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ラフワールの臣下の事情

 「で、ウィンドとグランドは今何歳なんだ?」

 「ん?ああ、俺は24でウィンドは22だ。」

 俺の質問にグランドが答える。

 「お、グランドは俺と同い年なのか!同じ年齢のよしみだ。なかよくやろうぜ。」

 「なんだ、お前も結構ノリがいいんだな!」

 俺とグランドは握手をする。

 「それはいいけれど、救世主なんだから、さっさとサンレイドをサーティアス主導にしてくれよ。その方が面倒ごとが無くて助かるんだから。」

 「悪いがウィンド、それは出来ない。」

 「なんでだよ。」

 「俺はまだウェステリアに行ったことも無いからどうこう言えない。一応、今の段階ではサーティアスに政治を任せて、イースティアに文化財の管理を任せる方が無難だと思って入るけど、ウェステリアがどんな国か分からないのに答えを出すのは早計だと思っている。」

 「一応、考えてはいるんだな。」

 「まあな。それより、お前達はラフワールからイロイロとしてもらったことはあるのか?」

 「ねえよ!」

 「俺達は拒否していたし。」

 「どうしてだ?ラフワールからそういうのをしてもらえるのって最上級の報酬なんだろ?」

 「だってバンが滅茶苦茶睨んでくるんだもん!」

 「そんな状況で楽しむ事なんてできねえよ!」

 「ええ~?俺、普通にラフワールにメッセンジャーしてもらったぞ?」

 俺は自分がしてもらったことを話す。

 「そりゃあ、お前は客人扱いを受けているからな!」

 グランドは羨ましそうに言う。

 「なんだ?羨ましいか?」

 「そりゃあ羨ましいに決っている!」

 「だけどバンに睨まれているからおちおち楽しむことも出来ないから断るしかないんだよ!」

 二人の話を聞いて俺はタオルで前を隠しながら立ち上がる。

 「なるほどな。事情は分かった。ここは俺に任せてくれないか?」

 「本当か!?」

 ウィンドは驚く。

 「それより、なんでタオルで隠しているんだ?もしかしてちいさいのか?それとも被っているのか?」

 そんな中、グランドは下らないことを聞いてくる。

 「違えよ!俺の世界では公衆浴場では立ち上がる時にはタオルで隠すのは一般的なマナーだったからだ!」

 「なんだ。つまんねーの。」

 グランドはつまらなそうに言う。

 「別にいいだろ。それより、そろそろ上がるぞ。これ以上居たら上せちまう。」

 俺の言葉を聞いてグランド達も風呂場から出て着替える。


 「遅かったじゃない。」

 俺達の顔を見るなり、ラフワールは溜め息交じりに言う。

 「いやあ、男同士だったもんで、話がもりあがって。」

 俺は笑いながら言う。

 「どうせ、ラフワール様のことを汚らわしい目で見ていて意気投合していただけでしょ。」

 そんな俺達をバンは汚物を見る目で見る。

 「ん?そうだけど?」

 「ほら、やっぱり!ラフワール様、こんな奴と一緒にいてはいけません!」

 バンはラフワールに進言する。

 「そうかしら?私には面白い戯言たわごとに聞こえるわ。どうせ、武器を持っていない私にすらも勝てないのだから。」

 ラフワールは余裕な表情を見せる。

 「そうだな。俺はおろか、ウィンドとグランドの力を借りても勝てそうに無いからな。だから、頭の中で全て済ませているんだよ。」

 「あら、分をわきまえているのね。とてもいい心がけよ。」

 俺の言葉にラフワールは楽しそうに言う。

 「ラフワール様は警戒心が薄すぎます!第一、男なんてどうせ女の子を傷つけることしか頭にないのですよ!」

 「確かに、バンの言うとおりだ。」

 俺は敢えてバンの意見に賛同する。

 「ほら、この男は私の言うことを認めました!やはり男なんてこの世界にい要らないのです!」

 バンは誇らしそうに言う。

 「そうかしら?私には面白い珍獣に見えているからいてもいいと思うわ。それよりバン、今日はこれから二時間、レイと話をしてみなさい。きっと面白い意見が聞けると思うわ。」

 そんなバンにラフワールはちょっとした提案を出した。

 「ラフワール様、私を男と二人きりにするつもりですか!?」

 バンは慌てふためく。

 「あら、私の命令が聞けないのかしら?」

 ラフワールはめちゃくちゃドSチックな顔で返す。

 「…分かりました。」

 バンはラフワールの顔を見るなり、恍惚とした表情で返答した。

 「というわけだから、グランドとウィンドは私の護衛をお願いね。」

 「解りました。」

 「付き添い致します。」

 ラフワールはグランドとウィンドを連れて旅館側の部屋へ向かった。

 「…あんた、あいつらから何を吹き込まれたの?」

 口を開くなり、バンは俺を睨みながら言ってくる。

 「お前の過去。」

 俺はぽそっと言う。

 「ちっ、あいつら、何勝手なことを言ってくれたのよ。」

 バンの言葉には憎しみが込められていた。

 「そうよ男なんて、みんなあいつと同じで、汚らわしい汚物でしか無いに決まっているわ!それで何?私のことを馬鹿にしたいの?それともあの男と同じでメチャクチャにしたいの?」

 「いいや、別にバンのことなんてどうでもいい。」

 「は?この話の流れでどうして?」

 「いいか?俺は自分が楽しければどうでもいいが、他人が不快な感情を見せているのは不愉快だから嫌なんだ。だから、バンのことなんてどうでもいいんだ。下手に絡むと厄介だ。だったら、何とも思わない方が楽なだけだ。」

 「それ、本人の前で言う?」

 「だって直接言わないで変に不審がられるより、はっきり言う方が楽だもん。俺はバンの事はなんとも思わない。だからバンも俺のことはそこら辺の観葉植物だとでもおもってくれ。その方がお互いに不快な思いをしないで済むだろう。」

 俺はバンに提案した。

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