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転生忍者天外屋法市  作者: 萩武


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第1話 天野悟と天外屋法市

 K市の繁華街を天野悟が歩いていた。

 その時、強い揺れが発生した。

 激しい地震だった。

 近くの高層ビルがぐらりと揺れた。

 地震の揺れで水道管が破裂してマンホールの蓋が飛んできて、天野の頭にぶつかった。

 天野はその衝撃で意識を失って倒れた。

 その後救急車で近くの病院へ彼は運ばれた。

 天野は病院のベッドで眠っていた。

 『俺は死んだのだろうか?』

 朦朧とする天野の意識の中に一人の男が現れた。

 『俺は幽体離脱者である。天外屋法市という超能力忍者だ。天外屋法市というのは俺の主体の中の一人だ。おまえが気にいったので、しばらくおまえの中にいることにする』

 『何なんだ。こいつは。言っている意味がわからん。幽体離脱者って何だよ。超能力忍者って何だよ。漫画の見過ぎか。幽体離脱者って何ですか?幽霊みたいなものですか?』

 天野は眠りながらも無意識に意識の中の何者かにそう語りかけた。

 『幽霊みたいなものだが、ちょっと違うかな。ある種のエネルギー体みたいな物だな。肉体に別れを告げてあの世へ行く途中なんだが、おまえがさっき事故で倒れるのを見て少し寄り道しようと思ったのさ』

 『寄り道ってどういうことなんですか』

 『うん、あの世へ行く前に天外屋法市というキャラクターで遊びたくなったのさ』

 『何なんですか。あなたは』

 自分の名前を呼ぶ母親の声で天野は目を覚ました。

 「悟、良かった。目を覚ましてくれて。お母さんは心配で仕方がなかったんだよ」

 母親の美里が涙を流して言った。

 父親の博も黙って頷いていた。

 「大学には事故にあったのでしばらく休むと伝えといたわ」

 天野悟は大学三年生であった。

 そろそろ就職を考える時であった。

 天野は中肉中背で運動神経は良かった。

 武道が好きで柔道や拳法を少しやっていた。

 『夢の中で超能力忍者とか言っていたな』

 忍者とかの存在には興味があったが、日本の男性ならみんな興味があるだろう。

 現実的には忍者なんていないし、いてもエンターテインメント的な存在だった。

 今は現実を見て何の仕事をするか考える時だった。

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