第10話 インプの指揮官の正体
僕は インプ退治って聞いていたんだが・・・・
今、目の前にいるのは、どう見てもガーゴイルだなぁ。
ホブゴブリンとどっちが強いかなぁ。
何がどうしてこうなった!?
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「私もトイと一緒に行きます」
アリス姫の発現に、場がざわついた。
トウマには、その後の展開が想像がついた。
綺麗な顔に似合わず、思ったよりもお転婆姫だと、トウマはアリス姫を再評価した。
「トイ、あなたは私の護衛も命じられたのでしょう? それならば、私とあなたは近くにいるべきです。
それに、私をここまで護衛してくれた者どもは、彼ら4人だけでホブゴブリンを屠った優秀な方たちです。
きっと、彼らは戦力の上乗せになってくれます。」
あれ、アリス姫、ハヤトの存在をなかったことにした?
そんなにお留守番がイヤなのかな。
慌てた様子のトイが
「ちょ、ちょっと待ってください。そんなことをしたら、私が父上に叱られてしまいます。」
トイの懇願など、アリス姫には全く効き目がなく、
「いいから私を連れて行きなさい。」
の一言で、会議は大勢は決まったのだった。
最初に会った時は、もっと大人しくて清楚な姫だと思ったのに、活発さでいったらエリーといい勝負だな。
思わぬエリーの押しの強さに、隣にいたエリーはクツクツと笑っていた。
アリス姫たちの後ろにいたユウリやカナの方が、よっぽど驚いているように見える。
まぁ、いくら強いと言っても、インプ程度ならなんとかなるだろう。
そう楽観していたトウマは、
つまり油断していたことに、大きく後悔することになる。
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結局、トイと数名の兵士、そしてアリス姫とトウマ達が指揮官討伐に決まった。
いくら多少強いとはいえ、所詮はインプ。
トイ一人で何とかなるだろうという雰囲気だった。
やはり、トイはずいぶんと信頼されているようだった。
腹をくくったトイが、半ばヤケクソになっていたのも影響はありそうだ。
トイを最初に見たときは、真面目そうな人物だと思ったが、思っていたよりノリが良い人物なのかもしれない。
会議の最後の方は、口調もかなり崩れていた。
作戦としては、まず、トイを中心に全軍突撃。
雑魚は兵たちに任せ、あず、指揮官を叩く。
指揮官を倒した後に、全体を撲滅。
そんな感じ。
作戦というと聞こえが良いが、ようは、全員で突っ込んで、まずはボスを倒しちゃおうぜ、ってノリな感じだった。
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結局、すこし開けた平地で、インプ達と対峙することになった。
残党という割には、思ったより数が多い。
こちらの兵も、大半は反乱討伐のため王都に戻ってしまっているので、油断は出来なさそうだ。
「全軍突撃!!」
「キキキーー!!」
トイの号令に合わせて、インプ達も突撃してきた。
思ったより数が多いので、今の時点では、相手の指揮官の姿は見えない。
しかし、予想以上に守りの薄いインプ群に対し、トイ軍はぐんぐんと前進していった。
どんどん前へ進むトイから少し遅れて、申し訳程度に、戦闘に参加するトウマ達だが、ホブゴブリン戦を経て、明らかに調子が良く、
ユウリ、トウマ、エリーの3人は、一撃でほとんどのインプを倒してしまっていた。
あまりに簡単に事が進むので、拍子抜けしつつも、トウマの頭の片隅に嫌な予感がよぎっていた。
そして、間もなく、その嫌な予感が実現することになる。
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「そろそろ敵指揮官が見えてくるころだな」
やや進軍の速度を落としたトイに、トウマ達が追いつくと、トイがこちらを振り向いてそう呼びかけた。
確かに、インプ達の奥に、ちらちらと色が違う個体が見えてきた。
色だけじゃなくて、サイズも少し違う気がするのは気のせいか。
そう思った矢先、敵指揮官までの道のりの間にいたインプ達が左右に分かれ、指揮官がこちらに向かって突撃してきた。
目の前まで来た、相手指揮官を見て、トウマ達は茫然とした。
それは、どう見てもインプ強化版ではなく、強靭な体をしたガーゴイルだった。。。
アリス姫の そしてトイの地の性格がじわじわと出てきます。
アルト王もまだまだこれからです。




