表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
1/16

プロローグ:和平条約は砂糖のために

わが国キャルトナータ帝国は、周辺各国にケンカを売りまくり、長きにわたり戦争と停戦をくり返してきた。


今は停戦中とはいえ、隣国と一触即発の状況下。物流は滞るし、農業は衰退していく。その影響として、最近では砂糖が市場に出回らなくなった。


「砂糖が入手できない……?ふむ。やはり、グリンロッドと和平条約を結ぶ必要がありそうだな」


国の現状を聞いた屋敷の主様は、そう言うと本当に和平条約を結んで帰ってきたわ。


え?

えええ??

教科書にのるレベルの歴史的快挙を、本当に砂糖のためだけに……!?


なんという有言実行。あまりの行動力に、尊敬よりも正直こわい。


グリンロッド王国との関係が解消すれば、きっとまた砂糖がたくさん輸入されるようになるわ。

だけど本当に、砂糖のために……?


満足気に帰ってきた屋敷の主、ディノアマト様は、今日もずらりと並んだ山のようなクッキーをむさぼっている。


「うむ。あまい!!この突き抜ける甘さ、拷問訓練の鞭打たれた衝撃を思い出す」


ほめ言葉なのかどうか微妙な感想を述べながら、彼はばくばくとクッキーを食べ進めているわ。


集中しているのか、眉間にしわを寄せながら甘味を味わう姿。それは怒っているようにも見える、いつもの光景。

最近は慣れてきたけれど、最初は怒鳴られやしないかと不安になっていたの。


だってそもそもの顔がこわいのだもの!険しい表情をしていたら、より心配になるってものだわ。


その後の「あまい。うまい」という呟きから、気に入ってくれた様子は伝わってきた。


私はほっと胸をなでおろす。

何を出しても怒られたことなんてないのだから、きっと喜んでくれるだろう、ということはわかっているけれど。

やっぱり言葉にしてくれたほうが安心するわ。


「追加の紅茶もございます。熱々をご用意しますので、お申し付けくださいね」


この屋敷で専属パティシエとして働き始めて1ヶ月と少し。

まさかこんな恐ろしい軍人様のもとで働くことになるなんて、私・ロロメルテは少し前まで考えてもみなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ