第10話 最後の1日 後編
前回のあらすじ
テンションの高い1516歳
ん?
宿屋で何かあったのか?
て言うか……1516歳だったのか……。
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デーでん
さて問題です。
今、俺はどこにいるでしょーかっ
チクタク
チクタク
チクタク
ピーー
はいっ終了
正解は、洞窟でしたー
…………
えっ?
普通すぎ?そりゃそうでしょ、もしかして牢獄とか答えると思ったの?いやっないない。
……
でっ
現在、王国から4時間ほどの距離にある洞窟で少し砂が被って場所が解りにくかった。
洞窟の中
「暗いですーーっ怖いですーッ」
おどおどしながら俺の腕を掴む。
「な、何か光るものないんですかーっ」
上目遣いで聞いてくる。
こういう子の上目遣いは犯罪だと、思う……
「えーと、ライトソーラー」
小声で魔術を発動する。
「ほ、ほへー」
赤髪さんが感心した声を漏らす。
「なんですか?今の?」
疑問符をうかべ聞いてくる。
「え?えーと、半永久的に光る物質を創る魔術です。形は想像により変わります。」
と、商人街で買ったノート?を見つつ言う(読む?)
「レベルはどれくらいなんですか?」
うーん……目立ちたくはないのであまり言いたくないんだよなー。いやっでも、美少女に嘘を吐くのは、忍びない。
冷静に、そう冷静に考えるんだ俺、未来を見ろっ。
「13ですっ」
いやっすいません、俺に美少女に嘘吐く余裕なんてありません。
「れ、れべぇる13!?初めて会いました!レベル10超えの魔術使いにっ!」
おーっここまで驚かれるとは……
「いやっ俺はズルしたから……」
「ズ、ズル?どうしてですか?」
えっ?長いんだよなー話すの……
よしっやるかっ
カッートッ
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俺は話を終え一息つく。
………………
せこいって?
ふっ、わかってないな
…………
小説に、限界はないんだよっ
そんなアホなことを思っていると。
「それはズルなんかじゃないですよ……」
?小説の限界のこと?
あっ、違う違う、俺の力の事か……
少しうつむきつつ言う赤髪さん。
「だって、それをズルなんて言ったら世界の強い人のほとんどがズルになってしまいますよ」
苦笑しながらこちらをむく。
「まぁ、お姉ちゃんの受け売りですけど……」
なるほど、そういう考え方もあるのか。
「私も今ではそう思いますよ?」
……今では?、まぁいいか……
とりあえず素直に答える
「わかった、そう考えて動いみるよ、ありがとう」
「それがいいと思います……」
と1回うなずく。
…………
…………
し、シリアスな話をしたから空気が重い……
「あ、そういえば」
と、赤髪さんが思い出したように。
「ジェルクラウンってどれくらい強いんですか?」
「?いや、知らないけど、」
「え、なにも知らないのにたおしにきたんですか?」
「お金が欲しいからな」
「そのままですね」
「そのままだな」
なんかアホみたいだな、「お金ほしいからぁ、バイトするぅ」と言う女子高校生ギャルの感じだ。
「なにに使うんですか?」
うーん、大雑把な感じでいいか。
「楽しい生活を送るため、かな?」
「なんで疑問系なんですか?」
「さぁ」
「解らないこと多いですね」
「そうだな」
そんなたわいない会話をしながら俺たちは進むのであった。
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現在洞窟最奥……前、俺たちはチラチラボス、もといジェルクラウンを観察していた。
観察結果
水色の大きなプリン
結果報告終了
「ほ、本当にあれが50000ルーズもするのか?」
「さ、さぁ私も見たことないですから……」
「とりあえずさっき言った通り一旦後ろで見ていてくれ」
「りょ、了解です」
よしっ
少し前へ出て右手をかざし魔術を発動する。
「アイスストーム」
効果はそのままの意味で氷の風だ。
レベルは10
プリンの表面が少し凍る。
その瞬間形が変わり、狼のような形になる。
「えっ?」
パキンと言う音と共に狼が走る。
ここまでの距離は30メートル、だが圧倒的な脚力で0.5秒の時間でここにまで来て俺に噛みつく。
「あぶねっ!」
1歩右に避ける。
は、は、はやっ!
その瞬間後ろを向き
相手の動き、特徴を見る。
固まった牙がキラリと光る。
大きさは4メートルほどで、半分ジェル状の物質なので物理攻撃は効かないだろう。
ふー
よしっ
2度、3度攻撃を仕掛ける狼、その攻撃に距離をとりつつ体内の魔力を操作する。
右手で水の魔力と火の魔力を融合させつつ、右手首に振動ゼロの水魔力を大量に精製する。
火魔力が弱くなったところで、火魔力を温度操作に変更し氷の魔力を精製、手首の魔力を右手に移動させ氷の魔力を大きくする。
左手に地の魔力を精製し、目標に向け撃つ。
「クリエイトロック」
右手を下に出し魔術を発動する。
「ワールドオブアブソリュートゼロっ」
洞窟の入り口まで、凍ったと、思う。
パキンッと狼が粉々にわれ風にとぶ。
「ふー、ちょっと疲れた……」
と、赤髪さんが驚いて声もでない感じで土の壁を避けつつこちらへ来る。
「な、なにしたんですか!?」
少し大きめの声で言う。
びっくりしたー
こんな声もだせるんだなっ
「えっ!?なんか自慢みたいで嫌なんだが……」
額をかきつつ、俺は言う。
「レベル20の氷魔術です」
…………
「はい?」
とよくわからない顔をする赤髪さん。
「れ、レベル20の氷魔術です。」
…………
「マジですか?」
まさかこの子からマジという言葉が出るとは……いやそんなに知らないけど、あっよく考えたら俺この子の名前知らないじゃん。宿屋帰ったら聞くか……
「ま、マジです」
ん?デジャブ?
「ほはーー」
感心の声2
うーんまぁ
「とりあえず帰りますか」
「は、はいそうですね」
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洞窟を出ると女の子とその騎士?がぞろぞろといた。
女の子はどことなく赤髪さんに似ているような気がする。
赤髪さんはゲッと青筋を3本たてていた。
「こ、ここで何があったの!?」
と、俺か赤髪さんどちらに言ったかわからない質問がとんでくる。
一応俺が答える。
「ジェ、ジェルクラウンを倒して帰ってくるところです……」
ポカーンとする女の子と騎士さん方。
少し誇らしげにする赤髪さん。
「こ、この氷は?」
「倒した際の後遺症です」
「?……」
嘘は吐いてないはずだ……
おほんと咳ばらいしつつ続ける、女の子
「とにかくラミアっあなたには帰ってきてもらいます」
おおーやっぱり家族か、お姉さんか。
「い、嫌ですっ、もう家には帰りません!」
うん、ここは黙っておこう家族の話だからな。
「そんなわがまま言ってちゃ生きていけないわよ!ラミア!」
…………
「い、生きていけます!だってだって」
顔を真っ赤にしながら、
「私はこの人と一緒に生きていきますから!」
…………?
「なに冗談いってるの!」
「冗談じゃありません!」
と睨みあう二人。
うん、まぁ喧嘩するのはいいんだよ、うん、でも周りを巻き込んじゃダメじゃないかな、うん。
「くっ、ラミア、あなたに言葉で言ってもわからないのはわかっていたこと、あまりしたくありませんでしたが無理やり連れて帰ります」
周りの騎士たちが俺たちを囲む。
おおー、凄いな全く気づかなかった。
「貴方も本気を出した方がいいですよ怪我をするかもしれないので」
とお姉さんが俺に言う。
「じゃあ遠慮せずに」
右手に闇の魔力を溜め加工しつつ凝縮させる。
凝縮
加工
凝縮
放出っ!
「はっ!」
俺が放った魔術は騎士に、当たらずそのまま山のほうにとぶ、重力が強く過ぎてブラックホールになり山の2分の1程が丸くえぐれる。
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でっ初めに戻る訳だ……
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「あ、あなた今のどうやったの?」
と、お姉さんが、聞いてくる。
俺は、少し頬をひきつらせながら言う。
「言われたとうりやっただけだけど……」
そう、言われた通り本気を出したら山が半分消えた。
こ、こいつはやべー。
「…………………………」←俺
「「…………………………」」←騎士の方々
「「…………………………」」←赤髪姉妹
「こ、これは犯罪に含まれますか?」
と、俺が一番気になることを聞いた。
「た、たぶんそうなるかと、あの山、観光地ですから……」
と、俺の魔術に少し耐性の出た赤髪さんが答える。
騎士たちがざわざわする。
「つ、捕まえたほうがいいか?」
「い、いやでも王女殿下のご息女の友人だぞ」
「それでも捕まえる方がいいんじゃ……」
ガヤガヤしつつ結論を出す。
「「捕まえるか」」
やばいな、捕まりたくはない、牢獄は嫌だ。
俺も結論を出す
「逃げるか」
あせあせとしながら。
「わ、私も付いていきますっ」
「よしっじゃあ服に掴まってくれ」
「は、はいっ」
足に風の魔力を大量に溜め放出させる。
ばんっっ!
ふゅゅゅゅゆゆうう!
「があわわわわあああぁぁぁあ!」
↑俺
「きゃああああぁぁぁぁあうぁあ!」
↑赤髪
と、言うわけで俺たち今日から逃亡者になりました。
野宿確定だな……
あ、リアどうしよ……
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その頃リア
「りょ、りようたさんまさかのあさがえりですかーーっ!」
と、叫んでいたのだった。




