチらが乗っても大丈夫なんか!?」


 「ええ、耐久度も鋼の糸と、土属性の【魔法の粘土】があったから、頑丈性はバッチリです!」


 テントや探検セット以来で、久しぶりに自信作が出来上がりました!


 絨毯に恐る恐る、アルビナ王妃様とアンジェリカ王女様、オリヴィアさんが乗り込んでも大丈夫!

 そして、全員が乗り込むと、僕たちの周りを光が包み込んだ。


 「この光は、太陽の光を反射して、絨毯の上の環境を一定の温度に保つことが出来るんです。だから、太陽の光もへっちゃらですし、寒いところに行っても、冷気を防いでくれるんです」


 「ホンマや!この絨毯の上、涼しくて、ええ気持ちや~!」


 「まさか、鉄格子やあの素材から、こないなものを作ってしまうなんて・・・!」


 「なるほどなぁ。これが、ベアトリクス陛下にも認められた、魔法裁縫師の実力っちゅうわけか」


 「さて、ここから脱出しましょうか!」


 魔力を通すと、絨毯は長い長い水路を抜けていく。


 天井に岩があっても、光の壁で打ち壊して、絨毯は傷一つ負うことなく進んでいく。


 ハーピーの羽根を取り込んでいるため、絨毯から噴き出す風の魔力を強くすると、スピードがさらに加速していく。


 そして、目の前に光が見えてきた!


 水路を抜けると、目の前には黄金の砂漠が地平線の彼方まで続く、幻想的な光景が飛び込んできた。


 「よっしゃあーーーーーーっ!!」


 「ほ、ホンマに監獄を脱獄してしもた・・・!!」


 「やったぁぁぁっ!!やるやないかい、トーマ!!」


 そういって、アンジェリカ王女が満面の笑みを浮かべて、僕に抱き着いてきた。


 「ウチ、アンタのこと、見直したで!ホンマに、ありがとうな~!!これは、お礼や♥」


 ちゅっ♥


 「・・・え?あ、あの、その、王女様・・・!」


 「・・・ウチ。殿方のほっぺたにチューするの、生まれて初めてやねん♥他の男やったら嫌やけど、トーマやったら・・・その・・・ええよ?」


 いやいやいやいや、ちょっと待ってください!?

 王女様が、そんな簡単に、お礼にチューとかしたら、まずくないですかね!?

 

 「大した男やないか!ウチも、お礼をさせてもらおうか♥」


 ブッチュウ~~~♥


 「王妃しゃまっ!?」


 あかん!王妃様も、反対側のほっぺたに、何と情熱的なチューを!?


 「この場を借りて、改めて、王妃として、そして、アンジェリカの母親として、礼を言わせてもらおうか。本当に助け出してくれて、何とお礼を申し上げればよろしいか・・・!本当に、ありがとうございます!おおきに!」


 「アハッ、トーマ、顔が真っ赤になっとる!可愛いなぁ~♥」


 あの、アンジェリカ王女様、そんなに腕に胸を押し付けてくっつかないでくれませんか!?

 アルビダ王妃様も、大きなおっぱいの間に、僕の腕を挟み込んでがっしりと捕まらないでください!

 こんなところを、大アネキやアレクシアさんに見られた日には、僕、今日が命日になりますからぁっ!


 「なあ、このまま、拠点に戻るんか?」


 あ、そうだ。


 大事なことを忘れておりました。


 「・・・王妃様、アムレットからも、ここで何かあったら見る事が出来ますか?」


 「遠視の魔法でも使えば、見えんこともないと思うけど、どういうこっちゃ?」


 「・・・デカい花火を上げてやろうと思っているんですよ」


 その時の僕の顔は、きっと、かなりヤバいことになっていたのだろう。

 しかし、オリヴィアさんは僕の顔を見て、いたずらっ子のように、にぃっとっ微笑んだ。


 「・・・どうせやったら、砦の一つや二つ、落としておいてもええかもなぁ?」


 「ああ、なるほど!いきなり王宮にやったら、面倒なことになりますもんね!」


 「そういうこっちゃ。砦が陥落したっちゅうニュースは、大陸の注目が一斉にアムレットに向けられるには十分やからな」


 「オリヴィアさん、お主も、悪よのう」


 「いえいえ、裁縫師様ほどではございません」


 さてと、とりあえず、最初の花火を挙げるとしますか。


 監獄の上空に浮かび上がると、魔力を操作して、絨毯の裏側にはバチバチと青白い放電が発生して、巨大な電気の球が膨らんでいく。


 「アムレット王のアホンダラァァァッ!!死にさらせぇぇぇっ!!」


 ドッカーーーーーーン!!


 超特大級の稲妻を落として、監獄は光に飲み込まれた。


 そして、黒い煙が立ち込めている辺りには、もはや、焦土と化した地面と、建物の残骸のみがわずかに残っている状態となった。


 魔力を込めた電撃の威力はどんなもんですかい!

 監獄はもはや見る影もなくなっていた。


 さてと、まずは一発目の花火を挙げましたが、こんなものではまだ終わりませんよ?


 アムレット王、側室、絶対に楽には死なせませんよ?

 禁忌にまで手を出して、好き勝手にやらかしたその罪は、きっちりと償ってもらいますからね?


 「お、おかん、砦まで攻めてもええんか?」


 「まあ、ええんとちゃう?現国王の甘い汁を啜るために、武器の横流しや、横領にまで手を出しとる騎士団なんて、国の恥でしかないわ。その騎士団の部隊が担当しとる砦に、案内したるわ!」


 王妃様も、やる気マンマンですな!


 よし、王妃様の許可も下りたし、ガンガンやっていきましょうか!


脱獄に成功し、オリヴィアの救出、そして王妃様と王女様を無事保護いたしました。

しかし、それだけでは止まらないのが斗真。監獄を吹き飛ばして、開戦を告げるデカい花火をあげました。やはりメチャクチャ怒っていたようです。


そして、今回完成した【魔法の絨毯】は、今後の冒険でも度々出そうと思っております!

裁縫師だから、空を飛ぶアイテムは絨毯がいいかと思って、今回、作ってみました!

次回もよろしくお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ