23話 筋肉!
「あああいあい(鼻が痛い)・・・」
朝日の顔がピエロの白塗りから真っ赤に変わっていく。鼻だけならまだしも・・・子供なら超トラウマになるぞ、この顔。
「キャーーーーー!!!やばっこいつやば!」
何こいつ?アンシェールビビりすぎじゃない、ロボでしょ?ロボとしての自覚がないな、こいつには。
「うるさい!!青髪、まずはロボットを殺せ!!」
ボス格のやつがそう発言する。よかったー、俺狙われてないんだ!ぶちのめす準備しよ!
・・・あれ、俺武器ないじゃん!!このままアンシェールがやられたら俺何もできないぞ。
でも大丈夫!なら俺の進化した能力、ビッグボイスバフ(仮称)でアンシェールをサポートしてやろう!
「おい!男ならシャキッとぶちのめしてやれーーー!」
決まった!これでアンシェールにバフがかかったはず、、、
嘘だろ・・・!
ボキッ、ボキッ!
ガシャーン、ガシャーン
俺の目の前には確かに強くなったアンシェールがいる。それはスペックを見ても見た目を見てもわかる。だがなんで、敵が!
「おいおい、なんで俺たちまで筋肉が育ってんだ!?」
何が起こっているんだ!?青髪とボス格にバフがかかっている!?バフのかけ間違えか?ならアンシェールにかかっているのはおかしいし、、、どうしよどうしよ・・・
「まあいい青髪!進化したお前の筋肉でそこのロボをぶちのめせー!」
アンシェールの3倍のタッパがある青髪がアンシェールを目掛けて突進してくる。
終わった・・・全て俺のせいだ。俺のせいで、また・・・全てが終わる。
「お前のツッコミは早すぎるんだよ!もっと内藤に合わせろ!」
あの頃の俺はツッコミに固執していた。早ければ、数が多ければなんでもいいと思っていた。いや、今でもそれは変わっていない。でももしそれを聞いていれば優勝していたのかもしれない。過ぎた今はたらればで語るしかない。
・・・本当にそれでよかったのか?
「相馬が一番面白い!俺が保証する!」
内藤がいつもそう言ってくれた。自分のアイデンティティを捨ててまで、漫才を俺はしていたのか?
・・・してるわけない!過去を後悔して諦めるのは簡単だ。だが俺はまだ諦めるわけにはいかない!!信じてくれる誰かがいるなら!
「アンシェール、お前のロボ魂見せてくれーーーー!!!!」
「うるせーーぞ!!何もできないクソ菅笠とクソロボがああ!!」
「ぶちんっ」
アンシェールが何か囁いている。
トンッ、トンッ
アンシェールは軽やかな身のこなしで筋骨隆々な青髪と筋骨隆々なボス格の敵にメロディアスファイアを叩きつける。
これで、何が起きるのか・・・?
ブチブチブチブチ!!
なんだこの音は?!!
「「いてえええええええーーーーーー!!!」」
まるで五歳児が躓いた時のように泣き叫んでいる。大人でこれだけの筋肉男が泣くのは初めて見る。なんか貴重だな。だが、何が起こったんだ!?
なんだ?アンシェールがこっちに向かってきているが?
「ソバキシ、ありがとう。君がもし彼らを成長させていなかったら僕は負けていたよ。僕はぶちんっと言う音をメロディアスファイアに乗せて彼らを叩いた。ぶちんっ、なんの音かわかるよね?」
「・・・筋肉のちぎれる音?」
笑顔でこちらを向くアンシェール。想像だけでも痛くなることをこいつは笑顔でよく思いついたな。
「でも、ありがとうはこっちのセリフだ。お前がいなければ俺は死んでた。それに前を向く大切さも思い出した、本当にでありがとう!」
二人が離脱した状況でなんとか倒せたのは奇跡だら。今はただ喜びを噛み締めるばかりだ。
「相馬さん、そんなお辞儀して・・・やっぱりちょっと年取ってるのわかりますね!」
「アンシェール、ぶちんってもう一回言ってくれ。」
ちょっと時間がかかりました。




