【Day 5】午後11:50:悪夢の共有
深夜、修理工場の頑丈な事務所の片隅で、二人は息を潜めていた。
外の通りからは、未だにアレンの家の方角から
響くゾンビの呻き声が聞こえている。
我が家は完全に失われた。
しかし、アレンの心に絶望はなかった。
背中を預け合える相棒が、まだ隣にいるからだ。
サラはレザージャケットの袖で顔の汚れを拭い
アレンの肩に頭を預けた。
「あはは……。家はめちゃくちゃになっちゃったけど
あんた最高にクールだったよ、アレン。
ただのオタクじゃないね、本物のサバイバリストだよ」
「君のサポートがなければ、僕は走ることすらできなかった。
……ありがとう、サラ」
アレンはサラの肩を優しく抱き寄せた。
かつて人間を拒絶していた彼の心は、完全に彼女という
「かけがえのない存在」を受け入れていた。
浅い眠りの中で、アレンはまたあの悪夢の空間へと足を踏み入れた。
真っ赤に点滅する、軍事基地の地下制御室。
『PROJECT RESOLUTION:最終シークエンスまで、あと48時間』
画面のエラーコードが次々と書き換わっていく。
その時、夢の中のアレンの隣に
しっかりとパイプレンチを握った金髪ポニーテールのサラが立っていた。
彼女はアレンに向かって不敵に笑い、こう言った。
『ラストステージだね、アレン。
アタシたち二人で、この世界をクリアしてやろうじゃないか』
アレンは静かに目を覚ました。
裸眼の視界の先、窓から差し込む月光が
サラの寝顔を優しく照らしている。
世界が核で灰になるまで、あと2日。
アレンは心に誓った。
どんな結末が待っていようと
この相棒と共に最後まで戦い抜くのだと。




