2章 1話 白き世界
白い世界
そこには何も無い
足元も空も遥か先までも白
その世界でその者は問いかける
「起きなさい、黒き神に選ばれし人間」
護はゆっくり目を覚ました
「こ…ここは?な…何だここ!
それに…あなたは……光?」
白の世界で目を覚ました護は突然のあり得ない光景に唖然とした、そして話しかけて来たのは…
姿形すら分からない人の様な光だった
「ここは私の世界…白の世界です
黒き神に選ばれし人間、時間がありません
一度しか言いません良く聞きなさい
そなたは黒き神に重度の呪いをかけられています
前に黒き神と接触した事はありませんか?」
光はそう護に問いかけた
「えっ?黒き神?呪い?
俺には何の事かまるで分からないんだが…
それとここはどこなんですか?
俺はあの黒くなった魔物と戦っていたんだ…」
護は訳の分からない事を光から言われ混乱する
「そう…では教えてあげましょう
そなたの標識の権能、それは黒き神が与えた権能
そして権能とは名ばかり、他の者とは違いそなたのは不幸になるだけのただの呪いだ
黒き神はただそなたの苦しんだ人生をより苦しませ絶望する姿が観たいだけのただの戯れにすぎない」
その事を聞き護は腑に落ちてしまう
「確かに…この標識の権能を得てから俺の人生は…
良い事がまるでなかった…
世界最弱のGランクの権能のせいで
世間には毎日バカにされ…嫌がらせをされ…
弱い権能のせいで暴行を受ける…
それは全てこの権能を得てからだ
でも!それは戦わない事を選んでいたら普通の人と何も変わらないだろ!?」
護は強い口調で光に問いかけた
「そなたは…
如何なる事があっても戦う事をやめないであろう?
それを分かっているからこそそなたを選んだのだ
そして絶望を何度も何度も繰り返す
黒き神はただ人々の絶望する様を観たいだけだ」
「何で…何で俺なんだよ…これ以上どうすればいいんだよ俺は…今まで必死耐えてきた…でも…もう…」
護は今までの辛い日々を思い出し涙を堪える
「心配するでない、そなたには黒き神に対抗する為に私の権能を与えてある
だがまだ権能が開花するには器が足りん
先程使ったであろう?
私の権能は改変、標識の権能を改変する能力だ」
その言葉を聞き…繋がった
「そうか…そう言う事か…
車の運転手が違反したら対象にし罰を与える力を…
(対象自身)が違反したら罰を与える力に…改変したって言う事か…じゃあ何で…
何で力を使った俺も一緒に喰らったんですか?」
「先程言った事だ
改変の権能を受け入れるそなたの器が足りない
改変の力を今使うには力の代償にそなたの体力
つまり命を削り使用するしかない
今はまだ器が出来るまで使わない事だな」
光は護に助言した
それは改変の権能を6回使ったら即死と言う事だ
実際は2回で死にかけていたが
「なるほど…そう言う事…か…なら…いつ俺は改変の力を制限無しで使える様になるんですか?」
「それは私にも分からない」
「そう…ですか…でも俺も戦う事が出来るようになるのが分かっただけでありがたいです
ありがとうございます」
護は戦う力を授けてくれた光に頭を下げ感謝する
「よい、そろそろ時間だ
そなたがこの世界を救う鍵になれる事を…
私は願っている…」
護の意識は急に遠退いていく
「ま…まだ聞きたい事が…あ…」
「いつの日かまた合う事があるだろう
その日までに力を使いこなせておればよいな
黒き神に選ばれし人間……進道…護」
そして護は白い世界から消えたのだった




