第130話 私、エルフの知識に期待する
「ロウ!もっと詳しく正確に教えてほしい!」
私はぐわしとロウを両手で捕まえると、揺さぶった。
「ぎゃっ!なにをする!はなせ!」
揺さぶられて目を回す。ロウ。
見かねた晶露様が、私の手をやんわりと掴む。
「ねえさま、おちついてください。ロウがくるしがっています」
「ああ、申し訳ございません」
5歳才児に諭されてしまった。
私は少し冷静さを取り戻す。
「ロウ、すまなかった。つい、ロウのエルフの知識に、興奮してしまった」
少し大げさに褒めておこう。その方がするっと妖精の共通知識も出やすくなるだろう。
「ふふふ。俺は英知の塊だからな!もっと頼るとよい!」
むんと、胸を張るロウ。
「そうさせてもらおう!その英知をどうか私にもっと示してほしい!この魔方陣のどこが、浄化する意味を表すのか?この陣は単一の機能しかないのか?」
さあ、妖精の根底にある知識を私に示せ!
「うーん。こうふわっとなんとなく?そう感じたって感じだな!」
漠然過ぎる!私は思わず顎を落とした。
落ち着け。もう一度丁寧に聞くのである。
「ロウ、もっとこう具体的に言ってくれまいか?日本語が難しければ、エルフ語でもいいぞ」
「いや、言葉は大丈夫だ。けど俺にはそれ以上の説明はできない」
「そうなのであるか」
期待をさせておいての、この落とし。
ダメージが倍加である。
ロウは思考ではなく、感覚派なのだろう。
それともエルフの共通知識がそうなのか?
ロウは妖精となったのはつい最近である。知識の共有は不完全なのかもしれない。
そう思いたい!もっと成長すれば、具体的な知識を披露できると!
どちらにしても、今はこれ以上得られそうもない。
くそう。
私の前世の知識もそれほど深くない。既存の魔法陣を使うばかりであったからな。
この魔方陣の解明には、少し時間がかかりそうである。
ロウは頭に浮かんだことのみを話するだけw
補足として、妖精は誕生した瞬間からエルフ語ができ、妖精としての知識も芽生える。




