開戦&海戦
‥自分ののペースで頑張ります。
ではよろしくです!
竜玄歴 1209 九月末日。
シューリヘトの説明した此度の防衛戦の戦略はそれ程難しい内容ではない。サン・ロレンツォを中心に魔力総壁を展開する。周囲の教会はそれぞれハブになり、魔力を集める支柱となる。
莫大な魔力の消費が懸念されるが、聖女カネラであれば一月は持とう。実際魔法組合のレーヴを筆頭に各魔術師にても支柱を補点する展開になる。仕組みは異なるが、レグザの結界の巨大な結界と捉えてよい。
大砲や巨大魔法、神術など遠距離攻撃は無効化できる。ただ、人の出入れは防げない。また物理攻撃など近距離攻撃には効果を持さない。実際どの程度のあるかは長い間使ってないので分からないとの事である。
それと共にそびえるジェノヴァ塔。西側にあり現在は灯台して機能している。教会側よりも離れているが、その最上階にはジェノヴァの神具があるという。。本当?と思えるが。
―――僕は甘えていたんだと思う。
今の地位に酔いながら。
暫定と言えども領主だと言われ。
強さは敵うものはいないと思ってた。
どこか神の子とおだてられてたんだと。
‥傷つく事でしか気づかない
哀れな人の欲望よ‥
ジェノヴァ塔で※※※と対峙するまでは―――
僕は誰にも負けないと思い込んでいた‥‥‥
▽▽▽
「主はまだですか!?」
「気にせずともよい。準備通りに」
早朝早くからその船団は襲って来た。
情報と異なる事は多くのキャリバン船があちらの主体となっている事。
砲撃から始まるジェノヴァの港は正に火の海と化した。
当時35.2mm砲撃など誰が想像したか?
一斉射撃は緑の宮殿ですら被弾し半壊し、港の道は見渡す限りの砲撃の穴で埋め付くす。
そう。これがバルハリア海賊団である。
潮と共に熱風が訪れる。耳が麻痺するほどの豪声で攻め込む。
様子見と最前列の港湾機動隊は既に姿がない。
遠距離攻撃で混乱された港はすでに。
その複数によるガレオン船より吹き出される砲台により港湾入口の波除け堤防は瞬時に破壊された。不幸な事に待機していた防衛船も砲撃に巻き込まれ何もできないまま沈んでいく‥
号令の合図と共に喫水の浅いオスマンガレーは港に飛び込んでくる。まるで魚の群れの様に素早く。
ジェノヴァ港には数十のオスマンガレーで埋め尽くされ、我先へと陸に向かう。
オスマンガレーはどこよりも早く、囲み、撃破、炎上、次へと進む。
途中ジェノヴァ防衛の為にある30隻以上の中型船は何もできる事なく沈んでいく。
―――日が上がるまで待つジェノヴァ防衛軍は、その物量と共に前線してきたオスマン帝国の船団にまるで敵わなかった。
それは、港全体を揺るがす声量と。
明かり一つなく攻め入る小型船はまさに突き刺す勢いであった。
明朝の先制はオスマン帝国闇に紛れし接近。
オスマン帝国海軍恐るべし―――
この一文がジェノヴァ防衛戦議事録より記される―――
▽▽▽
「対したことねえなぁ〜」
「さっさと奪うもんうばっちゃおうぜ?」
「ああ眠っ‥‥」
「兵も寝てんじゃねえのか?ぎゃはは!」
「宝石商も多いと聞く。さあ本業するか‥‥ん?」
多くの船が港内を埋め尽くす。
港からは何の反応もなく、逆に静まり返って不気味であった。
先頭の船はもう岸壁に近づいていた。
「‥‥‥そういえば魔法?だっけな。欧州でもジェノヴァ軍は優秀と聞いていたが」
「びびって隠れてんじゃねえのか?ん?樽が浮かんで―――」
「「「ドゴン!!!」」」
港内に爆音が鳴り響く。
海賊のほとんどは岸壁近くで陸にしか目を向けていない。
砲台で壊れた岸壁の破片や、浮かぶ木造の浮遊物に気にするものはいない。前方より大爆発が起こり、港湾に集まり引き締めるオスマンガレーは為すことがないまま火の海に囲まれた。
「うぎゃ!」
「な、何が起こった!?砲撃か?」
「蛮人に挨拶などなし。我が街を見るまま消えればよい」
―――クロエ・スピノラ・フニオール。
スピノラ家の主であり様々な魔術具の収集家である。ほぼ神殿などに閉じこもり姿は見せぬが、その風貌は魔女と呼ばれている。
大きな広い三角のとんがり帽子、また七色の宝玉が埋め込まれた黒壇の曲がった杖。
それが起爆剤となり炎の渦を舞う。
その明かりで暗い港が照らされた。
すでに廻りは近衛兵が守り、港には軍勢が配置についている。既に湾内に多くの樽が浮かぶ。
「くそったれ!ハメられた!」
「ふ、船はだめだ!戻せ!」
港内の豪声は悲鳴に変わり。
船には次々と火が囲む。
「左右魔法組合達よ。同じく追撃せよ」
「「ははっ!」」
魔導師の炎弾や火玉が一斉に囲む。
左右にも仕掛けが合ったのか炎はより大きく海をも燃やす。
「クロエ様。では聖堂へ」
「もう少し見ておりたいがのぅ。しかしよく燃える油じゃ」
「重油と申すものの様です。通常より重く粘土がありましたが。。まさか海に浮かぶとは」
「ふむ。まあ朝まで消えんかの。匂いに続いて煤が付く。では任せたぞ兵長よ」
「お任せくだされ!」
事前に打ち合わせしていた様に港湾には重油が流されていた。樽にはアレフレッド特製の黒鉛発火材。それが全てである。
港の出口では船が我先にと逃げるが、広くない入口は押し詰めあいまた燃えた船の性で視界が悪い。重油の煙は深刻であり一体を囲む。
沖合いでは魔法にて風壁まで用意され、、長く続く船団からは何が起きているのかわからなかった。
音が消え、空に朝日が登る頃。
煙はまだ燻っている。
徐々にこの開戦の初激の結果が分かった。
バルハリア海賊団の被害は大きく、港湾に侵入した70隻余りの特攻型オスマンガレー船が沈没する。一番多いのは火に巻きこまれた訳ではなく、煙による一酸化炭素中毒、窒息死。朝日が上がるに連れて惨状はまさに地獄であった。
2000ものオスマン兵の死亡。
まさに一方的に戦争の姿を変えていた。
まだ海自体が燃えている。
明るくなるはもの、空の天気は昨日以上に雲をまとい、時間の感覚が分からなくなる。いつ雨が降ってもおかしくはない。
そしてジェノヴァの港街が金色に輝く。
いくつかの教会の先端より光の柱が中央に集まり。
魔力の少ない者であれ半円状に広がる魔力総壁は分かった。
住民の中から歓喜の声が聞こえる。
ここに結界が生成された。
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