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転生忍者天外屋法市  作者: 萩武


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33/33

第33話 プチ笑撃!くノ一の弥生対武器オタク女子の潤子

 超能力者達の交流戦第4試合目。

 4番手はくノ一の久野井弥生と武器使いの武倉潤子だった。

 久野井弥生は自分の予知能力を使ったが勝負がどうなるのかわからなかった。

 相手は強敵だ。

 どうやら相手は武器の使い手みたいだった。

 赤い忍者服の弥生に対して武倉潤子はピンク色を使った迷彩服を着ていた。

 弥生はテレパシー能力をフルに使うことにした。

 潤子は金髪のポニーテールの髪型が似合う美人だった。

 潤子は不敵な笑みを浮かべると腰のベルトに下げていた銃を取り出して構えた。

 潤子は銃を撃つと見せかけて背中に背負っていたブーメランを投げてきた。

 金属製のブーメランがヒュルヒュルと金属質の音を立てながら怪鳥のように弥生めがけて飛んできた。

 弥生がブーメランをかわすと同時に潤子は銃を撃ってきた。

 弥生は超人的な視力を持っていたので弾丸でも止まって見えるのだ。

 赤い色の弾丸は弥生の顔近くをかすめた。

 それは匂いから判断すると多分退魔砲から出た物だろう。

 赤い色の弾丸は空中で破裂した。

 何か意味があるのだろうかと弥生は思った。

 退魔砲とは超能力等の力を無力化する銃だった。

 弥生は素早く走りながら相手の考えを読んだ。

 相手は心の中にバリアを張っており簡単には読めなかった。

 思考の欠片みたいなものがキャッチできた。

 なるほどね。銃には殺傷能力はないようだけど、恐らく銃は対異能者用の物みたいねと弥生は思った。

 「ちょっと、あんたさあ、日本で鉄砲ぶっ放してもいいと思っているの?」

 弥生が笑いながら言った。

 「何言っているのよ。あなた。この銃には殺傷能力はないわよ。安心してよ」

 潤子がニタニタ笑って言い返した。

 弥生は白いボールを手にすると潤子めがけて投げつけた。

 潤子が靴先に刃物の付いた靴で蹴り上げると白いボールは破裂して白い粉が飛び散った。

 「何よ、これ?」

 潤子が変な顔して言った。

 弥生は背中の忍者袋から鎖鎌を取り出した。

 弥生は右手で鎖分銅をブンブン回しながら左手に鎌を持って構えた。

 ブンブン回る鎖分銅を見ていると次第に眠くなっていくのだ。

 鎖分銅を使った催眠術だった。

 そのせいか潤子は何だか眠気を感じてきていた。

 弥生はタタタと走りながら分身の術を使った。

 一人二人三人と弥生の数が増えていき十人で潤子を囲んで一斉に手裏剣を投げた。

 潤子は手裏剣をかわしながら腰に下げた左右の銃を抜くと弥生めがけて撃ちまくった。

 銃から出た弾丸は空中で破裂していった。

 潤子はクルクルと銃を回して腰のベルトに収めるとニヤニヤ笑いながら背中から刀を抜いて構えた。

 突然白い煙とともに弥生の姿が消えた。

 次の瞬間、空から鎌を持った弥生が潤子に襲いかかった。

 潤子は刀で鎌を受けると力いっぱい振り払った。

 弥生と潤子は間合いを取って睨み合った。

 「どうでもいいけどさあ、あんたね。刀なんか振り回していいと思っているの?銃刀法違反でしょう」

 弥生が理屈っぽく言葉で攻めた。

 「何言っているのよ。これは模擬刀よ。まあ、私が念を込めれば真剣化するけれどね。あんたこそ何よ。鎌なんか振り回してさあ。危ないじゃないの。刃物でしょう?」

 そう言うと潤子がツカツカ歩いてきて弥生を手招きした。

 潤子が刀が模擬刀であることを弥生に確かめさせたのだ。

 「あなたね。農作業する時には鎌を使うでしょう。それが駄目なら野菜を食うな」


 弥生の言葉に潤子がニタニタ笑って言った。

 「あなた、理屈っぽくて面白いわね。ちょっとダジャレで勝負しない?」

 「はあ?」

 「あら、アラスカでもあらすか」

 潤子がダジャレをいきなり言ってきた。

 「見て!シャチがしゃちこばっているわ」

 弥生が言い返した。

 「あのさあ。話は変わるけど。あんた私と漫才コンビ組んでやってみない?私達なら美貌とダジャレトークでお笑いコンテストの一回戦くらい突破できるんじゃないかしら?」

 潤子はそう言うとケタケタ笑ってみせて、飛び下がって構えた。

 「あの二人は一体何やっているのですかね?」

 天野が異能に訊いた。

 「格闘漫談かな」

 異能が笑った。


 弥生は複数の手裏剣を潤子めがけて投げた。

 潤子が刀でそれらを弾き返していくと白い粉が飛び散った。

 弥生は背中の忍者袋から吹き矢を取り出して潤子に向けて複数回吹いた。

 吹き矢の矢の先には白い玉みたいな物が付いていた。

 潤子は嘲笑いながらそれらを刀で叩き落としていった。

 潤子がそれらを叩き落とす度に白い粉が飛び散った。

 潤子は腰に巻いていた鎖を外すとグルグルと回し始めた。

 その鎖は電気を帯びているようだった。

 電気鎖だった。

 ビリビリと電気が流れていた。

 感電したら大変である。

 潤子が振り回す電気鎖をかわしても鎖からビリビリと電気が流れてきた。

 弥生は電気クラゲに刺されたような痛さを感じた。

 「そっちが電気鎖ならこっちにも考えがあるわ」

 弥生はオレンジ色の電気ボールを手の平で作ると潤子めがけて投げて叫んだ。

 「忍法エレキテル!」

 潤子は電気鎖で電気ボールを弾き返した。

 弥生と潤子の間に電気が流れまくっていた。

 どうやら二人とも同じことを考えているようだった。

 相手を眠らせる作戦だった。

 弥生は潤子の考えを読んでいた。

 潤子が振り回す電気鎖をかわしながら弥生はチャンスを待っていた。

 電気鎖が弥生の頭の上をかすると、熱を感じて電気が流れているのがわかった。

 潤子の目が虚ろになったように見えた。

 眠り薬の効果が出てきたようである。

 弥生は白いボールと手裏剣と吹き矢の矢の先に付いた玉に催眠効果のある物質を付けていたのである。

 白いボールと手裏剣と吹き矢の矢の先に付いた玉が叩かれる時に催眠効果のある物質が飛び散るというわけである。


 弥生は高く飛び上がって潤子の背後に回った。

 潤子は電気鎖を放り投げて素早く振り向くと弥生に蹴りを入れた。

 弥生は潤子の足を持つと宙高く放り投げた。

 潤子はクルクルと回って着地した。

 潤子はかなり眠くなっていたようだ。

 潤子はここで眠り拳を使ってきた。

 眠りながら相手を倒す拳法だった。

 潤子はユラリユラリと動きながら右回し蹴りで弥生を襲った。

 弥生は蹴りをかわして叫んだ。

 「久野井忍法天地返し!」

 潤子が逆さまになったまま空中に浮いた。

 弥生がハンカチを潤子の口に当てた。

 ハンカチには眠り薬がしみ込んでいたのだ。

 潤子はもう眠っていた。

 「久野井忍法眠り姫!」

 弥生がそう言った時、突然潤子が目をかっと見開くと弥生の手を掴んで電気を流した。

 「引っかかったわね」

 潤子はそう言うと再び眠りに落ちた。

 電気の供給元は潤子自身だったのだ。

 弥生はビリビリと電気を食らって意識が朦朧としてきた。

 弥生は勝ったと思って油断していた。

 潤子は電気使いだったのだ。

 潤子がゆっくりと地面に落ちると弥生もゆっくりと倒れた。

 弥生も眠りに落ちていた。

 潤子が銃を撃ちまくったことで弾丸に入っていた眠り薬が飛び散って効果を発揮したのだ。

 潤子は闇雲に銃を撃っていたわけではなかったのだ。

 最悪でも引き分けに持っていくために催眠効果を持つ弾丸を撃っていたのである。

 この試合は弥生と潤子がともに催眠の術で眠りに落ちた結果となった。

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