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ブラック・エンジェル・ユニバース  作者: Leon Black Angel


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42/202

アンジョ・ネグロ 第二部 ― 炎の覚醒 第12話「救いの手」

前書き:

第12話を読みに来てくださり、ありがとうございます!

今回は前話に続き、リウの過去編の後半になります。

彼がどのようにしてアルファ組織の一員となり、そして“師”と呼ばれる存在になったのか――その始まりの物語です。

派手な戦闘よりも、人物の心の変化に焦点を当てた回になります。

最後まで読んでいただけたら嬉しいです!

燃え尽きた大地に、風が吹いていた。

瓦礫に覆われたヴァルドラの都市は、もはやかつての面影を残していない。

黒煙が空へ昇り、炎がところどころでくすぶっている。

その中心で、一人の男が倒れていた。

リウだった。

体は血に濡れ、呼吸も浅い。

意識はかろうじて繋がっているだけだった。

遠くから、異質な声が聞こえる。

クライザディアンの兵士たちが、残された資源を漁り、廃墟を荒らしていた。

足音が近づく。

その時――

空気が変わった。

重圧が走り、次の瞬間、兵士の一人が吹き飛ばされた。

続けて、別の兵も倒れる。

煙の中から、一つの影が現れる。

リーだった。

彼の周囲には静かな闘気が漂っている。

無駄のない動きで敵を次々と打ち倒し、最後の兵士が倒れる頃には、周囲に立つ者は誰もいなかった。

リーは倒れている男に目を向ける。

「……まだ息があるな」

リウの瞼がわずかに開く。

「……家族が……」

声はかすれていた。

「もう……いない……」

リーは静かに答える。

「失ったものを取り戻すことはできない」

一瞬、沈黙が流れる。

「だが、新しい理由を与えることはできる」

彼は手を差し出した。

「立て、戦士。

この宇宙には、まだ救われていない者がいる」

リウの目に涙が滲む。

震える手で、その手を掴む。

「……連れて行ってくれ」

彼は息を吸い込み、続けた。

「守れなかった……だから、今度は……守る側になる」

その瞬間、彼の周囲に淡い光が現れる。

鎖の力が弱々しく輝き、まるで誓いに応えるかのように揺れた。

やがて、輸送船が大地を離れる。

リウは窓越しに、燃えるヴァルドラを見つめていた。

もう戻ることのない故郷。

それでも、彼は目を逸らさなかった。

彼が手にしたのは家ではない。

痛みの中で生まれた、見えない鎖だった。

その鎖は、彼を縛るためのものではない。

未来へ導くためのものだった。

――そして現在。

アルファ組織の基地。

リウは椅子に座り、訓練場を眺めている。

若い隊員たちが必死に訓練していた。

彼の目は、もう絶望ではなく、静かな決意を宿している。

(自分の家族は守れなかった)

(だからこそ――)

(彼らの未来は守る)

その時、背後をレオンが通り過ぎる。

真剣な表情で訓練していた。

リウは小さく微笑む。

かつてすべてを失った男は、

今、多くの者を導く存在となった。

彼が教えるのは戦い方だけではない。

戦う意味だった。

「心の砕けた者の近くに、主はおられる。

打ちひしがれた魂を救われる」

静かに言葉が胸に響く。

第12話 終わり

後書き:

第12話を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!

リウにとって、この出来事は単なる過去ではなく、

今の彼の行動すべてに繋がる原点となっています。

彼が若い隊員たちを守ろうとする理由も、ここにあります。

また、『アンジョ・ネグロ』の世界をより楽しんでいただけるよう、

作者ページに追加コンテンツを公開しています:

・世界観音楽(テーマ曲/挿入歌)

・外伝ワンショット(短編ストーリー)

・キャラクタープロフィール(設定資料)

興味がありましたら、ぜひ作者ページからご覧ください!

ブックマークや感想をいただけると、とても励みになります。

これから物語は新しい展開へ進んでいきますので、次回もよろしくお願いします!

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