アンジョ・ネグロ 第二部 ― 第21話「報告」
前書き:
第21話を読みに来てくださり、ありがとうございます!
今回は戦闘ではなく、評議会での報告と議論が中心となる回です。
アルファ組織の立場や、周囲からどのように見られているのかが描かれます。
これまでの出来事がどのように評価されるのか、そして今後にどんな影響を与えるのかにも注目していただけたら嬉しいです!
クスプリア評議会の間は、重い空気に包まれていた。
黄金の柱と浮遊する結晶が照らす巨大な円卓。
そこに各組織の代表者たちが座っている。
その先頭に立つのはヴァンダーだった。
彼は机を強く叩く。
「遊びは終わりだ。
各組織の報告を始める。ディリオ、話せ」
空中にホログラムが浮かび、数値と記録が表示される。
ディリオが口を開いた。
「六つの組織のうち、成長が確認できるのはアルファのみ。
他の組織は戦力、資源、領域のすべてで衰退しています」
ざわめきが広がる。
「さらに――」
彼は続ける。
「かつて五千人いた戦士のうち、現在リーの指揮下に残っているのは百人です」
室内の空気が変わる。
「馬鹿な!」
「子どもを指揮官にした結果だ!」
非難が飛び交う。
その時、ララが立ち上がった。
彼女の心臓の鼓動が響くような静けさの中、ララは真っ直ぐ前を見た。
「違います」
視線が集中する。
「失敗したのはリーではありません。
あなたたちです」
空気が凍る。
「他の組織が恐れて動かなかった時、アルファは行動しました。
無実の女性たちを救い、命を賭けて戦い、仲間を増やし、休まず訓練してきました」
怒りの声が上がる。
「無礼だ!」
重圧が放たれる。
だが――
レオンが前に出た。
金色の瞳が光る。
「彼女の言葉は真実です」
静かに言う。
「私は見てきた。
戦いも、犠牲も。アルファが残った理由は、彼らが諦めなかったからです」
沈黙が落ちた。
次の瞬間、ヴァンダーが立ち上がる。
「――もういい」
彼の緑の気配が空間を満たす。
圧力により、全員が動けなくなる。
「恥を知れ」
低い声が響く。
「少年とその妹を妬むあまり、現実から目を背けている」
ララは頭を下げる。
ヴァンダーは彼女を見る。
「続けろ。アルファが何を成したか、詳しく聞こう」
ララは深呼吸し、語り始めた。
救出作戦。
闘技場での戦い。
新たな仲間たち。
そして、希望を得た人々。
話が終わる頃、室内は静まり返っていた。
ヴァンダーはゆっくり言う。
「……他の者たちは、椅子に座っていただけだ」
多くの視線に怒りが宿る。
彼は手を上げる。
緑の光が広がった。
「次の会議はここでは行わない」
全員が顔を上げる。
「アルファ組織で行う。
私自身の目で確かめる」
雷のような静寂が落ちる。
レオンとララは顔を見合わせた。
安堵と誇りが混じる。
一方、他の評議員たちは無言だった。
だがその沈黙の中には、明確な感情があった。
――嫉妬。
評議会の火は、静かに燃え始めていた。
そしてアルファ組織は、全宇宙の視線の前に立つことになる。
第21話 終わり
後書き:
第21話を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
このエピソードでは、戦場の外での戦い――
つまり信頼や評価、そして組織同士の関係を描きました。
レオンたちにとって、これからは戦闘だけでなく政治的な問題も重要になっていきます。
また、『アンジョ・ネグロ』の世界をより楽しめるように、
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