第11話 VSガーゴイル
「大車輪!!」
槍を振り回しながらなるべくガーゴイルの正面に入らないように突撃していくユウリが、周りのインプごとなぎ倒していく。
「ローリングソバット!」
エリーの横からの強烈な後ろ回し蹴りがガーゴイルの横面を捕える。
「グォオオォオォオオ!」
二人の強力な攻撃に怒号を上げるガーゴイルが、ユウリが蹴散らした分のインプを再び自分の周りに呼び寄せつつ、トウマに向かって長い爪で攻撃してきた。
「パリィ」
ユウリとエリーが攻撃し、トウマがガーゴイルの攻撃を受け流す。
3人の戦術は、完全に噛み合っていた。
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「トイさんはこのまま全体の指揮を。
僕たちはこのままガーゴイルを仕留めます。」
インプと思ったらガーゴイルだった。
そんな事態にあっけにとられていたのもつかの間。
トウマは周りに素早く指示を出し始めた。
「ガーゴイルの爪と角の攻撃は強力だ。
その代わり、物理的な攻撃がほとんどだ。
僕を中心に、左前にユウリ 右前にエリー 僕の後ろにカナとアリス様でお願いします。
ユウリとエリーは、なるべくガーゴイルの死角から攻撃してくれ。」
「私も戦闘に参加していいの?」
トウマの陣形にアリス姫が尋ねる。
「ダメといっても参加するのでしょう? それならば、最初から回復のできるカナの近くにいてもらった方が安心ですよ。」
「ちょっと待ってくれ。 全体の指揮は俺の役目だろう。」
言葉使いを取り繕わずに、トイがトウマにストップをかけるが、トウマは取り合わない。
「だから、トイさんは、全体の式をお願いします。遊軍として、僕らはガーゴイルを仕留めます。」
全く取り合う気のないトウマに、トイは盛大な溜息をついた。
「アリス嬢といい、君といい、大人しそうな顔をして、とんでもないな。
わかった。
そっちは任せる。
危なくなったら、すぐに呼んでくれ。」
トイの了解を得、トウマ達は、ガーゴイルに戦いを挑んだ。
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最初、トウマ達は、予想以上にてこずった。
ガーゴイル単体もやっかいだったが、ガーゴイルが、常にインプを3,4対周りに呼びつけるからだ。
1匹1匹は大したことはないが、倒しても倒しても現れるため、ガーゴイルへの攻撃が出来ないのだ。
ガーゴイル自体の攻撃も強力だ。
ガーゴイルの攻撃は、トウマが一身に背負っていたが、1撃でも喰らったら致命傷になってしまうため、攻撃を受け流すのが精いっぱいだった。
ガーゴイルに対する有効打がここまで一撃も無かった。
このままじゃキリがない。
そんな悪い流れを変えたのは、ユウリだった。
「みんなインプは俺に任せろ。 みんなはガーゴイルに集中してくれ。」
「全員で倒してもキリがないのに、あんた一人でどうするの?」
インプに攻撃をしながらエリーがユウリに向かって叫ぶ。
「まぁ、見ててくれよ。たぶん、いけるから。」
インプを倒したエリーが一旦下がると、トウマが、一度、大きくタメを作り、インプに向かって攻撃を仕掛けた。
「大車輪!」
ホブゴブリン戦で見せた、ユウリの槍技が、あっという間にインプをなぎ倒していく。
あっという間の出来事に、ガーゴイルから指示するインプの補充が追いつかない。
インプが撲滅したと見るや、エリーがガーゴイルに向かって右腕を振りぬいた。
「せやっ」
ガーゴイルの左頬をぶち抜いたその拳が、ガーゴイルに始めて与えた有効打だった。




