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オレはおっぱいを揉みたいんだ  作者: はれ
第三章 おっぱいとお尻、どっちを選ぶ?
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43 おいこらしばくぞクソガキ


「――おっぱい陣営がはなちゃんとらいたくん、おしり陣営がまえだくんとせがわくんで、戦うのだ!」


 声高らかに宣言したのは、ちっちゃくて可愛い女の子――管理人だ。


 まぁ体についてはいいんだ。ちっちゃいし可愛いし、それにスタイルも何故かいい。所謂ロり巨乳という奴であり、むしろその体を褒め称えたいくらいだ。

 だが、今の発言だけは――容認できない。おっぱいとお尻をかけた頂上決戦(笑)に何故参加しなくてはならないのか。


「おいこらしばくぞクソガキ。いくら管理人だからって、言っていい事と悪い事があるだろ」


 額に青筋を浮かべた俺は、威圧するように管理人を睨む。

 こんな話、どう考えてもお断りだ。どんな脅しが来たって俺は退かない――



「勝ったら3ヶ月間家賃を下げてあげるのだ!」

「今すぐ始めましょう管理人様!」


 え? 断る? ナニソレ食えんの?






 ************************






「ここが私の部屋なのだ! ささ、早く入るのだ!」

「お邪魔しますー……」


 果たしてお邪魔しますでいいのかなと思いながら、俺達は管理人の部屋に入る。

 この寮に管理人の部屋がある事は知ってたが……凄いなこの部屋。

 まず、デカい。俺達が普段住んでる部屋の面積3倍分、いや、4倍はあるだろう。内装はそこまで豪華なわけじゃないけど……電化製品とかは割といいの使ってるな。この電子レンジとか、この前テレビで紹介されてたやつだぞ。

 後はぬいぐるみとかおもちゃとか、いかにも管理人らしい私物がちらほら。まぁここら辺は想定内だな。


「あ、このこの冷蔵庫も高いやつだ。管理人さん、料理が好きだったりするの?」

「管理人ちゃんはそんなに料理しないのだ! そこら辺の物は、はなちゃんのために買ったのだ!」

「はい?」


 はなちゃん? という単語に一瞬戸惑うが、すぐに美崎の事だと思い至って――そちら側を向く。

 美崎は特に何かを言うわけでもなく、『当たり前でしょ?』とでも言わんばかりの顔をしている。

 ま、まさかこいつ……


「管理人の部屋に入り浸ってるってわけじゃ……」


「わけも何も、その通りよ。別にいいじゃないそれくらい」


 や、やっぱりかよ。

 管理人の部屋に入り浸って、物も買ってもらうとか、そんなの有り得――なくもないな。美崎ならやってもおかしくなかった。うん。

 俺が自分一人でうんうんと頷いていると……大きな胸をバウンドさせながら、管理人が声を上げた。


「という事で、管理人ちゃんの部屋で始めるのだ!」

「――待てよ」


 天真爛漫に腕を突き上げた管理人を、くせっけの男――彰が制した。

 なんというか、いかにも『気に入らない』って顔をしている。


「ライタはともかく、オレは認めてねーぞ。瀬川と共闘するなんて」

「んおー? まえだくん、何が不満なのだー?」

「ま、瀬川と協力しなきゃいけないってのは勿論だが……どうしてオレが、『お尻』側でやらなきいけねーんだよ」


 

 そう。それは確かにその通りなのだ。

 彰の隣で立っている瀬川は、多少飲み込めない部分はあるものの、『お尻』側で戦えるという事もあり、あまり自ら声を上げよう――という意思はないように見える。

 だが、彰は別だ。

 彰はそもそも『おっぱい』側で戦う側の人間だった。それが『お尻』側に移されるとなれば、当然不満は出るだろう。

 しかし家賃がかかっているのだ。正直彰を納得させたい。ので俺は、


「管理人さん、彰をおっぱい側に移すっていうのは――」


「――それはダメなのだ」


 彰の移籍を頼もうとすると、管理人が声のトーンを一段下げた。

 そして、管理人が俺に向かって手招きをした。『こっちに来い』ということだろうか。

 俺は管理人の足元まで近づき、片膝をついた。すると管理人が、俺の耳元に口を寄せて――暖かな吐息と共に、こういった。


「それでは意味がないの……だ。前田がお尻側につく事に意味がある。だから、なんとかして前田をこっち側につかせるのだ。分かったか?」



 その凄みのある声に、俺は一瞬たじろぐが……頷く。

 管理人が俺から顔を離すと共に、俺は立ち上がり、彰を部屋の隅へと連れて行った。他の人には聞こえないように。


 ――――


「――で、なんだよライタ。こんな所に連れてきて。愛の告白でもするのか?」


「するかアホ。……俺が言いたいのは、お前に『お尻』側についてほしい。それだけだ」


 あまり長引かせたくもないので、俺は単刀直入に切り出す。

 すると彰は、わざとらしくため息をついた。


「オマエなぁ……それで俺が『はいそうですか分かりました』って言うわけねぇだろ」


「それはそうなんだが……なんとかならないのか?」


「……条件が、ある。それを認めてくれるなら、いいぞ」


「……また、条件かよ」


 なんというか、俺の身の回りには条件を提示する奴が多すぎる気がする。どんだけ条件が好きなんだよ。

 一体どんな条件なのか――俺が顔で促すと、彰はこう答えた。


「――本気で来いよ」


「はい?」


「本気で来いって言ってんだ。おっぱいが上だと証明するために、本気で考えて、オレ達に挑んでこい。それならいいぞ」


「……なんだよ、それ」


「いいから。やるのか? やらねぇのか? はっきしろよ」


「……」


 俺は顎に手を当てて、しばし考えこむ。

 確かに、悪い条件じゃないんだが……彰の意図が分からない。

 でも、受けなかったら家賃の話はパーだ。これは受けざるをえないだろう。


「わかった。受けるよ」

「うっし、頼むぞライタ」

「お前はどうすんだよ。本気でやるのか?」


 正直、彰がお尻の為に本気を出すとは思えないのだが……

 そんな事を思っている俺を打ち砕くかのように、彰はいたずらっ子のような笑顔を向けて――こう言うのだった。



「バカ言うんじゃねぇ。オレが手を抜く場面なんて、乳首を触る時だけだ!」


「いや意味わかんないだけど!?」



 






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