3.ネリルとコラボ?
第1ヒロイン、ネリル攻略編!
(早水 勇雄視点)
「えっと、いつまで黙り込んでるんですか~?」
「……あ~……うん……えっと……」
「え、ほんとにどうしちゃったんですか!?」
咄嗟に声をかけてしまった相手は、昨日俺が一瞬だけ配信を覗いたネリルチャンネルってチャンネルのネリルって奴だった。
……ぶっちゃけ接点もない相手に話しかけちゃった場合って、どうするのが正解なんだ?
「……じ、実は昨日、ネリルさんの配信を覗いた者なんだが……いきなり話しかけてすまなかった……」
「……あ~、視聴者さんでしたか~。……それで、私の配信はどうでしたか~?」
「……重ねてすまないんだが、その時の俺が求めてたのはそこそこ難易度のあるダンジョン攻略の配信だったもんで、その……雑魚スライム処した辺りしか見てないんだ……」
「な、なるほど~……べ、別にそれでも良いと思いますよ~……」
……き、気まずい……
……というかよく考えたら俺、まだ自己紹介してないよな!?
「……あ、自己紹介が遅れたな。……俺の名前は早水 勇雄。……"世界ダンジョン管理協会日本支部ダンジョン開拓委員会危険ダンジョン開拓部会S級ダンジョン開拓課S級ダンジョン調査係S級ダンジョン臨時派遣室"に所属しているごく平凡な社会人だ」
「……い、今何て言いました~?」
あ、ネリルの顔が青ざめていく……
まあ、聞き取れなかったとしても世界ダンジョン管理協会の人間だって事は分かっただろうしな……
「いやまあ、世界ダンジョン管理協会とはいっても、本当に末端中の末端に位置してる閑職だからな?……あんま畏まらなくて良いぞ?」
「いや、それで納得出来ませんよ~!……私、ただでさえダンジョン歴短いのに……ここで下手な事して、華やかなダンジョン探検者人生に幕を下ろしたくないんですよ~!」
「……割と俗っぽいな……」
さっきまでは何処か天然っぽい感じもしてたが……割と俗っぽい性格らしい。
「……悪かったですね!……って、話がだいぶ脱線してませんか!?」
「……そうだな……まあ、とにかく俺は閑職なんで、ダンジョン探検者にアレコレ言う権利はないから安心しろ」
「そ、そうなんですね~……じゃあ、私は武器選びに戻りま~す……」
「ああ、俺も戻る……」
ネリルも俺もお互いに関わると面倒な事になると察して、武器選びに戻った。
その後、俺はサバイバルナイフと小型のハンドガンを購入し、最寄りのダンジョンへと向かったのだった。
そして数十分後……
「あ~!……貴方はあの時の!」
「……ネリルチャンネルの人か……」
俺とネリルは、最寄りのダンジョンで再会した。
いやまあ、近くのダンジョンってここだけだから、当然っちゃ当然なんだが……
だが、相手はそう思わなかったらしく……
「むむむ~……こうもよく会うとなると、これは運命かもしれませ~ん……」
「いや、流石に偶然……」
「いえいえ~、そんな訳ありませ~ん……という訳でここは是非、私とコラボしましょ~」
「……ハァ!?」
いや待て、何がどうしてそうなった!?
「いや~、良いテコ入れ要素探してたんですけど、まさかこんなに早く見つけられるとは~」
「いや待て!……そもそも、俺みたいな男とコラボして大丈夫なのか!?」
昨日配信を見た感じ、アイドル的な売り方でやってるチャンネルっぽかったよな?
そんなチャンネルに男なんて出た日にゃ、コメント欄が炎上するのは間違いないだろ!
そう思っていたのだが……
「ふっふっふ……私の視聴者さん達を舐めないでくださ~い!……あの人達は、もし私が結婚したとしても笑顔で祝福すると言い切った人達ですよ~?」
「口ではそう言えるだけだ。……というか、そもそもテコ入れが必要なレベルなのか?」
「だって、チャンネルを開設してから1年半で、登録者1万人ですよ~?……ここら辺でテコ入れも必要になりますよ~」
……1万人、か……
前世で読んでたダンジョン配信モノじゃ、数十万人とかザラに出てたからな……
何か綺麗な見た目の割にシビアな数字聞いてビックリしてる自分が居る。
「とはいえ、1万人って結構ヤバいんだが……」
「そうは言いますけどね~。……散々見た目で釣った結果のこれですよ~?……もう万策尽きました~」
「……見た目で釣ったなら、尚更俺じゃ駄目だろ!」
「いや~、案外何とかなりますよ~」
うん、こりゃ駄目だな……
そうして俺は、ネリルの意味不明な自信を根拠としながら、ネリルとコラボする事になったのだった……
そして数分後……
「は~い、ネリルチャンネルで~す。……何と、今日はとある一般人の方とのコラボで~す!」
……始まっちまった……
ちなみに配信のカメラだが、ネリルの目の前を浮いている小さな球状の物体がそれだったりする。
やはりダンジョンから未知の素材が手に入る分、科学がえらい発達してやがる……
……とまあ、それはさておきコメント欄の状況はというと……
・一般人!?
・配信者じゃなくて!?
・初コラボがそれで良いのか!?
・あ、これテコ入れだな……
……ん?
前回のアイドルを応援してる的な反応じゃないな?
いや、誰でもそんな反応になるだけか……
ってか、初コラボなのかよ!?
「じゃ~、来てくださ~い」
「……ど、どうも……俺の名前は早水 勇雄。……先日"世界ダンジョン管理協会日本支部ダンジョン開拓委員会危険ダンジョン開拓部会S級ダンジョン開拓課S級ダンジョン調査係S級ダンジョン臨時派遣室"に配属された平凡な男だ。……あ、今日はあくまでもプライベートなんで、仕事は関係ないぞ」
……み、ミスった……
何で仕事言ってんだ……
なお、コメント欄は……
・き、聞くからにヤバそうな職場……
・調べたら閑職らしいぞ
・その割に名前から命の危険がプンプンするな
・なお、職場はキャンピングカーの模様
……いや、割と情報出てるんだな?
ってか、思ったより燃えてない感じだな……
「ね~、大丈夫でしょ~?」
「えぇ……いや、炎上しないのか?」
普通、男とコラボって炎上のもとだろ?
なのに、何で平然としたまんまなんだよ!
そう思い、コメント欄を見ると……
・あ~、それ心配してた感じか~……
・ネリルちゃん、推してはいるけどガチ恋はしてないかな~
・というか、俺達は例えネリルちゃんが結婚しても推し続けるぞ
・それが俺達
・私達の
・信念だ!
……うお、マジか……
「いや~、いつの間にか視聴者さんがそんな人しか残ってなかったんですよね~?」
「……最早宗教だな……」
推している人が結婚しても推し続けるという人は少なからず居るだろうが、それが視聴者の大多数ってのは宗教レベルの狂気を感じるな……
「そ~ゆう訳で、今日のダンジョンは2人で挑戦しま~す!」
「ちなみに、今日のダンジョンは中規模なスライムダンジョンだな」
中規模でありながら初心者の練習にも最適なダンジョンらしいのだが、その分素材もしょぼいが……まあ、小銭稼ぎには充分か……
「じゃ~、行きましょ~!」
「お~……」
そうして俺は、スライムダンジョンへと足を踏み入れた。
しかし、この先であんな目に遭うとは……この時の俺達は知らなかったのだった……
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(俯瞰視点)
スライムダンジョンの奥底にて……
ーゴポッ……ゴポゴポ……ザザザ……
"それ"は大きく蠢き、自身の周囲を散策していた。
そして……
ーゴポッ……
「ア……アア……ヒト……トカス……ソノタメニモ……ウエニイク……」
片言の言葉の様な音が鳴り響く中、"それ"は上層を目指した。
ーシュ~……
そしてダンジョンの奥底に残ったのは、辺りの地面や壁が溶解された痕跡だけであった……
ご読了ありがとうございます。
勇雄とネリルのダンジョン挑戦は前途多難……
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




