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追想の逆行 3
「理由があればいいんだな?」
「そうですよ。 正当な理由があるのならですが……」
何か企んだと、顔が語る。
それはグレイの前では決して吐いてはいけない言葉であった。
「その執事は確か有名な聖騎士だったよな? 名前は忘れちまったが良く知っている。 聖騎士であるにも関わらず戦場から逃げ出した無能な騎士だとな! そんな奴を仕えているお前との婚約など破棄されて当然だ。 この国の恥晒しが!」
「あんたグレイに向かってなんて事をーー」
あまりにも腹が立ち、殴りかかろうとしたのだがグレイに静止させられた。
「いいのですよお嬢様。 本当のことですから」
「だってそれはあなたのせいじゃないでしょ!」
グレイの為に私は怒っていた筈だ。
それなのにグレイは、私を慰めて頭を撫でていた。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました!
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