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第52話 暴動

アジト内でBがテレビを付けると、日本各地の警察所へ市民が暴動を繰り返している旨の内容の報道がなされていた。今回の爆破犯の件で、ふがいない警察への鬱憤が爆発している感じだった。それは同時に、ある意味こちら側の味方であるとも言えた。


Bは明け方になってもノートパソコンから離れることはなかった。打鍵音だけがリビングにこだまする。いつものようにエンターキーを2回押す。エラーがはじき出され、ため息まじりに瓶に口を付けた。

「こりゃ本格的にやばいや…」

風呂上がりのAはタバコをすいながらリビングにやってきた。

「何かトラブルか?」

「うん…やっぱり銀行からかすめ取る方法がどうやってもうまく行かないんだ」

「やはり自衛隊サイバー班に特定されたんだろうな。困ったものだ」

「今度は暗号資産を盗み取るプログラムを作ろうと思ってる。さすがに暗号資産をかすめ取るとはおもわないだろうから」

「やってみてくれ」

Bは視線をノートパソコンのモニターからAにやった。

「ねぇA…海外旅行にでもいかない?高跳びってやつさ」

「成田空港はもう修復作業が済んで運航を再開しているが、警察がうようよいるからだめだろう。高跳びされるのを最も恐れてるだろうからな」

「そっか…」

「そんな事よりフィナーレプランが整いつつある。楽しみにしていてくれ」

「本当?楽しみだなあ」

「それはそれとして…」

Aは少し恥ずかしそうにBに言った。

「行きたい所があるのだが…」

「んん?どこどこ?」

「映画にでも…いかないか」

「どんな映画?ネットで探せば観れる所探せるけど、映画館に行く?」

「映画館がいいかな…」

「じゃ早速サングラスして行こう行こう!」

BはAの腕を引っ張った。Aはされるがままサングラスをかけ、タバコを消した。


――――


刑事1課の冴島と松島は、パトカーに乗って足立区内をパトロールしていた。犯人と直面すればこれラッキーというものだが、なかなかそう簡単にもいかずに地道に車を走らせていた。

「松島君、あなたが足立区に潜伏するとしたら、どこに潜伏する?」

松島はちょっと考えてから、冴島に怖音で語りかけた。

「冴島さん…冴島さんは魔の0番線をご存知ですか」

「何よそれ…怖いわね」

「本当にあるんですよ…冴島さんは綾瀬駅はご存知ですよね?」

「ええ」

「綾瀬駅のほんの隅っこにあるのが恐怖の0番線なんです」

「本当に?」

「ええ…その0番線の行く先は、北綾瀬駅…そこに行くためだけに走ってる電車なんです」

「北綾瀬に潜伏しているっていうの?」

「はは…あくまで僕の勘ですけどね。なにしろ足立区の端も端ですし。静かな所と言えば…まぁ、勘です」

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