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ブラック・エンジェル・ユニバース  作者: Leon Black Angel


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シーズン6 第227話 「炎と炎」

ここまで『黒き天使(Anjo Negro)』を読んでくださり、本当にありがとうございます。


物語はいま、力と信念が真正面からぶつかる局面に入っています。

今回のエピソードでは、レニが自らの過去と痛みを背負いながら、アレスに真正面から挑みます。


怒りではなく、守るために戦う覚悟――。

その変化が、戦いの流れを大きく変えていきます。


ぜひ最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。



荒れ果てた戦場に、重い静寂が落ちていた。


崩れた大地。

燃え続ける炎。

砕けた岩と焦げた空気。


その中心で、レニがゆっくりと前へ出る。


黒い炎が足元から立ち上がり、地面を焦がしていく。


「……ここからは俺がやる」


その言葉に、アレスは口元を歪めた。


「ようやくか」


次の瞬間――。


二人の姿が消える。


轟音。


赤い炎と黒い炎が真正面からぶつかり合い、衝撃波が戦場全体を揺らした。


空気が震え、周囲の兵たちが思わず息を呑む。


レニは一切迷わなかった。


怒りに呑まれていた過去とは違う。


今の彼の拳には、守る意志だけが宿っていた。


黒炎をまとった拳が、次々とアレスに叩き込まれる。


鋭く、速く、正確に。


アレスは防ぐが、その腕がわずかに下がる。


そして、自らの腕に残る黒い炎を見て、目を細めた。


「……面白いな」


黒炎は、赤い炎すら焼いていた。


レニは間を置かず、さらに踏み込む。


「俺の炎は、お前のとは違う」


身体をひねり、渾身の一撃を胸に叩き込む。


爆音。


アレスの巨体が押し返される。


初めて――。


王が、押された。


アレスは立ち止まり、深く息を吐いた。


そして、初めて本心から笑う。


「その力……知っている」


静寂。


「黒炎の民か」


彼はレニを見つめたまま、低く告げる。


「お前たちは危険だった」


「クリザード族に対抗できた、唯一の種族だ」


レニは答えず、再び拳を振るう。


だがアレスは、その攻撃を受け止めながら続けた。


「滅びたのが惜しい」


「いい敵になれたはずだ」


次の瞬間。


レニの黒炎がさらに膨れ上がる。


爆ぜる炎。


速度が上がる。


拳の連打が次々とアレスを捉え、大地を砕いていく。


レニはアレスの腕を掴み、そのまま至近距離から叩き込んだ。


「これは、死んでいった奴らの分だ!」


轟音と共に、アレスの身体が吹き飛ぶ。


だが――。


煙の中から現れたアレスの表情に、笑みはなかった。


ただ、圧倒的な威圧感だけがあった。


「もう終わりか?」


空気が変わる。


重く、深く、冷たい圧力。


次の瞬間。


アレスが消えた。


そして、レニの目の前に現れる。


衝撃。


あまりにも速い一撃。


レニはかろうじて防ぐが、そのまま吹き飛ばされた。


そこからは、一方的だった。


アレスの拳が、爪が、炎が、容赦なく襲いかかる。


「お前は強い」


一撃。


「だが――」


さらに一撃。


「まだ、俺には届かない」


レニは黒炎を燃やし、必死に立ち上がる。


しかし、アレスは傷も痛みも無視して踏み込んでくる。


首を掴まれ、持ち上げられる。


「お前は守るために戦っている」


アレスの瞳が燃える。


「だが、俺は勝つために戦う」


その瞬間――。


風を切る音。


ナンドが飛び込んだ。


横からの一撃でアレスを弾き飛ばす。


「レニは一人じゃねぇ!」


傷だらけの身体。


それでも、前に出る。


「今度は二対一だ」


レニも息を整え、再び立ち上がった。


「行くぞ」


二人は同時に駆ける。


ナンドの圧倒的な膂力。

レニの黒炎。


連携攻撃がアレスを再び押し返す。


だが、それも束の間だった。


アレスの全身から、凄まじい炎が噴き上がる。


大爆発。


二人は再び吹き飛ばされ、大地に叩きつけられた。


アレスはゆっくりと歩き出す。


「惜しいな」


静かに、だが確かな威圧を込めて。


「かなり近づいている」


「だが、まだ足りない」


戦場に、絶望が落ちかけたその時――。


地面から、無数の緑の鎖が伸びる。


アレスの四肢に絡みつき、動きを封じる。


「だったら、もっと増やせばいい」


現れたのは、リウ。


傷つきながらも、真っ直ぐ前を見ていた。


ナンドが立ち上がる。


レニも、再び黒炎を灯す。


三人が並ぶ。


その光景を見て、アレスは再び笑った。


「ようやく面白くなってきた」


その瞬間、空がさらに暗く染まっていく。


本当の死闘は、ここからだった。


続く――



ここまで読んでくださり、ありがとうございました!


今回のエピソードでは、レニの覚悟と成長を大きく描きました。

かつて復讐に囚われていた彼が、今は誰かを守るために拳を振るう――。

その変化は、物語にとっても大きな意味を持っています。


そして、アレスの圧倒的な存在感もさらに強くなってきました。

次回は、さらに激しい連携戦と、それぞれの信念がぶつかる展開になっていきます。


次の更新も、ぜひ楽しみにしていてください!


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