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オレはおっぱいを揉みたいんだ  作者: はれ
第二章 おっぱいの感触を確かめるって、それもうおっぱいを揉むのと同じじゃ…
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21 痴女じゃないか

 痴女。痴女と書いて、痴女。

 当たり前どころか何の捻りも無いその考えが、俺の頭を支配していた。否、そんな事しか考えられない程に俺は混乱していた。おそらく、彰も同じような事になっているだろう。

 メロンのようにまんまるな乳房がこれでもかというほど露わになっており、あまりに露出面積が広すぎて大事な部分が見えそうだったり見えそうじゃ無かったり。

 視線を下の方に下げると、こちらもミルクのようにゆるゆる揺れる太ももが惜しげもなく披露されている。太ももで隠れている部分はないんじゃないかと思うほどスカートは短く、その奥の奥、クマさんの柄が透けて見えた気すらしてきた。

 

「どうしてそうなったぁぁぁぁぁぁぁぁ――!!!」


 思わず叫ぶ俺。むしろ叫ぶ勇気があった俺を称えてほしい。

 ――七瀬が痴女のような恰好をして公園に来たのを見て、しばしの間思考が沸騰。その後ちょっとだけ冷静になった俺が全ての力を賭けて突っ込む。そして今に至る。

 色々と突っ込みたいところはあるが……まぁとりあえずこれだけは聞いておこう。


「七瀬――七瀬さん、どうしてそんな恰好をしてきたんだすか?」

「ライタ、敬語な上にちょっと言い間違えてるだっちゃ」


 しまった。動揺を隠せなかった。

 だがそれは彰も同じなのだろう。なんだだっちゃって。


「こ、これ……そんな変な恰好ですかね……? 確かに、ちょっとすーすーしますけど……」

「え、何。俺が気付いてないだけで、日本はそんなに開放的な国になってたの?」

「は、ははは。ようやく、オレの時代が訪れたようだな。はは、ははは」


 あ、彰が情報を処理しきれなくなってオーバーヒートした。

 虚ろな目をしながら笑い声を上げるだけの機械と化した彰を見ながら、俺もこうやって情報をシャットアウト出来たらいいのに。と自身の精神力を嘆く。

 それはともかく。『そんな変な恰好ですかね?』とはどういうことだ。字面通りに受け取れば、『今の世の中これくらいの恰好がちょーどいいんだよ! そんな事も知らないの? おっくれってるぅ~』という意味なのだろうが、俺の記憶フィルダに街中でこんな格好する奴は存在しない。

 

「まぁ、その質問に答えるとするなら……変だと思うよ。それ」

「え、えええっ!? そ、そんなはずないですよ!」

「いや、そんなはずあると思うんだけど……むしろその思いはどっから来るんだよ。今時ネットでも『街中を痴女のような恰好で過ごせば意中のあの子はメロメロ!』なんて記事はありえないからな。メロメロどころかドン引きだろうし」

「で、でもっ! クラスの子が!」


 と、七瀬がそこまで言った時、俺は一抹の不安を覚えた。

 クラスの子――この言葉から察するに、七瀬はクラスの人からいじめを受けてるのではないかと思ったのだ。

 例えば、七瀬がどんな格好で臨めばいいか聞いたとして――こういう格好にしろと、わざと嘘をついた奴がいるかもしれない。そんな事を信じてしまう方もあれだと思うが、それでも悪意ある行動には間違いないだろう。

 誰かが七瀬に悪意を持っているならば――それは許される事ではない。と、俺が人知れず拳を握りしめると同時に、七瀬が次の言葉を紡いだ。


「学校の子が! この前遊びに行った時に大胆な服だったって!」

「違うなコレ! 多分七瀬がアホなだけだ!」


 すっ――と、入れた力が根本から抜けていく。

 その『大胆な服』というのは、ちょっと胸元が開いている――とか、それくらいの物だったのだろう。 

 それを七瀬が妙な捉え方をして――こうなってしまった。という事なのだろう。いやそれもそれでアホ過ぎる話だが、七瀬ならやりかねん。と彰なら言うだろう。今の彰はただの木偶の坊だけど。


「あのな、七瀬。大胆な服っていうのは、ちょっとスカートが短かったり、ちょっと胸元が開いてるくらいのものだからな? 断じて物凄くスカートが短かったり、胸元が開いているどころか胸の大部分が露出されている服の事じゃないからな?」

「そ、そうなんですか……それなら、この恰好はダメですか?」

「だ、ダメって……」


 七瀬が自分に触れながら上目遣いでそんな事を言ってしまうものだから、俺は口籠ってしまう。

 いやダメだろ!? 誰がどう見てもダメだよ! 世界大胆な服機構もNG出すレベルだよ! と突っ込みたい気分はやまやまなのだが、女の子相手にそういう事を言うのは少しばかり躊躇われる。

 何と言えばいいのか――俺が迷って目を逸らした瞬間、ポンと、俺の肩に手が置かれた。


「――ああダメだな。ダメすぎる。いいか七瀬。そんな恰好じゃオレとライタが困るんだよ」


 その声は――いつの間にか復活していた彰の物だ。

 こいつ……まさか俺の危機を察して、こうやって助けてくれたのか。


「オレとライタは、服の上から見える輪郭が好きなんだよ! そうやって大事な所だけ隠しているおっぱいに何の意味があるんだ! おっぱいは全伏せか、ほぼ伏せだから良いんだよ! オマエのそれはただの胸だ!」


 ……アレ?


「そんな恰好をいつまでもしてると、オレが破裂するまで揉みしだくぞ! 嫌ならとっとと戻ってまともな服を着てこいやぁ!」

「ひぃぃぃ……! わ、分かりましたぁぁぁぁ!!!」


 ゲス顔で下種そのものの発言をする彰に、七瀬はドン引きして帰っていった。

 なるほど。確かにこのやり方なら七瀬はちゃんとした服を着てくるだろう。

 

「……ライタ。これで問題ないだろ?」


 グッ――と、親指を立て、草原を吹き抜ける風のように爽やかに笑う彰。

 それに対して、俺も笑う。大声を上げながら笑った。ひとしきり笑った後――真顔になった。



「問題大ありだ、この馬鹿ぁぁぁぁぁ――ッッ!!!」


  


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