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第81話  私、若君を説得する

 若君と話すのも挨拶以外では久しぶりである。

 私としては今回のようなことがない限り、若君とはなるべく距離を取りたいと思っている。

 ただの友として接っせられたならば、学べることが沢山あろう。

 しかし、他の分家の神経を逆なでする行為は控えねばなるまい。

 いらぬ波風を立てる気はないのである。

「晶露と外出したいと聞いたが?」

 晶露様の部屋で夕食後のお茶を頂きながらの話し合いである。 

 なお挨拶は無用ときっぱりと切り捨てられた。

 ちなみに、夕食は通常家族みんなでいただくのが一般的だと思うが、晶露様は平日は私と自室で食す。

 先日の晶露様の言から、土日は家族で食べるらしい。

 ならば、平日もと思うが、突っ込みづらいので、疑問は疑問のままである。

「はい。ロウの力の底上げが出来る可能性がありますので、試してみたいと思いまして」

 そう、パワースポットなる場には清浄なエネルギーが満ち満ちている可能性があること。

 そこに妖精であるロウを連れていった場合に、ロウの力の底上げ、新たな力の発現が見込まれる可能性があることを前面に押し出す。

 予告通り、ロウをだしにさせてもらった。晶露様をお連れするならば、私ではなく晶露様の眷属になったロウを理由にすべきである。

 そのロウはと言うと、テーブルの上で、ホットミルクを愛用のおちょこで飲んでいる。

 うむ。口出し無用と言っておいたからな。ちゃんと守っていてくれているようである。

 単に、ホットミルクに夢中なのかもしれぬが、それはそれで構わない。

 私の隣には、晶露様。晶露様はいつも通り、静かに私たちの話をきいている。

 3歳ならば、退屈で騒いでもよさそうであるのに、自分が遠出できるか否かがこの話し合いにかかっていることを理解しておられるのだろう。これはロウとは違い確信である。

「ロウが今よりも何かできるようになれば、将来晶露様のお力になりましょう」

「それが、このパワースポットに行けば、成せると?」

 若君も私に負けず、疑わしさを前面に出しておられる。

 であろうと私も思う。

 しかし、可能性はある。微々たるものであってもだ!

 ならば、試す!これ一択であろう!やらねば何も得られないのであるからな!

「若君、折角ロウという希少な妖精を得られたのです。その価値を高めずしてなんとしましょう!眷属の能力が上がれば、きっと主人である晶露様の能力にもよい影響がでるでしょう!」

 私は自信満々に述べる。

 すべて仮説であり、推測の域をでない。そして根拠もまったくない。

 が、さも私はその考えが天から降ってきたように話を大げさに述べた。

 決して嘘は()いていない。

 ただ若君たちが私に巫女の素質があるとの考えを少し刺激しただけである。

 とにかく許可してもらわねばならぬ。

 なぜなら、私の異能の底上げが、かかっているのであるからな!

 結局は自身の為か!との、諸君の指摘が聞こえてきそうである。

 その通りである!しかし、上記に記した可能性もある!

 皆が能力の底上げができれば、ウインウインであろう!

 そうなれば、私とて、一族の役立つ見込みが出てくるのである。

 私がそうしたいかは、また別であるがな!

あと少しでふり返り終了。

いつもお読みいただきありがとうございます!

少しでもおもしろいっと思っていただけましたら、ブクマ、評価をどうかよろしくお願い致します。

励みになります~。

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