「プログラムされた影」
読者の皆様、こんにちは。
いつも『黒き天使の宇宙』を読んでいただき、本当にありがとうございます。
今回はレオンとリーの修行が続く中、物語の裏側で新たな動きが始まります。
表では見えない陰謀、そして新たな敵――スピルリの影が、ついに動き出しました。
この章は、これから起こる大きな戦いの前触れとなる重要な回です。
レオンの成長だけでなく、彼を取り巻く世界が少しずつ変わり始めます。
ぜひ最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。
第11話「プログラムされた影」
古代の神殿跡地。
崩れた石柱と割れた床の上で、レオンは静かに呼吸を整えていた。
荒れた風が吹き抜ける。
彼の体の周囲に、黒い粒子のような霊気が漂う。
次の瞬間――
瞳が黄金色に染まり、指先から黒い爪が伸びた。
腕には黒い体毛が浮かび上がり、半獣の姿へと変わり始める。
「……これを……使えれば……」
レオンは拳を握る。
(この力を……守るために使えたら……)
しかし胸の奥で、カイロスの力が脈打った。
不安が生まれた瞬間、力は暴走する。
空気が爆ぜる。
「グァアアアッ!!」
衝撃波が神殿の床を砕いた。
リーが一瞬で距離を詰める。
「レオン!!」
集中した一撃で腹部を打ち抜き、そのまま地面へ押さえつけた。
「俺の声を聞け!!お前はまだお前だ!!」
荒れ狂っていたレオンの瞳が揺れる。
やがて光が消え、爪も牙も消えていった。
レオンはそのまま意識を失い、リーの腕の中で崩れ落ちた。
「……まだ、時間が必要か」
リーは静かに呟いた。
一方――エクスプリアン評議会の秘密室。
三人の評議員が、ホログラム越しに訓練の様子を監視していた。
「不安定すぎる。あれは生きた災害だ。」
「リーが味方しているのが問題だな。」
三人目が低く笑う。
「ならば外部に任せよう。スピルリ計画を発動する。」
ホログラムが切り替わる。
灰色の皮膚、猿に似た顔立ちの二体の存在が映し出された。
瞳は異様な光を放っている。
『任務は?』
「クリザーディアンの少年を排除しろ。痕跡は残すな。」
『了解した。』
その背後、巨大な影が立ち上がる。
赤い眼を灯した、装甲の巨人――アンドロイド兵器。
K11基地。
リーの端末に通信が入る。
『重力異常をKデルタ区域で検知。対応可能なのはあなただけです。至急向かってください。』
リーは眉をひそめたが、うなずく。
「了解した。」
眠るレオンを見つめる。
(すぐ戻る……一日だけだ)
リーは転移門を開き、姿を消した。
数分後――
K11の空が暗転する。
赤い光が雲を裂いた。
目を覚ましたレオンがゆっくり体を起こす。
「……何だ、この気配……」
轟音。
巨大な金属の足が大地に着地した。
赤い眼を輝かせる機械の巨人が、静かにレオンを見下ろしている。
月は赤く染まっていた。
――影の暗殺者が、標的を確認した。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
今回から、物語は少しずつ「戦い」だけでなく「選択」の物語へと進んでいきます。
レオンが戦う相手は外の敵だけではなく、自分自身の内側にある存在でもあります。
また、新しく登場したスピルリは、今後の物語に大きく関わってきます。
これから物語のスケールも広がり、宇宙全体を巻き込んでいく予定です。
感想や評価をいただけると、とても励みになります!
次の話もぜひ読んでいただけたら嬉しいです。
それでは、また次の話でお会いしましょう!




