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妖人帝軍諜報部  作者: ナナイロナイト
グンタイ妖人行方不明事件
12/58

意識外の会話

カナメの夢の中に人間の女が現れた。

バレリーナの格好でクルクルと回っている。

その女が消えたと思ったら、今度は自分の隣に寝かされて、『助けて! 助けて!』と、悲痛な叫びを上げた。

(誰だ?)

カナメはその女の顔をどこかで見たような気がするが、思い出せない。

女がこちらを見た。

『ねえ、ヒーローさん、私を助けてくれるんでしょう?』

頼られても、こちらも身動きが取れない。

再び意識が遠く。


次に意識が戻った時も、まだ朦朧として夢の中のように思えた。

男女の会話が、壊れかけのラジオのように途切れ途切れでカナメの耳に届く。


男の声『××××をどうし××か?』(このものをどうしますか?)

女の声『××の×を××切り落とせ』(左手の指を全部切り落とせ)

男の声『×だけですか?』(指だけですか?)

女の声『そうだ』

男の声『×り落とした×は?』(切り落とした後は?)

女の声『拘×して××に××り×んで××』(拘束して部屋に放り込んでおけ)

男の声『××しま×た』(承知しました)

カナメは、ぼんやりとそれを聞いていた。

(これは夢か(うつつ)か?)

誰が会話しているのだろうと周囲を見ようとしたが、目隠しをされているようで何も見えない。

(……ここは……どこだ? 私は……どうなっている?)

口はテープのようなもので塞がれている。

背中に当たるクッション具合から、手術台のようなものの上であおむけに寝かされているようだ。

胴体と手足はベルトで固定されている。身をよじることすらできない。

(誰に何をされているんだ?)

これから何をされようとしているのか、どうしてこんな目に遭っているのか、さっぱり状況が掴めない。

敵を確認することはできなかったが、モンスもこのように襲われたのだろうと推測できた。

「処置を始める」

男の声と共に、左手小指の付け根がヒヤリとした。冷たいナイフの刃が当てられたようだ。

(何⁉)

容赦なく一気に圧力を掛けられて、カナメの小指はザクリと切り落とされた。

(ウグ……)

反射的に身悶えたが、がっちりと固定された手足は逃れられない。

(やめろ! やめろお!)

口を塞がれて声は出せない。

カナメの様子に男が気付いた。

男の声「動いている。意識が戻ったようです。麻酔を掛けますか?」

女の声「いらない。続けて」

一本では終わらなかった。

薬指、中指、人差し指と、切り落とされていく。

その都度、カナメは必死に抵抗したが何の影響も与えない。

(どうして、こんなことを……)

左半身はクローン臓器なので、痛覚がない。激しい痛みはないが、違和感はある。

このまま右手指を切り落とされたら、失神するかもしれない。

(誰がどうしてこのようなことを?)

実験なのか、それともただの残酷な遊びなのか。


男の声「激しく動いていますね」

女の声「眠らせて」

女の指示で鼻にマスクを充てられた。

麻酔ガスを嗅がせられたのか、カナメの意識は遠のいた。


動かなくなったカナメを見た女は、作戦を実行することにした。

女「私を縛って、同じ部屋に置いて」

男「縛るんですか?」

女「そうよ。一緒に捕まった振りで信頼を得るの」

男「危険です」

女「これがあるから大丈夫」

女は、折り畳み式ナイフと拳銃を見せた。

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