表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
42/66

第42話 私、大いに肩の力をぬく

「はああああああ」

 部屋に入った途端、幼児がおよそ吐かないだろう特大ため息。失礼した。

 が、許して欲しい。これを吐かねばならぬほどに緊張を強いられていたのである。

 なんとも親父臭いが、とめることはできなかった私の心情を察して欲しい。

 (前世で)取った杵柄で、好配の儀では、大見得を切った。

 切らねばならなかったのである。

 戦わずして負けは認められないのである。

 しかし、大舞台を下りれば、所詮私はまだ5歳である。

 腑抜けるのも致し方ないのである。

 本来私が本家本宮家に来た目的は、遠距離ドライブを楽しむ為、そして本家での豪華な食事目的であった。

 初の遠出のおでかけ、初本家訪問、そしておいしいご飯を食べて帰宅。

 この予定だった筈である。

 分家序列最下位の我が家である。

 それらの楽しみが分相応であった。

 なのにー。

「ねえさま!」

 元気な呼びかけとともに、胸に飛び込んで来たのは、本家若君の弟君であられる晶露様である。

「おつかれさまでした!」

 避けられるとは露とも思っていない、この信頼。

 短い間になぜにこうも獲得できたのか。

 それはさておき。

 腕の中にいる3歳をぎゅっと抱きしめる。

 あ~、癒やしである。

 全方位より敵意を全開で向けられた後、この子のぬくもりは癒やし以外の何物でもない。

 今はこの信頼を甘んじて受け入れよう。

 疲労困憊の私には必要なものであるからな!

 なぜここに当然のように彼がいるのかは不問とするのである。

 それは私が考えるべきことではないからである!

 ここに滞在するのも後わずか。

 癒やしを十分に堪能するのである。

「ありがとうございます。晶露様もお疲れ様でした」

「はい!」

 は~。可愛い。

<我が輩もがんばったのである。褒めてもよいのだぞ>

 晶露さまの頭上にちょこんと埋もれる、ロウが偉そうに要求してくる。

 白フクロウの雛、実体は生まれたての妖精である。

 元はといえばだなっと文句の1つも言いたいが、そのふんぞりかえる姿もまた癒やしになっており、(いきどお)る気持ちが端から消えていく。

 疲れもそれに一役かっている。

<ああ、ロウも厳しい視線の中、よく我慢したな>

 と、エルフ語で褒めてやる。

<だろうとも>

 もう少し謙虚な気持ちを教えねばなるまいが、今はおいておく。

 疲れて居る時に、指摘してもろくなことにはならないのである。

「ソファに座って、お茶を飲みましょう」

 私はそっと晶露様の身体を離すと、手を繋いでソファへと歩く。

 一息つかないとやってられないのである。

 そしてなぜか座らずに、ソファの後ろに立つ、父がいた。

 おそらく、晶露様が座っていたソファの後ろに立っていて、私が部屋に入ってからもそのまま待機していたのであろう。

 なぜに出迎えてくれなかったのか。

 まだ、晶露様にたいして緊張しているのか?

 はあ。今は突っ込むまい。

「父、座って一緒にお茶を飲もう?」

 ただお茶を誘うのみに留めよう。

「あ、うん!」

 父は私がそう誘うと、ホッとしたように頷いた。

 私の疲れに感謝するのである!父!色々スルーしてあげたのだからな!

本日2話目。

いつもお読みいただき、ありがとうございますv

もし少しでも続きが読みたいっと思っていただけましたら、☆をぽちりとお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ