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満月ちゃんを何とかしよう大作戦 その1

 

 只々時間は過ぎていった。

 ふと周りを見渡せば優羽の部屋に集まったのは十五人くらい。

 優羽の部屋は決して狭くはないのだだが十五人集まるとなれば結構ぎゅうぎゅうになる。

 「あ~お腹いっぱい」とか「帰っていい?」とか「眠い~」とか

 弓道部員たちが自由にダラダラしている中、部屋の主の一喝が響き渡る。

「よしゃ~!」

 そういって優羽は自前のPCを持ち出して部屋に備え付けられているプロジェクターを起動する。

 お金持ち感が半端ない。

 優羽はPCを出力して真っ白い画面をシャコッとして部屋の壁に映し出される。

 余談ではあるが夜な夜な少女たちが優羽宅に集まるらしい。

 このプロジェクターを使い恋愛ドラマ見たり諸々映画とかを見ているのだと言う。

 優羽の同級生談である。


 そういうごく普通の女子高生たちである弓道部員たちはてんで話がわからないであろう。

 只、集められただけであるため話を理解するだけで精いっぱいだろう。

 優羽の同級生たちが六名。一つ下の後輩が五名。

 皆、女の子たちで構成れている。

 決して男子禁制とか女子弓道部というわけではない。

 単純に男子たちがひよって近づかないだけらしい。

 新入部員として新学期には一年生男子が数名ハーレムを夢見て入部するが、現実に打ち砕かされ絶望するひ弱な男子たちばかりだという。優羽同級生談である。

『男子はアマッタレ』この弓道部に先祖代々伝わるお言葉だそうだ。

 

 僕はまるで弓道部や彼女たちを知らないから下手に手を出すと怪我では済まないだろう。

 彼女たちは非常に獰猛で気性が荒い。あと間違いをとにかく嫌う。

 たまに警察と言われるまで鬼職務質問的なことをして来たり、精神的にとことん追い詰めたりしているそうだ。絡まないほうが吉なのだ。そりゃ男子たちもひよってしまう。

 というのを彼女たちの会話や雰囲気で汲み取った。


 ようやっとPCが立ち上がり優羽部長は腕を組んでドヤ顔をする。

「これより、満月ちゃんをなんとかしよう大作戦を開始する!」

 と勢いよく言うのは良いが威勢がいいのはここまで。

「イェーイ」とか「優羽さいこー」とか「新部長頑張ってください~」

 などなど気のない返事ばかり。

 この会議は優羽部長の呼びかけによりただ集まっただけなので詳しい内容は聞かされてないみたい。

 だけど部員たちは満月ちゃんが『とりどらごん』にやってきた。という事実は知っているようだ。

「あ!パパたちとごはん食べに行ったときに栄太郎さんいましたよ!」

 と優羽後輩Aが一言。

「え!優羽に会いに行ったときも満月ちゃんいたの!?」

 と優羽同期Aが一言。

 とりわけこの会議自体何をするのかさえ決まっていなかった。

始まらない、進まない。帰れない……。



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