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102 クマキャンプ、太陽の巫女 その3


 洞窟は狭く細かった。

 ひんやりとして湿った空気。独特な匂い。

 自然の洞窟と人工的に削り積み上げた部分がある。

 当然、真っ暗だったので、チビクマを出して光の精霊を纏わせた。

「その小さいクマちゃん、かわいいわ」

「チビクマだよ。使い魔みたいなものかな。あのぬいぐるみの熊、ダーク君が作ってくれるんだ」

「あの人が作るものなら、ちょっと不安ね」

 源雪みなもと ゆきのダーク翔一評価はかなり低いようだ。

 彼女はハットとアウトドア衣装でかわいい冒険家だ。子熊の後ろに続く。

「それにしても、この洞窟、明らかに人が作ったものクマだよね」

「うん」

 二人は無言で細い洞窟を進む。

 大人ならギリギリの狭さだろう。大柄な人なら引き返すしかないような場所もあった。

「女の人か子供ならいけると思うクマ……よいしょ」

 モフお腹が少しつっかえる。

「女性用の洞窟なのかしら。女の人の幽霊がいたんでしょ」

 どのくらい歩いただろうか。

 非常に細長い洞窟はグネグネと曲がり、距離も時間も完全に感覚が狂ってしまった。

 しかし、翔一は感じていた、とある女性の香りを。

 彼女の香りは途切れない。

「ウフフ」

 微かに女の笑い声。

 曲がりくねった道で、一瞬だけその女の後姿が見えた。

「誰かいたよ」

「罠みたい」

「悪意はないと思うクマだけど……え? あれ? 匂い消えたクマ」

「そうね、消えたわ」

 二人してクンクン匂いを嗅ぐが、女性の香りはなくなってしまった。

「誘うのが目的だったのかしら。引き返すのも……」

 振り向くと、道は細く戻るには難儀が感じられる。逆に、奥へ向かう道は少し広くなり通りやすい。

「戻っても解決しないクマだと思う」

「そうね」

 結局、そのまま進む。


 突然、広い空間に出た。

 チビクマをもう一匹出して洞窟を照らしたが、広すぎて地形は判然としない。

 そして、ぎょっとする。

 巨大な何者かが立っていたのだ。

 身長は三メートルはあるだろう。

 大きなカーテンのようなローブ、そして、獣の頭部。

「象?」

 雪は恐怖のあまり、翔一の背中にしがみつく。

 翔一は『念焔剣ねんえんけん』を出した。柄は壊れたままなので、ぶ厚く硬く布を巻いている。

 信じられないほど巨大なオーラを持つ怪物だった。

「勇者と巫女。よくぞいらした」

 巨大な象頭の怪物は低い声で話す。

 長い鼻がふらふらと揺れる。

「あなたは何者クマ」

「私は異世界を渡り歩く者。英雄の水先案内人」

「見た感じ、おじさん悪者クマだよね? それとも、僕たち人獣の仲間?」

「どちらも違うとだけいっておこう」

「とりあえず、狂暴性だけはないみたいよ。普通に会話しているわ」

 多少、警戒を解く二人。

「女の人がいると思うけど、いないクマ」

「勇者と縁のある鬼神に誘ってもらったのだ。彼女はもういない」

「……」

「お二人を誘ったのは他でもない。この胎道を通って呪力を得て、太陽を呼び起こしてもらいたいのだ」

「意味が分からないクマ」

「最初に太陽、次に月。最後に風。風がすべてを呼び起こす。風は勇者殿」

「……」

「巫女は太陽をたたえる舞をやっていただく」

「私が巫女? 舞なんてやったことないわ」

「大丈夫、祖霊に聞きなさい」

「結局、何をするクマ?」

「これを渡そう」

 ガン! といきなり目の前に鉾槍が地面に突き立つ。

 朱に塗られた魔力の武器。

 霊視をしなくてもわかるほどの力だった。

「巫女よ取りなさい」

 おずおずと、雪は柄を握った。

 抜いてみる。

 まるで重さがないような鉾だった。

「軽いわ」

「主以外には重くて持てない。あなたがその鉾の主なのだ」

「舞はどうするの、祖霊って何よ?」

 しかし、雪が象人間に聞いた時には彼の姿は消えていた。

「あれれ、消えたクマ」

「何だったの、今の」

 だが、彼女の手には鉾があった。

 鉾から光が発せられ、広範囲に洞窟を優しい光で照らす。

 光に照らされた陰に、大勢の女性がいた。

 雪と同じような鉾を持っている。

「大勢の人がいるわ」

 雪は一瞬驚いたが、彼女たちの優しげな表情、顔立ち。なぜか親近感がわいた。

 何かを話しかけてくる。

「祖霊さんたちクマ。入り口にいた人たちと同じかな? 仲間なのは間違いない」

「教えてくれるわ。こう舞うのね」

 雪は舞の動作を始める。

 元々、猫人獣として運動能力は高い。そして、流れ込む記憶が雪に舞を舞わせた。

 流れるような動きで、鉾を地に立てて、その周りを楽し気に踊る。

 時折、鉾を振り回す。それも軽く速い。

「音楽が欲しいクマだね」

「スマホも動かないんじゃ、どうしようもないわよ」

 そういいながらも、笑顔で舞う。

 翔一は美しい彼女の姿に見とれてしまった。

「クマクマ」

 一通りの動作を覚えて、雪は翔一の横に立つ。

「行きましょう。祖霊の皆さんももう消えたわ」

「うん」

 洞窟の奥はさらに大きな空間のようだった。

 二人は古代の誰かが作った段を踏みしめて、地下空間に降りていく。




「やるわね、恭平」

「そうそう簡単に俺がやれると思うなよ」

 キャンプ場の河原。

 二人の男女が戦っている。

 長い棒の巧みな動きを、大神恭平おおがみ きょうへいは軽々と躱し、いなして赤嶺明日香あかみね あすかに肉薄した。

 明日香は大神の薪が届く直前でさっと離れる。

 先ほどからこれの繰り返しだった。

「大神君、腕を上げたな」

 眺めていた赤嶺泰造あかみね たいぞうが褒める。

「クマちゃんと雪ちゃん、ちょっと遅いわね。遠くに行ったのかしら」

 猪田剛三いのだ ごうぞうが音楽のヘッドホンを外して声を上げた。

「ちょっと、心配になるでござるデブ」

 池袋裕斗いけぶくろ ゆうともパソコンを操作する手を止める。

「一時間は経つか……明日香、俺が様子を見てくるぜ」

「そうね、私も行くわ」

「その間に小生、栄養満点特製パンケーキを用意するでござるデブ」

「あんた、さっき食ったばかりでしょ。というか、栄養足りすぎでしょ、あんた限定で」

 池袋のセリフに呆れる猪田。


 大神は薪を捨てると、川岸に向かう。棒を持ったままついて行く明日香。

 匂いを嗅ぐ。

「二人の匂いはない、か」

 しかし、大神の鼻腔に別の香りが入ってくる。

「ん、この匂い」

「何の匂いがするの?」

 明日香は人狼だがあまり動物的能力は高くない。

「若い女?」

「何よ。それ。あんたが変なことばっかり考えてるから匂いがするんじゃないの」

「んなわけないだろう。俺はいつも真面目だぜ」

「へー、それは凄いわね。全然、信じられないけど。……それで、方角はわかる?」

「たぶん、上流の方だ」

 大神の見た方向には大きな岩がごろごろと転がっている。

 砂防ダムがあり、岩はそこに堆積したもののようだ。

 そこだけ流れが緩くなっている。

「雪ちゃんの匂いなの?」

「違う。でも、放置もできないだろう」

 現在、キャンプ場の人間でいなくなっている若い女は源雪みなもと ゆきだけだった。

 元々、大勢の客はいない。

「霧が出てきたわね」

「スマホ持ってるから大丈夫だと思うが、ちょっと心配だな。謎の女の方も」

 二人で川沿いに霧の中を歩く。

 岩が増えて、草が多い。

 大神はひょいひょいと、身軽に岩を超えた。

 百メートルぐらい上流に登っただろうか。

「明日香、ついてきているか」

 ふと、不安になって明日香を探す。

 しかし、すぐ後ろにいるはずの明日香は姿が見えなかった。

 返事もない。

「おい! 冗談はやめろ。明日香」

 しかし、答えはなかった。

 匂いを嗅ぐが、彼女の微かな香りがするだけで、すぐ近くにいるようには感じられない。

「何なんだ、あの女に限って心配はいらないだろうが……」

 一応、もう少しなので砂防ダムの上を確認しようと考えた。

 明日香はそのあと探す。

 前を見ると、中年の女がいた。

 ぎょっとする大神。

 霧の中なのに、姿がはっきり見える。

 年上の女、容姿は美しい。服装は普段着のようだ、エプロンをつけている。

 今どこかの家から出てきた主婦のようだ。

 アウトドアをしていたとは思えない。

「あんた、誰だ。どこから出てきた」

 彼女の気配は全くなかったのだ。いきなり出現したように見える。

(若い女じゃない。というか、この女!)

 女から匂いがしない。

 大神はそれに気がついて、冷や汗が出る。

 獣の人間にとって匂いがないのは非常に異常な兆候だったのだ。

 女は必死に何かを訴えている。

 まるで、砂防ダムの上に行くことを止めているようだ。

「あんた……」

 女の胸には赤いものが滲んでいた。

 見る見る広がって行く。

 赤く染まるエプロン。

「けが、じゃねぇな。そんな出血で、生きて動けるわけが……あんたは……」

 大神は状況の異様さに動けなくなった。

 心が麻痺したのだ。




 そこは大きな舞台のような空間だった。

 非常に巨大な岩が正面にあり、それが巨大な壁のように立っていた。

 壁の前に広い平らな場があり舞台となっている。その周りは座席のような丸石がいくつも並べられていた。

「劇場みたいね」

 雪は迷いもなく舞台に上って行く。

 翔一は霊視しつつ、ついて行った。

 何者とも知れない巨大な霊魂たちが集結している。

 まるで観客のようだ。

 一人の男が霊魂の中から進みでる。

 琵琶のような楽器を持った、古代の装束の男。

「よくきた。かわいい子供たち」

 男は四十代くらい。翔一は歴史に詳しくないので、彼の服装から時代はわからなかった。

 痩せて優しげな顔が印象的な男。深いほうれい線。

「あなたは?」

「太子に仕えるものだ。愛しき巫女よ」

 雪の問いに男は答える。

(おじさん、霊存在だと思うけど、雪ちゃんには見えている。先ほどの祖霊さんも見えていたクマ。鉾の力?)

「僕たちは何をしたらいいクマ」

「私が演奏をする。巫女は奉納の舞を。熊の男は舞が終わったら太陽を出す」

 男は大きな壁の岩を見る。

 よく見ると、細い亀裂があるようだ。

「もしかすると、儀式クマ」

「そうともいえる」

「埴輪さんを置いて、妨害を抑制するけどいいと思うクマ?」

「フフ。その手法は私の友に聞いたのだろう。効果はある。しかし、完全ではない。巫女を守ってくれ」

「わかったクマ、準備するから待って」

 普段からそんなに持ち歩いている物でもないので、埴輪は数個しかなかった。

 舞台を守るように置き、強めの精霊を纏わせる。

 男はその間、楽器の調整をするようだ。ベンベンという小気味よい音を響かせた。

 雪も練習するように、軽く舞っている。

「巫女よ、この衣装に着替えなさい」

 雪はアウトドア衣装だったが、素直にうなずくと、するすると脱ぎ、白い古代の衣装をまとう。

 その間、翔一は後ろを向いていた。

「うふふ。おばさんたちが私の着替えを手伝ってくれる」

 どうやら、あの祖霊たちがやってきて、雪の着替えを手伝うようだった。

「冠と勾玉を」

 男は更に装身具を渡す。

 振り向くと、かわいい古代の巫女が立っていた。

「クマクマ」




 大神は斧を取り出すと、身軽に砂防ダムの上に立つ。

 霧が濃い。

 そして、霧の中で大神は人狼と化していた。

「出てこいよ。こそこそしやがって」

 人間の耳なら川のせせらぎ以外は聞こえないが、大神は確実に気配を感じていた。

 やがて、ザバっと水中から二つの影が出る。

 刀を持った黒い人狼と、槍を構えたネズミ人獣。

「待っていたぞ大神」

 そろッと刀を抜く黒い狼。

「混沌人狼とネズミ野郎だな」

「兄貴、遼の奴」

「チ、腰抜けめ」

「三人目がいたのに逃げたのか。フフフ。とんだ雑魚どもだな」 

 皮肉な笑顔に顔をゆがめる灰色の人狼。

 武器を構える人獣たち。

 しかし、どう見ても暗殺者たちは大神の気迫に押されている。

「どうするよ、降伏するなら命は取らない」

 斧をくるくる回す。

「くそ、こうなったら。アケミ、見えるか!?」

 黒い人狼は防水の無線を腰につけていた。

 手に取ってがなる。

「……」

「くそ、どうなってる! 無線も通じない」

「狙撃手でもいたのか? でも、霧のおかげで助かったぜ」

 大神はキョロキョロする。撃たれたときに逃げ込む場所を考えておきたい。

 見ると、岩の上に女物のシャツが置いてあった。

「ふーん、こんな仕掛けだったんだ。おびき寄せて狙撃、最後は水中に隠れていてとどめってことか。卑怯な奴らだ」

 皮肉な笑顔を浮かべる大神。

「こうなったら、二人でやるぞ」

「おう、兄貴!」

 黒い狼に答えるネズミ人間。

 武器を構え向き合う人獣たち。

 かすかに風が出てきた。

 刀を構えじりじりと下がる黒い人狼。

 いきなり、ばっと横に跳ぶ。

「お?」

 黒い人狼はネズミ人獣の真後ろに隠れたのだ。

 自分の部下を盾にする、あきれるほどの卑怯さ。

 大神は斧を振りかぶっていたが、動きが意外で思わず止まる。

 そこに槍をかざしてネズミが突っ込んできた。

「死ね! 大神!」

 稲妻のように背後に跳ぶと、同モーションで斧を投げる。

 ネズミ人獣は斧に当たりに行ったような形になった。

 ズバ!

 顔面の半分が無くなって、再生もできず倒れ伏す怪物。

 黒い人狼の追撃はない。

 見ると敵は消えたようだ。

 それでも、爪をナイフのように伸ばしてネズミの首を落とした。中途半端では蘇る可能性がある。

 真っ赤に染まる川。

「ち!」

 大神は改めて辺りを見回すが、黒い人狼はどこかに消えた。

 風が出てきたようだ。

「まずいな。狙撃手がいるなら、森に入るしかない」

 ふと、森を見ると、慌てて逃げた人狼の足跡があった。

「狡猾なようで、抜けたやつらだ」

 苦笑して、敵を追う大神。




 演奏が始まる。

 三味線のような音だった。

 男は古代語で歌を歌い、かなりの速いテンポの曲を演奏する。

 雪は舞い始めた。

 翔一は楽しくなる。

 一緒に踊りだしたくなるような気分だった。

 ふと見ると、周りの霊魂たちも大喜びで、酒を飲み、何かを食べながら手拍子をしている。

 音も姿もはっきりしないが、彼らの雰囲気は伝わった。

 曲はゆっくりしたり、早くなったり、一定のテンポで同じフレーズを繰り返すようだった。

(何かが変化するまで状況を繰り返しているように見えるクマ)

 不意に、バリっと埴輪が一個破壊される。

 見ると、洞窟の奥から巨大な双眸が見えた。

「きたぞ」

 男の声が心に響く。

 それは巨大な黒い蛇だった。

 毒の瘴気を纏いつつ、ゆっくりと半透明の黒い体で鎌首を持ち上げる。

 翔一は『念焔剣』と『水竜剣』を抜いた。

 同時に大型化する。

 観客たちは逃げなかったが、生唾を飲み込むのは感じた。

 黒蛇は不意に毒液を吐いた。

 バリン!

 埴輪が禍を吸って、また一つ犠牲になる。

 さらに毒液。

「やらせない!」

 水竜の聖水ブレスで、毒を浄化。

 毒液は力を失って、床を濡らした。

 ギャオオオオオオオオン!

 黒蛇が叫ぶ、バチバチと目が光り、観客たちが何人か犠牲になって消え失せる。

「呪詛か!」

 噛みついてきたのをひょいと躱し、

「白虎一剣!」

 ガンっと、黒い鱗に剣をたたきつける。

 霊魂の鱗がバリっととれる。

 蛇はのたうち、あたりの石くれを飛ばす。

 石くれが舞台に跳んでいった。

「まずい!」

「エアーエレメンタル!」

 ブワっと巨大なエレメンタルが舞台を守った。石くれは風に弾き飛ばされる。

「追いついたぜ、俺様がきたからには安心だ」

 ダーク翔一だった。

「ありがとう、ダーク君!」

 舞台の前の広場で暴れまわる黒蛇。

 翔一は何度も反撃を加えるが、きずつきながらも大蛇は決してあきらめない。

 そして、観客の霊魂たちも、舞台の男も、雪も陶酔したかのよう儀式に集中していた。

(なんて、しぶとい奴だ!)

 かすかに、集中が切れる。

 その時、ブンっと黒い尻尾が横なぎにされ『水竜剣』が弾き飛ばされる。

「毒を吐かれたら万事休すだ!」

「これを使え!」

 ダーク翔一の声。

 精霊界から、巨大な剣が見える。

 とっさに掴んで、黒蛇に投げつけた。

 迫りくる怪物。

 巨大な剣は黒蛇の腹に刺さって貫いた。

 ギャオオオオオオオオン!

「ドラゴンソードだ。鱗野郎には効果てきめんだぜ!」

 宿精がよこしたのは魔竜人が使っていた骨の巨剣だったのだ。

 翔一はひょいと跳んで、天井に張り付く。

「よし、これなら!」

 ガンと天井を砕いて岩を落とす。

 岩はまっすぐ蛇に向かって落下していった。

 そして、大熊は蛇に向かって跳ぶ。

天照岩割剣あまてらすがんかつけん!」

 蛇の目線と、巨岩、そして、翔一の姿。この三者が交差する一点に向かって『念焔剣』を突き込む。

 砕ける岩。

 黒蛇は思わず視線をそらした。

 割れる岩から燃え上がる剣が飛び出し、黒蛇の頭蓋を叩き割る。

 剣は恐ろしく長く伸びていた。

 着地。

 跳ね飛んで『白虎逆流剣びゃっこぎゃくりゅうけん』の構えを取る。

 しかし、黒蛇は鎌首をもたげた状態で動かなくなっていた。


「勝った、のかな。……すごく強い敵だった」

 翔一は黒蛇を倒しはしたが、内心の驚きは隠せない。

「蛇の精霊、蛇の半神だな」

 死骸を検分する黒い子熊。

「妨害は乗り越えた、しかし、最後の試練がある」

 琵琶の男の声が心にこだまする。




2021/9/4 9/5微修正

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