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62.俺のゲームを邪魔するんじゃねぇ。運営に文句言ってやる。



前回までのあらすじ。

ダンジョン外で生まれた魔獣は未だ主人を変更されていない。

命の牢獄に食い倒れが監視にやって来た。

イチニーサンの疑似DPにより購入したアイテムは使用可能らしい。

----------------------------*----------------------------


しん・セイクリア視点



テレビ生中継が終わった後、信は配下のダイヤモンド竜に尋ねる。

彼のダンジョンアドバイザーだ。

DPで宝石竜へと進化させたらしい。



「ダンジョンマスター達の様子はどうなっている?」


「ギャース(ダンジョンの女神が彼らに手紙を渡したようです)」


「その内容は?」


「ギャギャース

(我々が、ダンジョン内で生まれた配下の主人を変更したこと。

またDP使用とDPで購入したアイテム使用を封じたこと。

その2点について伝えたようです)」


「その程度なら想定の範囲内だ。

僕の計画の邪魔にはならないだろう。

ダンジョンアドバイザーは既に投獄しているのだろう?」



ダンジョン外で生まれたダンジョンアドバイザーの主人を、信へと変更することは出来なかった。

なので信の配下は、邪魔にならないようにダンジョンアドバイザー達を閉じ込めた。

ちなみに牢獄は部屋扱いなので壊れたりしない。



「ギャース(しかしダンジョンアドバイザーの1体だけ見つかりませんでした)」


「誰?」


「ギャス(人工音声です)」


「人工音声?」


「ギャーッス(ダンジョンマスターの伊乃田命が所持する、喋るだけの能なし魔獣ですよ。

まあ攻撃手段を持っていないし、放っておいても大丈夫です)」


「そういえば、そんなダンジョンアドバイザーも居るんだったな」


「ギャギャス(ま、脅威とは到底呼べないような存在です)」


「そうだね」



信は監視カメラの映像を見る。

ダンジョンマスター達が檻を掴んで、必死にここから出せと叫んでいる。

21番目の牢獄の映像には、命が横になって寝ている映像が映っていた。



「牢獄の外が恋しいのか、ふむ。

僕は慈悲に満ちているから、彼らには明日にでも牢獄から出てもらおう」


「ギャース?(彼らを逃がすのです?)」


「まさか。一時的に出すだけだ。

暴れられないように手と足に錠をかけて、僕のダンジョンに設置してある教会に赴いてもらう。

そこで牧師様に説教をしてもらう。

汚れた魂を持つ彼らを、少しずつ浄化するために」


「ギャギャス(教会は20人程度しか入れないですよ?)」


「順番に呼んで説教すれば大丈夫だろう。

雇っている牧師様に被害が及ばないよう、しっかり見張るように」


「ギャース(おまかせを)」



すべては順調。

信はそう思った。


だが、もし彼が伊乃田命の情報を詳しく知っていたのなら、監視カメラの画像に疑問を持ったことだろう。

彼がこんな時間に、アイテムを使えない程度でゲームを諦めて寝るだろうか、と。


そして気付いたはずだ。

伊乃田命が寝転がっているこの映像が嘘だと言う事に。

つまり、この21番目の牢獄に設置した監視カメラの映像と音声が偽装されていることに。



◇ ◇ ◇ ◇



・伊乃田命視点


----------------------------*----------------------------

食い倒れと村人Aによる、監視カメラ改造が成功したようです。

他の監視設備は見受けられません。

また、イチニーサンが部屋に防音も施したようなので、大声で騒いでも大丈夫です。

----------------------------*----------------------------


先ほど俺が爪でトランプに書きこんだ注文をこなしてくれたらしい。

これで心おきなくゲームが出来るってもんだ。

監視されたままだと間違いなく目を付けられるからな。


爪で傷ついたトランプを仕舞い、新しいトランプを二―から貰う。



「よーし、イチニーサン、一緒にゲームしようぜ」


「「「イーッ!」」」



イチニーサンが現れる。

さっそく俺達は大富豪をすることにした。



「「「「……」」」」



俺がシャッフルしてると、他の4人のダンジョンマスターが俺の方を見る。



「何だお前ら、混ざりたいのか?」


「おいテメェ。どうしてこんな状況で呑気にトランプやってんだよ。

ってか、その3人の小人はお前の配下か?

どうして洗脳されずお前の言うことを聞いている?」


五島亜理子が尋ねてくる。

説明めんどい。

人工音声さん、代わりに頼む。



「なっ?! 俺の頭に声が聞こえるじゃねーか?!

……ほぅ、ほぅ」



他の4人のダンジョンマスターに人工音声さんが現状説明しているらしい。

む、このままだと俺が大貧民に……。



「イーッ!」


「Kのダブルだと?!

くそ、パス……」


「イーッ!」


「ぬぉおおおお!」



サンが5を出して上がり、俺は負けた。

くそー、大貧民か。



「もう一度勝負だ!」


「「「イーッ!」」」



手札に来た2とジョーカーがイチに持ってかれる。

代わりに4と9を渡される。

むむむ。



「ダンジョンマスターの伊乃田命。

吾輩に力を貸してくれたまえ」


「いや、拙者に協力してほしいでござる」


「ひゃっはっは。雑魚は引っ込んでな。

命、俺に手を貸せ?」


「……ぺろぺろする魚が欲しいの」



ダンジョンマスター達が俺に詰め寄って来た。

俺のゲームを邪魔するんじゃねぇ。

運営に文句言ってやる。


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