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『また、今回もしっぱいしちゃった。〇〇くんは、、、?』
『ん、あ、あははっ、僕もしっぱいだった。でもお互いがんばろー?』
そーいや、子役を目指してた頃があったっけ、。、、、〇〇くんって誰だろう。ゆなみたいな面影があるのは、気のせいかな。
早く来すぎて教室で居眠りをしてしまっていたために夢のせいで色々思い出してしまった。
子役なんて、今はなんで目指していたか分からない。
ゆなに似ていたあの子はゆななのだろうか。
幼馴染?
そうだっけ、、?
「おっはよぅ、未海。」
昨日と対照的な明るさのゆなに振り向く。
「おはよ、ゆな。なんでそんな元気なの?」
「あのね!僕、未来ができて!歌い手って知ってる?僕最近よくみるんだけど、その歌い手さんの事務所でオーディションをするの。僕も対象に入ってて、だからやってみようかな、って。」
元気でペラペラ話すゆなに少し興味が湧く。
「ゆな、それもっと詳しく教えてくれる?」
「もっちろん!」
ゆなはそういうとペラペラと話し出す。
歌い手がどう言うものなのか、というところからどんなふうに審査が進んでいくのか、事務所やその事務所の方針まで隅々まで丁寧に教えてくれた。
「へぇー、そんなのあるんだ。」
「、、、もし、良かったら、なんだけどさ。っ、、、一緒に、やらない?」
ゆなの顔が必死で、今日見た夢のあの子と重なる。
「、、今はまだ、決められない、、ごめん、ね?」
「、、、そっか、そう、だよね。」
しゅんとするゆなを励ましたくて
「でも、俺、平均すぎるの嫌だなって思ってたから!やってみても良いかもしれない!!」
と明るく話す。ゆなの顔もぱぁっと明るくなる。
「まだわかんないけど、でも、一緒に高みを目指そう。」
そういったゆなの顔はこれまで以上に明るく、嬉しそうな顔をしていた。
家に帰っても決心がつかない。
どうしよう?
でも
何をしていても笑顔のゆなが頭から離れてくれなかった。
そんな自分を落ち着けるべく、ゆなが言っていた応募のサイトを検索する。
案外すぐ見つかったそのサイトにはゆなが言っていたことがそのまま書いてある。
応募用紙はこちら(コンビニなどで印刷可能)
インターネットで応募も可能→フォームをチェック。
俺は、、、インターネットかなぁ。親にバレるの嫌だし。
「本名を入力」
「やりたかった理由」
「特技」
「好きなもの」
「年齢(学年)」
「偽名」
などなど、たくさんの質問に丁寧に答えていく。
最後の「送信」ボタンを押す。
でも、ゆなに伝える勇気がなかった。
ゆなと一緒に高みを目指したいから、ゆなの笑う顔をもっとみたかったから、でも、、、。
ゆなには伝えることができなかった。




