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4.スライムダンジョン挑戦!

主人公、あくまでも防御メインのタンク役になるんですが、今回はあまり活躍の機会がありません。

(早水 勇雄視点)


「それでは、スライムダンジョンに入って行きたいと思いま~す!」


「……何か不安だな……」


……確かに、昨日の配信を見る限りじゃスライムを倒せる実力はあるみたいだが……


あんまり強そうに見えねぇんだよな……


「あ~、その顔は私の事を侮ってる顔ですね~!」


「じゃあ聞くが、ネリルは何級探検者だ?」


「……でぃ、D級探検者で~す……」


「……いや、俺と同じかよ……」


この世界の探検者資格は、E級からS級までの6種類が存在している。


基本的に、D級探検者はダンジョン探索をそこそこやってる勢……つまりアマチュア下位と見て良いだろう。


「……これでも頑張ったんですよ~!」


「まあ、1年半でD級まで上がったのは素直に称賛モノだが……」


「いや、半年ですよ~?……あくまでもチャンネルを開設してからの1年は、自宅で雑談メインの配信でしたし~……」


「……となると、半年でD級か……まあ俺がD級になるまでにかかった期間よりは短いな……」


俺が地元のゴブリンダンジョンに1年入り浸ってD級探検者になったのに比べれば、まだネリルは早い方なんだよな……


……それが本当なら、ネリルってやっぱり俺よりも才能あるのか?


「……って、ちょっと待ってくださ~い!……勇雄さん、D級探検者なんですか~!?」


「ん?……そうだが……」


「せ、世界ダンジョン管理協会日本支部は、D級探検者をS級ダンジョンに派遣させる業務に就かせてるんですか~?」


「……あっ……」


そういやそうじゃねぇか!


昨日はまだ詳しい業務を聞いてなかったから詮索しなかったが、流石に業務内容を聞いた後だと文句しか湧いて来ねぇ!


「……やっぱり~、即刻辞めた方が良いんじゃ~……」


「……だよな……でもなぁ……」


ここで辞めたら、履歴書に結構大きな傷付いちまうんだよな……


何せ、世界ダンジョン管理協会は名前の通り世界的な公的機関だ。


そこを自主退職したのを武器に出来れば良いが、逆にたった数日で辞めた事から問題のある奴と思われる可能性もあるのがなぁ……


「……まぁ~、勇雄さんが考えてる事も充分分かりますが~……」


「ハァ……せめて、もう少し待遇良くならないもんかなぁ……」


ハァ……ま、こんな所で愚痴ってもしょうがないんだけどな……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(銘々田 理穂視点)


「ハァ……どうしてこんな雑務まで私に回って来るんだ!……かといって、新人君に任せるには機密性の問題が……」


私は1人、キャンピングカーで仕事をしていた。


目前に積まれた書類の山は、別部署から処理を依頼された廃棄書類の数々だった。


「あぁぁぁぁぁ~!……まさか、私が出世街道から外れるなど……いや、私自身に出世欲はないが……今更閑職に追いやられてしまっては、尚更独り身なのがキツく感じるな……」


これまで仕事一筋で生きて来たのだ。


当然、この年齢で独身、かつ恋人も居ない。


……もう嫌になるな……


そう思っていると……


ープルルルルル……プルルルルル……


「む?」


あれは……S級ダンジョン臨時派遣室の直通電話か……


ーガチャ


「はい、"世界ダンジョン管理協会日本支部ダンジョン開拓委員会危険ダンジョン開拓部会S級ダンジョン開拓課S級ダンジョン調査係S級ダンジョン臨時派遣室"、室長の銘々田 理穂だ」


「ちょっと、お宅の職場ってブラックらしいじゃないデスか!……いったいどうなってるんデスか!?」


またか……


いや、事実だから何も言えんのだが……


それにしても、やけに独特な……まるで、外国人が無理矢理日本語を喋っているみたいだな。


「そんなの私に言わないでくれ!……私だって左遷されてここに配属された身だ!……文句ならもっと上に言ってくれ!」


私は、こんな職場でも新人君に良くしている!


いつ出勤があるかも分からない非常勤業務の割に、命の危険はあるし給料は出動がないと出ないし……


そもそも、D級探検者の新人君をS級ダンジョンへ行かせようとしている時点で終わっている!


「Oh!……なら、1つ聞かせて貰いマ~ス!……貴女は何故左遷されたのデ~スか?」


ん?


何故、そんな事を聞く必要が……


……まあ良い、どうせヤケクソだ。


この際だから暴露してやる!


「世界ダンジョン管理協会日本支部の上層部が汚職にまみれていてな。……上司の汚職を告発しようとして揉み消されたんだ」


「……では、何故今も働いてるんデ~スか?」


「生憎、私は辞めさせて貰えなかった。……少々、厄介な契約になっていてな……しかも、この状況で汚職を告発しようとしても、周囲からは逆恨みとしか思われないと来た……」


「ほう……分かりマシた!」


ープツン……ツ~ツ~ツ~……


「……何だったんだ?」


結局、その電話の主が何を言いたいのか分からないまま、相手が電話を切ってしまった。


……それにしても、また新人君と話したい……


早くも新人君を癒しにしかけつつも、私は押し付けられた書類処理の雑務を進めるのだった……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(早水 勇雄視点)


「あ~、早くもスライムはっけ~ん!」


ーぽよっ……ぽよっ……


「……ああ、魔法かスキルさえ使えればゴブリンより楽勝な相手だ」


まあ、スキルと言っても魔法に近いタイプのスキルじゃなきゃ駄目なんだがな。


「では、早速倒しちゃいましょ~。……【ファイヤーボール】!」


ーボォッ!……バシュ!……ドロドロ……


「……やっぱり、筋は良いんだよな……」


少なくとも、半年でこれを流れ作業に出来てるのは素直に凄いと思うが……まだ実力が分からないな。


と、その時……


「……ん?……勇雄さん、何か気になるコメントが……」


「何だ?」


ネリルが気になるコメントを見つけたらしく、それを見てみると……


・勇雄さんとやらの悩み、すぐに解決しマスよ!


「……何でしょう、これ……」


「いや、こんなコメント気にするまでもないだろ」


「いやでも~……この人がコメントした後って、大抵その通りになるんですよ~……」


「……いや、怖いな……」


何だその人、予言者か何かか?


と、そう考えていた時だった。


ーぽよっ……ぽよっ……シュ~……


「え、あれって確か……」


「……アシッドスライムだな。……しかも、後ろにはポイズンスライムやパラライズスライム、フリージングスライムまで居やがる……」


アシッドスライムはその名の通り、強酸性の粘液で構成されたスライムだ。


そしてポイズンスライムは猛毒、パラライズスライムは麻痺毒、フリージングスライムは対象を瞬時に凍結させる粘液でそれぞれ肉体を構成しており、どの個体も触れられたらひとたまりもない相手だった。


なので……


「あ~……ちょっと本気出しま~す!」


「本気だと?」


「は~い、それじゃ~行きま~す!……【ファイヤーボール】10連発で~す!」


ーボッボッボッボッボッ……


ネリルは自身の背後に炎の玉を10個生成し、スライムの大群へとぶつけ始めた。


ーバシュ!バシュ!バシュ!……ドロドロドロ……


ネリルの攻撃が当たったスライムは、何も出来ずに倒されていった。


しかし、スライムを倒していると……


ーぽよっ……ぽよっ……


「お、新手ですか~。……なら、また私が~……」


「っ!?……いや、待っ……」


ヤバい、あのスライムは……


「【ファイヤーボール】10連発で~す!」


ーボッボッボッボッボッ……


「おい、あのスライムはオイルスライム(・・・・・・・)だ!……しかも、過去類を見ないレベルの大群だ……」


オイルスライムとは、その名の通り油で構成されたスライムだ。


そして、このスライムには特筆すべき特徴があり……


「えっと~、オイルスライムの油って確か~……」


「……火を当てると爆発する……」


前を見ると、既にネリルの攻撃はオイルスライムに着弾している。


そして……


「あっ……」


「ネリル、俺の後ろに……」


ードカァァァァァァァァァァ~ン!


過去類を見ない数のオイルスライムの大群に、ネリルの攻撃が着弾した事で巻き起こった大爆発。


しかも、更に運悪く……


ーガラガラガラガラ……


大爆発によって地面が崩れ落ち、俺達は一気に奈落の底へと落とされたのだった……

ご読了ありがとうございます。


終盤のオイルスライムは、過去に前例のないレベルの大群だったのでダンジョンの一部が崩落しました。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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