9話 天下統一への道、封鎖します
レキシアム・スリップは偉人と協力するゲームだが、偉人と協力するためにはミッションをクリアする必要がある。そのミッションは共通だが、その前段階として一人のプレイヤーが偉人と仲良くなり友好度が100になる必要がある。そのためのミッションもあるが過酷なためクランに入るなどして協力するチームも少なくない。
何とか朝日を説得して、金髪のピエロにした。
「顔も似てるしいいじゃんか!名前もアサピにすればマジで天下狙えるって!」
カスみたいなダジャレでも
「最高ですよ相馬さん!アサピとソバキシで漫才やりましょう!でもその前にあの男から貰った手紙の事済まさないとですね。」
一度自分のアカウントを開いた時、前とは違う手紙が届いていた。
「織田信長を、殺せ。そしたら会わんこともない。
このゲームって偉人殺せんのかよ。無理だろ設定上。」
「それはできないと思います。倒せると言ってもその場にとどまる程度でしょう。あの男以外のキャラは少なくとも自分が死ぬことのない存在であることは理解しています。あの男も理解している可能性は高いです。」
「しかもこの手紙、相当の怨念が詰まってる。」
俺には何も思い浮かんでいなかった。あいつと会うことが何のメリットになるかもわからない状態で人を殺すことはできない。
「歴史のもしも、とでも言いましょうか。もしかしたらあの男は個人的な恨みを抱えている。それが発散されなかった。少なくとも僕たちが生きている世界では。だがこの世界ではどうでしょうか。もしかしたらあの男は本当に殺せるのかもしれません。現実世界の僕や相馬さんにも怪我を与えた彼ならあり得ます。もし僕たちが倒せず、彼が他のプレイヤーに見つかれば。このゲームに何が起こるか本当にわかりません…なら僕たちが、信長を殺さないと!」
「自分の怪我、知ってたんだ。」
「はい。めっちゃ痛かったですよ。」
「手紙の切り傷だよ。」
俺は朝日の発言を受け入れることにした。
「早速ステ振りと行こうか。俺は大剣だからスタミナをあげておくか。」
「弓なら何がいいんですか。」
確かに弓ってなにがいいんだ。そもそものスピードは他に比べて速い。スタミナといっても遠距離が基本だし。
「なら素直に攻撃でいいんじゃない。使ったことないからわからんけど。」
そして、俺たちのレキシアムは開幕した。
「始まりの村、行きますか。」
「行かねえと始まらないからな。しかもそこにお目当ての織田さんがいるとなったら、行くしかないだろ。」
「ならソバキシさんは織田さんをどうしたいんですか。」
「殺すに決まってるだろ。
誰?」
「私ですよ。この度、有効度が100になりましたので、私も戦えます。」
「何で、いつのまにか友好度上がってたんだよ!?」




