↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「青年サン・ジェルマンと黄色いワンピースの雪女」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編④)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/25

⑦ 黄色いビートル

 そこで我に返った王妃が、またしても無断で発言した京子を咎める。

「アナタ、また勝手に喋ったわね?クルマって何よ?馬車の事?そんなモノで時間旅行が出来たら、誰も苦労なんかしないわよ。」


「……それでは、ご覧に入れましょう。こちらのモノです!」

 京子さんはそう言うと、ビートルの光学迷彩を解除した。

 すると突然、王妃の目の前の田園に、大きな金属製の……まさに黄色いカブトムシのような物体が、現れたのだ。


 ソレを見たマリー・アントワネットは、再び口をアングリと開ける他は無かった。

 もちろん、サン・ジェルマンも、内心ビックリしていた。


(それにしても……。)今更ながらに京子は思った。

(私はここで、王妃に関わっていたのね。だからテレビ塔での挨拶が、何だかヘンだったんだわ。でも、王様やお妃様が、いちいち相手の従者の顔まで覚えていないから、"さもありなん"てところか。)


「王妃様、さあどうぞ、こちらへ。」

 京子はそう言うと、左ハンドルの運転席を前に倒し、ビートルの後席へと、王妃を案内した。

「伯爵も、どうぞお隣りへ。」

 彼女はそう言って、彼の事も、王妃の隣の後席へ押し込んだ。


「では、私は前席で御者を務めさせて頂きます。」

 彼女は運転席に乗り込むと、ドアを閉め、早速センターコンソールパネルに、以下のように目的地の座標を打ち込んだ。


 西暦1429年4月29日

 時刻10時00分

 北緯47度53分

 東経01度54分


「それでは、出発します。少々揺れますので、どちら様もご注意ください。」

 彼女はそう言うと、黄色いビートルに、もう一度光学迷彩を掛け、垂直上昇させた。そして、時空転移ボタンを押したのである。


 マリー・アントワネットにしてみれば、そもそも、珍妙な形をした、馬の居ない黄色い馬車が、空を飛んだ事が驚きであった。そして次の瞬間には、窓の外の風景が歪んだまま、流れはじめたのだ。それはそれは面食らっていた。


 もちろん、隣に座っていたサン・ジェルマンも同様で、乗り物のタイムマシンは初めての体験であった。が、努めて冷静なフリをしていた事は言うまでもない。こうして、彼のポーカーフェイスは、確実に鍛えられて行ったのである……つまり、京子自身が、無意識のうちに、ソレに一役買っていたのだった。


 やがて彼女の黄色いビートルは、オルレアンの、サン・オーギュスタン要塞前の上空に出現した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。