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107.島への上陸

 私達は、騎士達とともにハールース島に向かっていた。

 エルーシャさんとレイオスさん、マルギアスさんにドルギアさん、面々が島に向かう船に乗っている。いよいよ、ルミーネと決着をつける時がやって来たのだ。


「レイオスさん、それではルミーネはグーゼス様の命が奪われる場にいたのですね?」

「ああ、そのようだ」


 私は、レイオスさんからグーゼス様の最期について聞いていた。

 どうやら、その場にルミーネがいたようだ。恐らく、彼女はそこで何かしらの細工をしたのだろう。


「混乱の最中、グーゼス殿下の遺体は行方知らずになったらしい。もっとも、現場はひどいものだったため、その事実はそれ程重要視されていなかったようだが……」

「なるほど、彼の遺体はルミーネが連れて行ったという訳ですか……」

「恐らくそうなのだろう」


 ズウェール王国は、ひどい形で崩壊した。

 その崩壊の影で、ルミーネは暗躍していたようである。

 彼女が何故、グーゼス様を実験体に選んだのか。それはわからない。

 だが、彼女は彼を連れて行ったのだ。そして、改造したのである。


「……あの島か」

「ええ……」


 そこで、私達は船の行き先に島が見えていることに気づいた。

 あそこがルミーネのいる島、ハールース島だ。

 私は、ゆっくりと深呼吸をする。これから始まる戦いに備えて。




◇◇◇




 私達は、ハールース島に上陸した。

 島に着いて最初に思ったのは、静かだということである。

 人が住んでいるような気配はない。無人島だったということなので、それは当たり前のことだろう。

 ただ、その静けさが、今はこれから起こる戦いの予兆であるような気がした。嵐の前の静けさとでも、いうべきだろうか。


「さて、行くとするか……お嬢ちゃん、準備はいいか?」

「あ、はい。いつでも大丈夫です」

「よし、お嬢ちゃん達は俺達の中心にいてくれ。お嬢ちゃん達が、今回の作戦の要だ。俺達騎士が、体を張って守ってみせる」

「……よろしくお願いします」


 私とレイオスさんとエルーシャさんは、騎士達に囲まれる。いつ敵が来ても守れるように、この配置のようだ。

 ルミーネに対抗できるのは、私しかいない。そのサポートができるのは、部下であった二人だ。

 そのため、この配置になったのだろう。騎士達は、命がけで壁となってくれるのだ。

 その覚悟に、私達は応えなければならない。必ず、ルミーネの凶行を止めるのだ。


「二人も、よろしくお願いします。必ず、ルミーネを止めましょう」

「ええ、もちろんよ」

「ああ」


 私達は、ゆっくりとハールース島を進んで行く。各々、これからの戦いに気を引き締めながら。

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