アンジョ・ネグロ 第二部 ― 第20話「影の同盟」
前書き:
第20話を読みに来てくださり、ありがとうございます!
今回は戦闘だけでなく、物語の裏で動いている勢力や政治的なやり取りにも焦点を当てた回になります。
レオンたちが知らなかった“影の関係”が少しずつ明らかになっていきます。
物語の核心へと近づく重要なエピソードになりますので、ぜひ最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです!
その夜、リーは一人で動いていた。
向かった先は、宇宙でも最も治安が悪いとされる地下惑星――闇市場。
青い炎の松明が並ぶ通路。
フードを被った者たちが低い声で取引を交わしている。
リーは静かに歩き、奥の席に座る男の前で立ち止まった。
震える声が聞こえる。
「……聞いたんだ。酔ったクライザディアンが言ってた……
いつも“十人の子ども”を要求されるって」
リーは無言で硬貨を机に置く。
「それで十分だ」
彼は背を向け、人混みに消えた。
その後、リーはある酒場へ入った。
煙と赤い照明に満ちた空間。
そこには、女性を乱暴に扱うクライザディアンの姿があった。
次の瞬間――
視界が揺れる。
男は何も理解できないまま床に倒れた。
目を覚ますと、そこは洞窟だった。
結晶の壁に囲まれた湿った空間。
男は拘束されていた。
暗闇の中から、リーが現れる。
圧倒的な気配が空気を重くした。
「まず名乗ろう。私はリーだ」
低く、冷たい声。
「殺すつもりはない。
協力すれば、将来私が王になった時に覚えておいてやる」
男は震える。
「……な、何を知りたい」
「子どもだ。誰が要求している」
沈黙。
次の瞬間、空気が締め付けられる。
男は呼吸ができなくなる。
「だ、誰か知らないのか?」
「ス……スピリアンだ!」
リーの目がわずかに細くなる。
「クライザディアンは戦争の主だ……だが支配されている。
奴らは我々の星にも破壊光線を撃った……逆らえない」
リーは静かに言う。
「それは知っている」
一歩近づく。
「だが、お前は悪だ。
見逃す理由はない」
瞬間――
洞窟は再び静寂に包まれた。
一方、評議会。
巨大な円卓の間に、各惑星の代表が集まっていた。
そこへレオンとララが入る。
視線が集中する。
「リーは?ラウラは?」
ララは平然と答える。
「母に頼まれて来ました。
私は戦えないので、護衛を連れてきただけです」
「ここにクライザディアンは入れない!」
ララは肩をすくめた。
「彼は違います」
その瞬間、怒りを露わにした議員の気配が解き放たれる。
緑の圧力が室内を震わせた。
レオンは立ち上がる。
金色の瞳が輝いた。
彼は机へ飛び乗り、ララの前へ立つ。
爪が展開される。
「守ります」
「命をかけても」
緊張が頂点に達した。
だが――
気配は消えた。
議員は突然笑い出す。
「大きくなったな、ララ」
ララは駆け寄り、彼を抱きしめた。
レオンは固まる。
「……?」
男は名乗る。
ヴァンダー。
ロード・ヴァロンの父だった。
ヴァンダーはレオンを見る。
「名は?」
「レオンです」
「気に入った」
周囲がざわつく。
そして彼は言う。
「アーリスの時代は長くない。
やがてリーが王と戦うだろう」
ララは黙って俯く。
政治の空気が重く流れた。
その頃――
荒野の惑星。
赤い空の下、二人の戦士がぶつかっていた。
リーとロード・ヴァロン。
拳が衝突し、大地が砕ける。
衝撃波が荒野を削る。
ナレーションのように、風が吹き抜ける。
宇宙は動いている。
レオンとララが政治に巻き込まれる一方、
リーは来る戦いに備えて力を磨いていた。
未来は、まだ誰にも分からない。
第20話 終わり
後書き:
第20話を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
このエピソードでは、これまでの戦いの背景にある勢力関係や、
クライザディアンとスピリアンの関係について少し触れました。
物語はここからさらに大きく動いていきます。
また、『アンジョ・ネグロ』の世界をより楽しめるように、
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