0062エピローグ
(エピローグ)
地獄の期末テストをどうにか赤点食らわず切り抜けて、俺たちは晴れて無罪放免、楽しい夏休みへと突入した。
とはいえ問題は山積している。
まずは美夏先輩の父親と約束した、「半年で学年順位を50番上げる」という目標。これを果たすためには不断の勉強が欠かせない。よって学校の部室が使えるときは部室で、そうでないときは真樹先輩の自宅で、「講習」が行なわれることとなった。
たいていは暇を持て余す駄ゲー部員たちが、駄ゲー攻略を志してすぐ傍らでプレイに没頭する。そのBGM、会話で、気が散ることはなはだしかった。いい加減何とか対策を練らねばならないだろう。
次に、由紀先輩のオーディション。『ワタプロ新人発掘オーディション2018』全国大会に駒を進め、今彼女は駄ゲーどころではなくなっている。歌のレッスンにダンスの練習、スピーチの特訓に立ち居振る舞いの矯正。時々義務のように駄ゲー部に顔を出し、疲弊でやつれた表情を披露して部員たちから慰撫される始末だった。何とか優勝の座を掴んでほしい。切にそう願う。
最後に俺自身の問題。何だか俺、新川雲雀先輩のことが気になりだしてしょうがないのだ。
パソコン部との最終戦の後、彼女と交わした握手。あれからなぜか、俺の頭から雲雀先輩の笑顔が焼きついて離れなくなってしまったのだ。それこそ四六時中、何なら風呂でくつろいでいるときでさえ、彼女の瞳がぼんやり目前にたゆたっているように感じられる。
このことを楓に相談してみたが、あいつはまつ毛を伏せて「自分で考えたら」とそっけない。何なんだ、あいつ。
まあそんなわけで、駄目ゲームを愛する一風変わった部活動、駄ゲー部は今後も続いていく。俺はその一員として、やっぱり一風変わった学園生活を謳歌していくつもりだ。
果たしてこの先、何が待ち受けているのか?
それはまた、いずれ報告しよう。




