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俺と幼馴染みは撤退する

 休み明けの月曜日。

 非常に鬱になる月曜日だが、今日は更に鬱になる出来事が存在していた。

 それは、唐突にやって来て突然始まる。


 風紀取り締まり強化週間。

 学期毎に風紀委員達の集まり、風紀委員集会で先生と風紀委員達が集まり、話し合いを行い、一週間の間、朝から放課後まで校門の前から教室まで、風紀委員が目を光らせ風紀の乱れを徹底して排出するという、風紀委員の活動である。取り締まり対象者は、髪染め、着崩し、カラーコンタクト、化粧等々、学校の風紀を乱すものばかりである。


「あー、だっりぃ」

「私達は自然体なのにね?」

「だから!それが不純異性交遊だと言っています!」


 そう、風紀を乱す(・・・・・)者は全て対象である。ゆえに、彼ら風紀委員は、モテない僻みとして不純異性交遊を禁止するのだ。風紀委員というのが、どんな組織かを説明する言葉は容易い。約七割がリア充を恨むモテない奴らの組織なのである。残りの三割は、貞操観念が美人な風紀委員長につられた奴らな。なにこれ、純粋に風紀を良くしたいと思うやつが一人もいねぇ。つまり、大事な事だからもう一度言うが風紀委員はリア充を恨んでいる。よって、俺達のように男女で登校するだけで不純異性交遊ととられてしまう。


「何て酷い言いがかりなんだ!俺と榊はただ腕を組んで仲睦まじく登校しているだけだと言うのに!!」

「……白々しっ!」


 横で小さく榊が何か呟いているが、突然難聴に襲われて聞こえなかった。俺のしゃべり方が白々しい何て聞こえてない。自分でも薄っぺらな演技だとは思ったが。そもそも、普段としゃべり方が違う時点で痛々しい。が、俺達の前に立ちはだかる風紀委員が普段の俺のしゃべり方を知っているはずもなく、俺の台詞に顔を真っ赤にして、抗議する。


「そーれーが!!不純異性交遊だと言っているんです!だから取り締まりを行います!」

「ちっ!頭の堅い風紀委員さんだ。仕方ない、奥の手を使うか……」

「奥の手…?そんなもので私から逃げられると思っているのですか?」


 何故か、臨戦態勢の風紀委員ちゃん。 律儀に臨戦態勢をとる辺り、案外ノリがいいのかもしれない。背後からゴゴゴという効果音が聞こえてきそうなほどである。だが、俺の奥の手には敵うはずがない。女子には一撃必殺の技だからな……!


「ふっ……。あ、あそこに幸崎が!」

「え、嘘?どこどこ!?」


 あっさりとキャラを崩しながら、キョロキョロと後ろを見渡す風紀委員ちゃん。だが、当然の事ながら、そこには幸崎はいない。これぞ、俺の奥の手。イケメンの名前適当に言って、そちらに意識を集中させ、その間に逃げるというものだ。因みに、これはあっ!UFOだ!の派生系である。人物名、しかも学校内で有名な人間にすることによって、確実にそちらに振り向かせるという効果がある。


「行くぞ、榊」

「あっ、うん。相変わらずせこいなぁ……」

「知的な戦略と言ってもらおうか」


 榊はそう呟くも、風紀委員には付き合っていられないと考えたのか、俺の後ろをついてくる。幸崎?別に犠牲になってもいいんじゃないですか?どうせ、男子の風紀委員に叱責され、女子の風紀委員には囲まれるんだから。まぁ、当然のことながら、彼はこの風紀取り締まり強化週間をスルーできるのだが。何故、スルーできるのか?そんなもの理由は一つである。


「……っち、やっぱ風紀委員腐ってんな」

「…そ、それは言い過ぎなんじゃない?」

「俺は自分より更に叱責される理由を持っている奴が叱責を免れるっていう理不尽が、大嫌いだ」


 俺の嘘が真になってしまったが、ともかく俺の視線の先には、俺の中で話題になっていた幸崎がいる。その周りには取り巻きのハーレム陣共が居て、そのハーレムの中には、何故か当然のように風紀委員の大黒柱、風紀委員長の阿澄(あずみ)(あずさ)の姿が。違うクラスなので分からないが、2年生である。まぁ、それはおいといて、幸崎が許される理由、それは風紀委員長の思い人という免罪符があるからである。いや、正確には阿澄が居るために、周りの風紀委員の男子は、血の涙を飲まざるおえないという事なのだろうが。女子の風紀委員は、幸崎の容姿の為に許してしまうし、俺は取り締まられるしで、俺からすればろくでもない組織なのだ。男子の風紀委員も、その腹いせに俺と会ったときは何故かネチネチ言ってくるし、この一週間はマジで憂鬱なのだ。


「…行くよ、神座」


 その場で思いを馳せ?立ち止まってしまった俺の腕をとって榊はずいずいと校舎の方へと進んでいく。そう言えば、古幡後輩と、楔は大丈夫だろうか。あの二人も地味に女の子連れだしな。楔は去年を経験しているからまだいいとして、古幡後輩は今年が初だもんな。うわ、後輩のこと思ってやるとか、俺なんていい先輩。……今日のこと言わなかった時点で、疑わしいが、忘れていたということで、今日の放課後、古幡後輩を弄ってやろうと思った。因みに、風紀委員ちゃんは幸崎争奪戦に加わってました。あー、早くくたばらないかな、幸崎。




 出来の悪い生徒に合わせた、進みの遅い授業も終わり放課後。

 俺と榊は帰宅部の部室へと向かっていた。

 朝にも呼び止められたというのに、失念していたのだ。

 風紀委員の存在を。


「待って下さい!簪、神座くん!」

「行くぞ、榊」

「え!? 呼ばれてのに無視しちゃうの?」


 やっぱ、返事しないと不味いか。そう思って、後ろを振り向く。本当ならば、待てと言われて待つ馬鹿がいるか、と言って走り出したかったのだが、相手が俺の名前を押さえている以上、所属しているだろう部活も抑えられていると考え、逃げるのをやめる。榊に言われたのが一番の理由だが。


「…何?用事だったら、部活に遅れるからさっさとして欲しいんだけど」

「では。異性不純交遊で取り締まります」

「取り締まるって、何すんの?」


 俺がそう言うと風紀委員ちゃんは、後ろ手から何かの紙を取り出す。恐らく、反省文だろう。全くもって、彼女の思考が理解できない。


「反省文を書いてもらいます」

「断る」

「何故ですか!」


 俺が拒否の意を示すと、大変に憤慨する風紀委員ちゃん。どうやら、理由が分かっていないらしい。やはり、あのグループは外から見れば異常、中から見れば正常ということなのだろうか。もしくは、風紀委員の目が腐っているとか。


「俺を取り締まるより、先にやることがあるだろうが」

「……先にやること…ですか?」

「…あ、分かってないんなら言っても無駄だな、行こうぜ榊。じゃあな、風紀委員ちゃん」

「あ、ちょ、待ってよ神座ー!」


 風紀委員ちゃんが考え込んでいる隙に、榊と共に今度こそ部室へと向かう。俺と平行して歩くところまで来た榊が、顔をこちらに向け下から俺の顔を覗き込んで聞いてくる。そう言えば、結局風紀委員ちゃんは名乗らなかったな。なんだろう、自分の名前知られてるとでも思ったのかな。て言うか、俺の名前誰に聞いたんだろう。同じクラスじゃないはずなのに。


「機嫌悪いね、神座」

「…当たり前だろうが。俺を取り締まりたいんなら、幸崎を先に取り締まってから取り締まれっつーの」

「ま、それはその通りだけどね」


 言ってから苦笑する榊。本当、幸崎を取り締まってからにしろと声を大にして言いたい。ま、言ったところで意味はないだろうがな。阿澄いるから。世の中の理不尽を嘆きながら、俺は部室の扉を開いた。


「うわーん!簪せんぱーい!」


 飛び込んできた後輩をつい避けてしまい、壁に激突させてしまう。…ぶつかりかたが完全にギャク漫画だな……。俺は、ぶつかった後輩を引きずって部室の中へと入った。

第三十三話。

受験勉強に追われ、中々時間がとれませんでした……。

次回の更新目標は一ヶ月以内に出来たらいいなぁ……。

と思っています。

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