第132話 私、魔法陣を前に意気込む
現在日付変わって、日曜日。
朝食を食べて、食後のお茶を済ませたところである。
昨日、私が描いた資料は手元に戻ってきている。
ついでに、松也さんもお戻りである。
さあ、お勉強も済ませて、いざ魔法陣の考察である。
私と晶露様、ロウ、松也さんら、本家子分ズ、そして嫌がる母を連れて、居間へと移動する。
父は日曜日であるのに、今日は仕事があると、会社へと行ってしまった。
そういえば、昨日も不在であった。
母は、父の後ろ姿を恨めしそうに眺めて、見送っていた。
後で、夫婦間で、不和がおこらなければよいと思うばかりである。
私は居間のテーブルに、魔法陣が描かれたケント紙を広げた。
魔方陣。
昨日、「黒き森人の井戸」にて発見したものである。
私は昨夜、晶露様と眠りにつきながら、ふと気づいたのである。
これは天啓ではないか?
私は気の量が圧倒的に少ない。
色々実験することもできぬほどに、微量である。
両親にはその微量もない。無能力である。
そこから生まれ出でた私に、能力があっただけでも、本来は重畳なのかもしれない。
しかし、あるだけ。
それだけで活用できないのは、非常に、非常に!遺憾なのである!
ゆえに。私はなんとかしてそれを増やそうと、パワースポットなる場に赴いて、そこから良気を分けてもらい、気の量を増やそうとしていたのであるが。それは失敗に終わった。
ゆりのきの巨木から得た気は、すべて抜けてしまった。
誠に遺憾である。
だが、ここに来て魔方陣が見つかった。それも空想上のものではなく。
実際に稼働している魔方陣である!
これが天啓でなくて、なんとしよう!
自身の気を増やすのに、魔方陣を使用せよと。
そう、神が示されたのではないか!
前世の神か、今世の神かは、不明である。
今世の神ならば、さてどちらの神かとも思う。
この日本において神は八百万いるらしいのである。
日本だけで、である!
少し多すぎるのではないだろうか!
話を戻そう。
天啓を与えたもうた事には感謝したい。
が、しかし、この天啓。少々意地悪である。
皆も、お気づきであろう。
そう魔方陣なのである。魔力をもとにして、稼働するのである。
私には現在、魔力はない。その為魔方陣を利用するにしても、アレンジが必要になってくるのである。
魔方陣の専門家ではない私が、魔方陣をアレンジして使えるのか?
気が遠くなる話である。
が、私は諦めてはいない。
なにせ、私は若い。というか幼児から少し飛び出したくらいである。
学ぶ時間はかなりある。
しかし、惜しむらくは、教材の不足である。
魔力。
私が生まれた日本では、魔素が希薄である。
だから気を使っての妖退治が、発展したのだろう。
魔を聖で滅する。順当である。
思えば、前世での戦いは、魔を魔で制すが主流であった。
魔物が跋扈していた前世。だからか魔素が豊富にあったし、人間も魔力を使える者が多かったのである。
前世と現世で共通していることは、聖なる力を使える者がマイノリティーであることであろう。
況してや現世日本では魔力を使える者はいない。いや、断言すべきではないが、魔を帯びている者は忌避される傾向にあるのではないか?これについても調べねばなるまい。
話がずれてしまった。
今は目の前の魔法陣に集中するのである!
きっと我が異能の向上につながると信じて!
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